表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/213

反撃と油断

蛇王の胴体が動き、顔を上げていく……だいぶ動きも遅い事から、さっきの一撃でかなりのダメージを与える事が出来たんだろう、なんてったってヒーローの必殺技だからな


『さて、追い討ちかけるんだが、何か良い案はあるか?あんなにデカイのと戦うのは初めてでな、蛇の頭を潰せばいいのだけは知ってるんだが、さっきの一撃でも立ち上がってきたし』


『ははっ…調子に乗った後はしっかり冷静に考えるのか…良いねぇその切り替え、とりあえずさっきの必殺技とやらをもう少し改良しないか?ひとつ提案なんだが複合魔法は知ってるだろ、それをさっきの蹴りに付与すればいい、発動に至るまでのコントロールは俺がやっとくから気にせず突っ込め』


『乗った。それで行こう』


空中を行けばさっきの蹴りを警戒される為、陸路を猛スピードで走る。

蛇王は意識が朦朧としているのか、起き上がるだけで精一杯の様だ。


近くまで接近し、もう一度脚力を上げて跳び上がる。ブラッドからは『何時でもいけるぞ』と準備は万端な様だ。

蛇王が気づく前に顔の近くに、そして回転……いくぞぉ


「本日2回目のラ〇ダーーーーキィーーック」


蛇王の頬に2回目の必殺技が炸裂する……けど、さっきと同じで吹っ飛ぶだけだ


『何も起きないぞ、失敗したのか?』


『まぁ見てな、近いと危ないからな…』


直後、蛇王の頬を中心に光が発生したと思うと…大爆発が起きる。

なんじゃあれは……ミサイルでも当たったのか?


『何やったんだあれ?』


『ははっ…あれはな、火属性と風属性の複合魔法で起こす爆破魔法だ。風属性の魔法と火属性の魔法の威力をなるだけ小さな塊に抑え込み、一気に炸裂させて起こす爆発、スゲェだろ、ビビっただろ』


確かに昨日読んでた魔法書の中に記載は合ったが、鎧ごと吹き飛ばすってくらいの威力ってしか書いてなかったぞ……ありゃあ完全にミサイルの爆発だって、次元が違うぞ


しかし、あれ喰らってまだ蛇王は動いてるぞ……有り得ないくらいのタフさだな、さっきの爆発喰らって意識がハッキリしたのか、こっちを見据えている。しかも口を開けてもう一度レーザーを放とうとしてやがる。


『来るぞ、しっかり動けよ。また喰らうんじゃないぞ半死に野郎』


『解ってるさ、てか半死に野郎って言うな!!』


蛇王の正面を避ける様に右に走り出す。これならあの口のサイズのレーザーでも避けれる。だが、蛇王はこっちを目で追って来ている。


結構なスピードのはずだが、目で追うって凄いな。

思った瞬間、こっちを向きレーザーを発射する。

直線の攻撃なら躱せると思っていたが、やつの攻撃は直線ではなく広範囲のレーザーで攻撃をモロに受けてしまう。だが、衝撃自体長く続かずすぐに止んだ


「くっ…こんなやり方も出来たのかって蛇王がいない?」


攻撃で一瞬だけ目を離しただけだ。でもその一瞬でアイツはいなくなっている。あの巨体だぞ、そんな馬鹿な……

まだ追えるはずと思い勢いよく跳び上がるが、どこにもいない……どこに行ったというのだ


『お前さんが喰らってしまうからこうなるんだよ。しっかり避けろよな』


『すまん、1回目の攻撃と同じと思い込んでいた。本当に油断し過ぎだな……でもあいつはどこ行ったんだ?判るか?』


『いや、判んねぇけど思い当たる節はある。って言うか、そろそろ時間だぞ、ライラんとこに戻ってやれよ』


ライラ置き去りだったな……急いで戻ってやろう、跳び上がり空からライラの元に戻った。


『じゃあ元に戻すぞ』


姿が白のスーツからフィッシングウェアに戻る。

今までの状態を《融合》と言い、共存者の姿を俺自身の姿とを一体化させてステータス全体を強化する力だ。とあるマンガのフュージョンを思い出してもらうと解り易いか……制限時間があり、長く使い過ぎればお互いに何らかの反動があるらしく、気を付けなければいけないと言っていた。

ただし、ブラッド自体の能力ではなく共存した者同士の力らしい、結局ブラッドの能力は使う事なく逃げられてしまった。


「ジン……恐かった、本当に恐かったよぉ」


ライラが元に戻った俺を見るなり抱きついてきた。

泣きじゃくってる様子で、現場を抑えられたら浮気って現状を振り払う事が出来なかった。


「あぁ、俺も死んだと思ったよ。けど、ライラだけは助けなきゃと思って咄嗟に盾になったけど、造った壁は簡単に壊されるわ、腕でガードしても溶かされていくわで覚悟したよ……」


「うん、うん……ありがとう、ジン」


もう少し落ち着くまでこのままにしといておこう…

ブラッドに『この浮気野郎』って言われたが、当然シカトした。



―――――――――――――――――――――――



「ごめんね、抱きついちゃって、もう大丈夫だよ。ところでさっきの姿は何?」


「さっきのはこの指輪の力でさ……」


あれ指輪がないぞ?無いって言うかはめた場所にタトゥの様な物が描かれているぞ……


『オイ、ブラッドこりゃあどうなってる?』


『さっきの俺の言葉にはシカトしやがったくせに、解らない事があれば聞いてくんのか?都合のいい奴め』


『そりゃシカトされる様な事言うからだろうが、てか質問に答えろ。指輪が消えてタトゥみたいになってんのは何でだ?』


『ははっ…考えりゃあ解るだろう、共存者になったんだ。外せない様にそんな風に彫られたんだろ、世の中そんな甘くはないって事さ』


マジか……指輪をはめている間だけと思っていたが、これからずっとかい…これが力の代償って事か


「ジンどうしたの?」


「いや、何でもないさ。まぁ、さっきのは召喚の際に渡されていた力だったみたいで、攻撃の間に目覚めたーーって感じのやつだよ」


「凄かった。あの蛇王を撤退させたんだもんね、流石だったよ」


「今回は運が良かっただけさ、1発目と2発目は奇襲からの攻撃だったし、最後の攻撃は喰らってしまったしね。まだまだ詰が甘かったよ」


もし次に立ち合う様な事があれば今回みたいに上手くはいかないだろう……

この《融合》も上手く使いこなせる様になっていかなければいけない、どんな危険が待ってるか判らないのだから……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見、ご感想お待ちしています。


では、次回もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ