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精霊契約

サンドラに連れられ中庭の様な場所へ案内された。

そこは大きな木が1本生えていて、その周りに紫色のボンヤリした光が舞っている。

なんとも幻想的な空間で、現状を忘れて癒されていく……サンドラが入って奥に進んで行くのを見て俺も前に進んだ。


「ここが精霊と契約する為の場所よ。アナタも気付いているでしょうけど、ここで光っているのが精霊の幼体で、この木が今は精霊達の宿主になっているわ。

まずは精霊にアナタと契約してもらえる様に呼びかけるから待っていて」


そう言うとサンドラは目を瞑り手を広げた

。サンドラは今まで見た魔族と肌の色が違っている。真っ白というか透き通る位の綺麗な肌で、この幻想的な空間で見れば女神を思わせる程だ……


「終わったわよ。契約に関しては了承してもらったわ、後はアナタ自身でどの精霊と契約するか選びなさい。」


選ぶ?ボンヤリ光ってる中からどれかをって言われても違いが解らないし、俺主導で良いのかなぁ……


「解りました。では、少し近付いても良いですか?」


「良いわよ。でも、特に慎重になる事はないけどね。精霊達はまだ赤ん坊と同じ状態なの、だから性格云々はアナタと契約した後に染まっていくから」


なるほどね、じゃあ直感で選ぶかな……

そこにいる精霊達の数はおおよそ20を満たない位だ。木の周りから離れない者や、中庭を自由に飛び回ってる者もいる。

これから選ぶか……何が基準もないんだからさっき思った通り直感で


「この精霊にします。」


それは俺が木に近付いた時に、こっちに近付いたやつだった。俺に興味があったのかは判らないが印象付けたあの精霊にする。

サンドラが一言「わかったわ」と言った後、選んだ精霊が近付いて俺の体の魔力を自分にまとわりつかせた。


「これで契約は終了よ。まだ幼体で姿も光るだけだけど、成長に連れて姿がはっきりするし、言葉も話してくれるわ。

概ねアナタに対する処置は終わったから、ギリクに部屋に案内する様伝える。夕食の時間まではゆっくりしておけばいい、それと何かまた聞きたい事があったらギリクに聞くか、夕食後に話し掛ければいいわよ。」


ありがとうございますと一言伝え、サンドラと中庭を後にした。その後呼び出されたギリクと一緒に客間に向かってライラと再開した。


「ギリクさん部屋への案内ありがとうございます」


「ではまた夕食の時に呼びに来るから、それまでゆっくり休むと良い」


ギリクに一礼しギリクも頭を下げて退出して行った


「一時はどうなるかと思ったよ。今思い出してもゾッとするわ……良く躱せたわね」


「あれは手を抜いていてくれたからだよ。じゃなきゃ城ごと崩壊していただろうね」


身体から見えていた魔力には不釣り合いな魔法の威力、自分の城を壊す程冷静さを欠いてはいなかったのだろう、つまり結果として遊ばれていたのだ。

格上過ぎる相手に対して腕輪とチェーンでしっかり対応する術を身に付けないと。俺にはこれだけが頼りなのだから……


「とこまでライラ、サンドラ様の件で1つ聞きたい事があるんだが?こればっかりは直接聞けなくてな」


「私が知ってる事は少ないけど、答えられことならいいわよ」


「彼女の肌は他の魔族とは異なるよな、彼女は本当に魔族なのか?」


肌の色が気になっていた。確かに髪の色は俺と同じで黒なんだが(最近は白髪が混じってきて真っ黒ではなくなったが)肌はまるっきり魔族を想像させない。見た目は日本人に見えるのだ……

だからといって本人に日本人ですか?なんて聞いても何の事やらってなるだろうし、親の事であれだけ悲しい思いをしているのにその事を配慮して聞く、聞き方なんて知らない。


「私が聞いたのは、魔族と精霊の混血と言う話しだったわ」


なっ…さっき契約したような精霊と子を成すことが出来るのか?確かに成長するとか言ってたけど、そんなまでなるのか?


「あっ、勘違いしてる様だから付け加えるね。精霊は精霊でもその中の最も位の高い女王と呼ばれていた方だったらしいわ。

普通の精霊では成体になっても人ほどの大きさにはならないわよ」


「そうなのか……聞いて少し安心した。さっき精霊と契約して来たから、そいつがそんなサイズになるなんて想像すると驚いてな」


「そうよどんな精霊でもそうなったら、精霊との混血がいっぱい……って今精霊と契約して来たって言ったの!?そんなお気軽な感じで契約したって…」


「そんな大変な事なのか?契約自体はサンドラ様がサクッとやってくれたぞ」


「精霊と契約出来るのは、精霊使いの素質がある者か、その精霊の属する魔法に長けた名のある魔道士かよ。ここで契約したとなるとジンは闇の精霊と契約したの?」


「そうなのか……素質なんかはよく解らないが、確かに闇魔法なんてライラが使っているのしか見た事ないな、自分では便利そうで使えたらなぁって思ったぐらいで」


「私だってまだ闇の精霊から認めてもらえてないのに……ズルい、ズル過ぎる!!」


「そんな事言われたってサンドラ様が俺の様子見の為にって言って契約させられたんだぞ」


まだライラはブツブツ何か言ってるけど、そこは無視しておこう……


「とりあえず、サンドラ様の生い立ちは解ったよ。ありがとうな。」


サンドラ様がえらいなもんのハーフだったのは理解出来たが、暫くこのブツブツが続くと思うと億劫になってきた。

契約したと言っても普段から俺に引っ付いてる訳でもない精霊はさっき言ってた召喚魔法で呼び出すんだよな……でもよく考えたら、俺って召喚魔法習ってないぞ。

ライラはあんな調子だし、食事の後にサンドラ様にまた質問攻めをするしかないのか……


食事の呼び出しが来るまでライラの重たい空気の中過ごすハメになってしまった……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見、ご感想お待ちしてます。


次回もよろしくお願い致します。

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