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召喚の実状

この世界で召喚される目的とは?

今回まで歴史編です。

よろしくお願い致します。




「彼の死後、人間達は先導者を亡くし力が衰えていくと思われていたけれど、逆だったのよ。彼は人間族の楔だったみたいね……事を行っていたのは彼の周りの人間達だったみたい」


「彼は利用されていただけだったと言う事ですか?ですが発端は彼なんでしょう?」


「人間族に伝わっているのはそうよ。

でも彼自体は他種族を迫害したりする事はなかったと言われているわ、人間族の危険な思想を持った者の操り人形だったと言う事ね」


崇めた…いや、利用する為に宗教にして裏から操っていた黒幕が居ると……それは今回と無関係ではない気がする。


「だからといって私達は人間族を許す事はしないわ、種族が違えど同じ人として産まれてきた者に上下を付け、それを当然として迫害し続ける。

社会洗脳されてるだけではないの、反抗は出来るはずよ。なのに何もしていない…許せるはずが無い」


「そうですね、私もそれは同感です。

こればかりは黒幕を倒しただけでは常識自体が修正出来るとは思いません。

加担し、それを良しとする者は何かしらの罰が必要と思います」


「すまない、話しに私情を挟んでしまったわね。

続けるわ……元々魔族は人間族よりも強大な魔力を、獣人族は膂力で上回っていたわ。

数で負けているとは言え負けるハズがないのよ。

そこで彼らがとった行動は……」


「異世界から勇者を呼び出す召喚魔法ですね……」


「その通りよ、元々召喚魔法自体はこの世界にあったの、ただし用途は魔獣や精霊を呼び出し戦う為の魔法よ。

魔獣使いや精霊術師の為の魔法だったの……

だけど人間達は実験を重ね、思い描く力を持った者を召喚する事に成功したわ。

召喚魔法の精神力の消費は距離によって違うだけで、強大な魔力と精神力さえあればその分離れた場所からでも召喚出来るわ……それが異世界であったとしても、でもただの魔力だけでは出来なかったみたいでね、私達はそれが解らないままだったの。


そのお陰で私達は召喚された者に大打撃を受けたわ……

その召喚された者に都合の良い嘘を教え込み戦力を削らせ、私達の国土を奪って人間族は領土を増やしたのよ。

そして私達はやられるがまま住む場所を失っていったの…

その戦いで私の住んでいた城や、町は奪われ、父と母は嘘で操られた者から殺された…

私を逃がす為に死んでいったんだ!!」


サンドラの人間を他の者より忌み嫌う理由はこれか……親を殺されれば当たり前だろう、しかも理由が領土を増やす為だと知ればなおの事だ。


「自分にはそんな体験がないのでサンドラ様の心中を完全に察する事など出来ません、が人間達が自分の都合の為に略奪を行い非道を行っている事に憤慨しています。

私はダークエルフや貴女達への協力は惜しみません」


「すまないわね、ずっとこういった事を話す時がなかったからね、私情ばかり挟んでしまうわ……」


悲しい顔だ……表情は笑っているが、胸中は悔しさでいっぱいなのだろう、その思いで努力し復讐する為の力を付けここまで登り詰めたのだろう……


「色々とお話し頂きありがとうございます。

もう一つだけお伺いしたい事がありますが、よろしいですか?」


「何をよ?大方話してしまったわ」


「すいません、人間達に冒険者っていう者がいますよね。あれってギルドとかの組織もあるんですか?」


「そうね、人間達のギルドがあるわ、そこに所属している者の事を冒険者と言うわね」


「お答え頂きありがとうございます。

思うに召喚魔法には欠点がありませんか?1回行えば暫くは行えないとかの」


俺が思ったのはこうだ、召喚魔法は術式さえ解ってしまえば何時でも行えるが冷却期間が必要だと……

じゃなければ召喚魔法で軍隊作ってしまえばいいんだからな、そしたら勇者の集団で他の種族の殲滅は完了してしまう、自衛の為の防衛軍は別に必要だろうけどな……

だけどそうはしていないしギルドを作り冒険者を募っている。

つまりは勇者を1回召喚した後に帰ってしまったら防衛以外の戦闘員がいない……

だったら一般人から集い、集団で勇者が行っている事を代理でやればいいだけだ。

だから勇者は即席だが解決出来ない問題が出た時に頼り、冒険者は普段からの問題解決と言う事で間違いないだろう。


と言う事は冒険者は罪悪感など無く、他の種族を討伐して金を稼ぎ営んでると言う事になる。

まあ魔獣などで本当に困った時の仕事をしている奴もいるだろうけどな……


「察しがいいみたいね、それであっているわ。

1回行えば最低50年は使えないみたいね、実際にその期間で召喚が成功せずに戦争が終結しなかった時があったから」


「なるほどですね、ほぼ内容は理解出来ました。

お答え頂きありがとうございます。

人間に対しどういう方向で仕掛けていけばいいかはこれで練れそうです」


「そう…私の話もこれで終わりだから、これから精霊との契約を行おうと思うのだけど、そのまま良いかしら?」


「構いません。そのままここで行えるのですか?」


「少し場所は変えるわ、私について来なさい」


そう言うとサンドラは立ち上がり、部屋から出る。その後を追うように立ち上がり着いて行った……





お読みいただきありがとうございます。


今回で歴史編は終了です。

次回もよろしくお願い致します。

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