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捜索

「命って……そんなに?」


「ジンを起こすには傷を治す必要があるのは前提だが……」


「状態を維持している状況をなくさなきゃならないッス、つまりは魔力をゼロにする事ッス。

だけど、あの人の魔力は姐さん程ではないッスけど、ゼロにしてもすぐに消費する分の魔力は回復してしまうッス」


「だから、ジンの魔力をゼロにしてしまう」


「それって……」


ゼロのままって言ったら、現状よりも悪化する可能性はないのか……一生目を覚まさない事だって考えられる状況なのに。

それどころか回復する魔力がなければ、言われた通りジンさんの体が上手く機能しなくなって死んでしまうかもしれない。


「危険な事というのは理解出来てる様だな?」


「多分……けど、どうやってそんな事を?」


「魔力を吸収し続ける……そうすれば魔力は枯渇し、力は止まる。

そして、小人達の治療で傷を癒す。

魔力を使った治癒ではなく、ジンの生命力に任せて治す……賭けではあるがの……」


「他に方法は無いんですか?

そうだ!サンドラ様は魔族領に行ってきたんでしたよね。

それの成果は……」


「ないな……別の事での収穫はあったが」


そんな……それじゃあ、賭けに成功する意外は方法がないって事……


「確率的には?」


「半分半分ッス……」


「不安なのは解るが、これしか見い出せんのだ……妾はジンを信じておるぞ、なんと言ってもやつだからの」


「そうですね……ジンさんですもんね。

信じる意外にこれ以上僕が出来る事がないのは悔しいですけど、お願いします!」


「了解ッス!

恩人のお願いだからッスね、全力で治してみせるッス」


「……頼まれんでも妾はジンを助ける。

起きたらこやつにめいいっぱい土下座させてやるからの!」


「僕もジンに絶対謝罪してもらいます!

随分と苦労したんですからね」


タッタとサンドラ様はジンさんの元へと近づき、周囲の人達に部屋から出る様に伝えた。

みんなと一緒に部屋から出て、一旦自室にて待機する事にした。









キャメロは久しぶりの部屋に戻り、自室のベッドへと飛び込んだ。

そこで初めて違和感……


そう言えばライラさん見なかったけど、どこに行ったんだろ?

僕が出て行く前に会った時は、片時もジンさんの側から離れようとしなかったのに、着替えでもしてたのかな?


小さな疑問だったが、独りで居れば小さな疑問がキャメロの頭の中を支配してきた。

ジンの事は人任せでしか何も出来ない不甲斐ない状況だが、ライラさんは探せば自分で見つけて解決出来るかもしれない……


「気になってきたなぁ……」


さっき帰って来たばかりだったが、色んな気持ちが交錯していて落ち着かなかった為、取り敢えず部屋から出て行く。





まずは誰かから情報を貰わないと、探すにも探せない。

ライラさんの事を聞くならライトさんが一番だとは思うけど……2人の居場所を探して聞いて回る。

ライトさんの居場所はすぐに解った……先程訓練所に向かったそうなので、行けばすぐに会えそうだ。







訓練所に着くと、言われた通り中にライトさんを見つける事が出来た。

すぐさまライトさんの所に向かい、話し掛ける。


「ライトさん、ただいまです」


「キャメロ君か……大変だったね。

戻って来て早々、あんなのに出くわすなんて……僕も助けに向かいたかったけど、街の護りを任されてしまって」


「死んだって思いましたよ……象王なんて2度と会いたくないですねぇ……」


「ところで、ジンさんの方はどうなの?」


「タッタ達とサンドラ様が頑張ってくれてます。

僕はこれ以上何も出来ないので、邪魔にならない様に出てきました」


「タッタって言うのが小人族の人かな?」


「そうです。連れてきた3人の小人族の1人です」


「それで、実際どうなの?」


「判るまで時間は掛かるそうですし、タッタが言うには五分五分って事でした……」


「そうか……天に運を任せるって感じなんだね」


「サンドラ様は言ってましたよ……ジンさんだからって」


「……そうだね、僕もそう思うよ」


久しぶりにライトさんと会って、初めての笑顔……出来ない事に色々と悩んでた事を思い出した。

それでも、今は希望が見い出せた分、気持ちが楽になってくれたんだろうか……


「あっ…ところでライラさんはどこに行ったんですか?

ずっとジンさんの側に居たんじゃないんですか?」


「姉さんが居ないの?」


「はい、戻ってからも見かけてなくて」


「うん……僕もジンさんの側にずっと居るって思ってたから、どこかに行ったって事は知らないよ」


「そうですか……ちょっと気になってしまって」


ライトさんは人差し指を顎に当て考え込んでいる。

でも、ライトさんが知らないってなると、色んな人に聞いて回るしかないかなぁ……


「もしかしてどこかで倒れてたりしないだろうか……昨日会った時はフラフラで、今にも倒れそうだったから。

部屋まで肩を貸して戻ったんだよね」


「だったら急いで探しましょう!

ジンさんが助かるかもしれない時に、今度はライラさんが意識不明とかシャレになりませんから」


「だね、探そう。

僕は城内の上から探すから、キャメロは下から探してきてくれ」


「解りました!」


ライラ捜索の為に2人で訓練所を駆け出した。







今回もお読み頂きありがとうございます。


ご意見ご感想お待ちしております。


次回のよろしくお願い致します。

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