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禁じ手

更新までに時間が掛かり過ぎてしまいました。

色々あり過ぎてしまって……


今回もよろしくお願い致します。





「来るよ!みんな出来るだけ魔法を使って凌ぐんだ」


威力は未知数……だけど、吸い込まれた空気と魔力の量から考えると、僕らを殺すには十分だろう。

全力で抵抗すればなんとか全滅はしない筈だ……と思う。


メロ君が巨大な水の塊を創り出すと、後方にいたアガートさんが僕の前に立つ。

愛用の身丈ほどある盾を構えている。


「アガートさん、盾で防げる様な攻撃じゃないです!」


「バカ言うな、これが俺の役割ってやつだ。

魔法が貫通したら俺が守るのが当たり前だろ」


「ですけど……」


「お前らを信じてるぞ……俺が必要なかったって事になるのを祈ってる。頼むぞ」


「……解りました」


アガートさんは退いてくれないだろう……それなら、言われた通りに衝突までに相殺しなくちゃならない。


雷魔法を片手に、もう片手に風魔法を発動、メロ君の水を貫通してしまったらすぐに放つんだ。


シュートも再び身体に炎を滾らせ、対抗の準備が整う。


その直後、遂に象王の鼻から圧縮された空気弾が放たれた……吸引された空気を一気に鼻から放出してきた。

空気弾であるそれは、通常の視覚では見えないが、魔力量を感じると、皆の魔力の全てを出し切ればなんとかといった量だろう。


最初にある防壁に衝突するのは一瞬だった。

メロ君の魔法である水に当たると、水のど真ん中をへこませる。

メロ君は押し戻す為に、更に水に魔力を込めて押し出そうとするが、速度と大きさに耐えきれずに散開……移動速度を落とす事なく僕らに向かってきている。


シュートは水の散開と同時に、全身に纏った魔力を振り下ろす剣に全てを込めた。


「魔炎撃ぃーーー!!」


シュートの斬撃の圧と熱が周囲の空気を焼きながら放たれた。

緊張の所為なのかと思っていたが、喉が乾いていたのはシュートの熱の所為だというのを放たれた後に実感した。

放たれた斬撃と衝突までに時間はそう掛からなかった……鼓膜が破れるかと思う程の音を出し、衝撃がこちらに伝わる。


シュートの魔炎撃が消えてしまった後に、相当な量を減らした空気弾が残り、速度を大幅に落としたが、未だ直進を続けていた。


サンドラ様すいません……この前言われたばっかりなんですけど、言いつけをまた破ってしまいます。

上手く制御出来ないけど、これが今の僕の最大の魔法なんです。


少しでも時間を稼ぐ為に、片手に発動している風を使い衝撃波を放つ。

そして、本命の雷魔法に魔力を集中する。


もっと集中するんだ……もっと…もっとだ……


キャメロの手の上にある球体の中に、今にも弾けそうな程暴れる複数の雷が動き回る。

時間が経つにつれ、複数あった雷は次第に一本の雷へと吸収され、球体の中で濃密な魔力を持つものになった。


「……出来た」


キャメロが言葉を発した時に、放った衝撃波が空気弾に衝突。

空気弾は少しの間、動きを止められたが、何事もなかったかのように直進を続ける。

しかし、十分な時間は確保出来た……キャメロは球体ごと腕を突き出し、球体の中で雷を更に増幅させて狙いを定めた。


「メロ君、シュート……ありがとう。

絶対打ち消してみせるから」


2人はキャメロを見て静かに頷き、他の者もキャメロに視線を向けた。

そして、球体から雷を解き放つ……周囲に視界を奪う程の閃光と、轟音で他の音を一切遮断してしまう程の音を鳴り響かせ空気弾へと突き進む。

空気弾に当たり、一瞬で突き破ってしまった……そして、その先にいる象王に向かって伸びていく。


今までどんな攻撃であっても、巨体故にどんな攻撃でも自身の身体を揺さぶる攻撃などはなかった。

今回もそうだと油断していたのか……象王は味わった事の無い衝撃を受ける事になり、大きく身体を浮かせられる事になった。


象王に当たった雷は象王の前足を浮かせる程の威力であり、前進を止めるどころか、片足の膝を付かせるまでに至った。


ところが、キャメロ一行は……


「ヤバいって!前が見えないぞ!」


焦るシュート……


「どうなったんです!?」


確認を急ぐメロ……


「くるのか?もうすぐ攻撃がくるのか?」


攻撃にビビるアガート……


「初めて成功したから、こんなになるなんて知らなくて!ゴメンなさい!」


謝るキャメロ……


雷の光を直視した4人が、眩さのあまり視界を奪われていたのだ。

しかも、全員が轟音で耳もやられており、会話も成立しなくなっていた。


「大丈夫よ。空気弾は消えたわ……しかも、象王に直撃したみたいよ!」


リターナが4人に教えようとするが、聴こえていない。

トールと2人だけが眩さに目をつぶり、視界を奪われるまでには至らずに済んでいたが、伝える事は叶わなかった。


そんな中、象王に再び大きな衝撃が……後ろ足に巨大な氷塊が激突してきたのだ。


「バカ弟子が……使うなと先日言うたばかりなのにの。

相手がこれなら仕方あるまいか」


声のする方に、象王の視界が向く。

そこには少女が2人浮いているだけだった……


「しかし、象王なんぞどうしてここにおるのか……ふむ、皆でやれば時間は掛かるが勝てるかもしれんな。

まずは、タニアがヤツらを助けるまで時間を稼ぐかの、良いかリレイ」


「ぜ…善処します」


「妾がおるから心配はいらぬよ。

指示に従ってくれればよいぞ」


「はい!サンドラ様の邪魔にならない様に努力します」










今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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