山
色々と忙しくなってしまい、更新に時間が掛かってしまいました。
出来るだけ更新をしていきますので、皆様よろしくお願い致します。
朝食も食べ終え出発の準備を整える。
準備と言っても、置いておいた回復薬等を違う入れ物に入れ直すぐらいだ。
移動の際に見つからないようにと小人達をバッグに入れなきゃいけない。
そうして用意がほぼほぼ終わる頃にみんなが入って来た。
「キャメロ君、準備は大丈夫かい?」
「終わったかな……後は小人君達をバッグに入ってもらえば完璧」
「小人君か……僕もそうだけど、名前くらい聞いておきたいんだけどなぁ」
確かに……名前すら聞いてなかった。
いつも話してる元気がいい男の子がタッタって言うのは知ってるけど、ちょっと小太りの大人しい男の子と、長い髪の可愛らしい女の子の名前は僕も知らない。
「タッタ君、みんなの名前教えてくれないかな?」
「いいッスよ……って、どうして僕の名前知ってるんッスか?」
「昨日、あの木のところで彼女が名前を言ったのを覚えてたんだ」
「そうだったッスか……頭の中を読めるのかと思ったッス。
じゃあ、2人とも自己紹介するッス」
「じゃあ私からッス、私はミッチって言います。
2人とは小さい頃からの幼馴染で、昔から大体一緒に行動してるッスよ。
そのお陰で今回は不幸に巻き込まれちゃったっスけど」
「お…オイラはワットって言うッス。
た…タッタとは同い歳で親友ッス」
3人の紹介を先にしてもらい、こちらの紹介をまとめて僕が話す。
「知ってると思うけど、僕はキャメロって言います。
黒髪の魔族の彼がメロ君、白髪の魔族の彼はトール。
人間族の3人で、赤い髪の彼はシュート、ガタイのいい人がアガート、唯一の女性である彼女がリターナさんだよ」
「い…一気には覚えれないッスね……」
ワットは復唱する様にみんなの顔を見ながら名前を言っている。
「大丈夫だよ。
着くまでは僕が近くにいるから、話したい人がいれば読んであげるからさ」
「キャメロさんありがとうございますッス」
ミッチが深々とお辞儀している。
なんだかんだ一番礼儀正しそうだ……森の中でも色々と説明してくれたのも彼女だったし。
「さぁ、急いで城に向けて出発しよう。
あまり遅くなると、着く頃は真っ暗になってしまうからね」
小人達を含め、みんなは頷いてくれた……僕も荷物を持ち、小人達はバッグに入ってもらった。
全員で部屋から出て、執事さんにお礼とお別れを言って馬車に荷物を載せる。
出発しようとしている中で、少しだけ時間を貰って僕はガドさんに会いに行った。
探していると、先日座っていた場所にガドさんは同じ様に座っていた……
「ガドさんありがとうございました」
「久しぶりに楽しかったぞい、死ぬかとも思ったんじゃがな」
豪快に笑いながら話してくれた。
ガドさんに近づきバッグをそっと開くと、3人を忍ばせながら顔を出す。
「またの……虫が去って皆に会えるとよいな」
「ありがとうッス。
ガドさん元気でッスね」
「じゃあ行きます……お元気で」
「おヌシもな、助かるよいな」
「はい!
それでは失礼します!」
バッグをそっと閉めてガドさんに手を振り馬車に乗り込む、出発の準備も整い城へと馬車を進めた……
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馬車は難なく進み、順調に城に向かっていた……ハズだった。
最初に異変に気付いたのはシュート、そしてメロだ。
「キャメロ君……少し様子がおかしいよね?」
「やっぱりそうだよな……何かの視線をずっと感じているんだよ」
「?……いや、僕は何も感じないけど……どうかしたの?」
キャメロを含めた馬車の中の3人は理解出来ていない。
アガートも何も勘づいていない様で、当たり前に馬車を走らせている。
「……もしかするとだけど危険かもしれないね」
「解る様に教えてくれない?」
「少し前からなんだけど、シュートが言った通り視線を感じるんだ……しかも、全方向からね」
キャメロはメロの言葉の後すぐに魔力探知を発動し索敵にかかる……が、何の存在も探知出来ない。
「敵は感じないけど……魔力の反応も無いし」
「でも、これは気のせいじゃないと思うぞ。
これだけの殺意のある視線を感じるんだからさ」
シュートもメロと同じ見解だ。
キャメロは何度も何度も索敵を繰り返すが、結果は同じ……反応がない。
2人の勘違いであって欲しい……ここまで来て、訳の解らない戦いに巻き込まれるのは勘弁して欲しい。
昨日もあれだけ戦わされたんだから……
その時だった……僕達に鼓膜を割る程のけたたましい咆哮が聴こえる。
聴こえてきた場所は木々を遥かに超える巨大な山だ。
「あんな所に山なんてあったっけ?」
「違うよ。あれは……」
メロ君が驚愕しながらも口を開く……
「あれ何?
メロ君知ってるの?」
「知ってる……けど、どうしてこんな所に居るんだ……
キャメロ君も聞いた事はあると思うんだけど、あれは多分四大魔獣の1体で……」
再び咆哮が響き渡った……
そして、それは周囲の木々をなぎ倒し動き始める。
「象王……」
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