チェーンの力
今まで使っていなかったチェーンの出番です。
今回もよろしくお願い致します。
ドラゴンを倒し、ライラの倒れていた場所に急ぐ。
ちくしょう遠いな……
ドラゴンの攻撃をバックステップで躱していた為、後方にだいぶ下がってしまっていた。
やっとライラさんのいた場所まで戻って来れた。
息はあるのか?脈を確認する為、首に手を当てて確認する。
良かった…まだ生きている。
使うのは2回目になるが、チェーンの効力を使う。
実は今日馬で移動中に気が付いた筋肉痛を消す為に使ってみたのだ。
何かあった時にぶっつけ本番は恐かったし、修練で筋肉痛に悩まされる事になるのは解っていたから。
使ってみるとチェーンが少し光り、身体の痛みが引いていく。
ただ、少し疲れを覚える…これは体力を消費するのか?体力を消費して怪我を回復するのは勿体ないから完治出来ないような怪我を負った時に使うのが良いだろう。
それが当日使う事になるとは…
ライラさんの怪我を確認し、元の状態をイメージし、チェーンの力を使う
チェーンが激しく光りライラの身体を戻していく…
身体がどんどん痛くなる。
これは辛いが元に戻るまでは我慢するしかない、気が遠くなりそうだ…
脚が元通りに戻っていく、後少しだ。
もう少しの我慢だ。
良し、これで大丈夫だ。
力の発動を止める…身体中が痛い
気を失いそうだ。
袋に入っている回復薬を取り出し、急いで口にする。
少しづつ身体の痛みが引いていく。
これだけの怪我を回復させるのに、これほどまでの代償が必要だとは思わなかった…危うく意識を失いそうだったし、多用出来る力じゃないな
とりあえずライラさんを起こして小屋まで移動しよう、これ以上は身体がもたない
「ライラさん起きて下さい。
急いで小屋まで行きますよ」
ライラさんを揺さぶりながら声を掛ける。
「あぁ、ジン殿か……
私は!?さっきのドラゴンはどうなったんですか?
ドラゴンは脚を噛み付かれてそれから……」
「ドラゴンなら一応倒しましたよ。
なんとか勝つ事が出来ました。
それと、脚の怪我は治しておきましたので歩くのは問題ないでしょう。
それよりも此処から急いで移動しましょう、また何に襲われるか解りませんので」
「脚が…確かに治っている。
ジン殿ありがとうございます。回復魔法も使えたのですね。
現状襲われる心配はないでしょう、あれだけの強さの魔獣が居たのであればそうそう他の魔獣が近寄っては来ないでしょう」
なるほど、確かに魔獣達にも序列があって上位の魔獣の近くに居れば殺されたりがあるのだろう…
「しかしアレを倒したんですね…
アレはアースドラゴンと言って、この山では最高レベルの魔獣ですよ。
我々が大隊を組んで戦闘を行う様な相手です」
効力がなければ間違いなく死んでたろうな…
確かに相当な力で斬りかかってもかすり傷だったからなぁ、それにこのショーテルの性能にも助けられたとこもあったしな、作った人とライトに感謝だよ。
「とりあえず闇魔法で回収して行きましょうか、素材も良い物だらけですからね」
そうだな、鱗なんて簡単な斬撃なんて簡単に弾いてしまうだろうし、牙も相当な物だろう…なんてったって鎧ごと脚を咀嚼して……いやいや、思い出したら気分悪くなってきた。
ライラは闇魔法を使いアースドラゴンをその中に取り込む
魔法でそんな四次元ポケットみたいな事が出来るんだな、持ち運ぶ必要もないないんて随分便利な魔法があったもんだ。
「これで回収は完了です。
では小屋に向かいましょう、小屋までは少し距離はありますが、馬での移動であればすぐに着くでしょう」
やっと休めるか…2度ほど死にかけたし、出発初日にえらい目にあったぞ
余裕が無くて魔法や魔法剣使う事も出来なかったし、反省すべき点はいくつもある。
いざっていう時に使えなきゃ役に立たないもんな、今日は寝る前に練習しておこう。
2人共馬に乗り小屋を目指す。
今日の戦いで考えさせられる事が多かった。
腕輪の効力での戦闘の優位さ、チェーンの危険度合いも把握出来た。
なるだけチェーンは使わない方向で
今回もお読み頂きありがとうございます。
誤字等で読みにくいところがあればご連絡下さい。
次回もよろしくお願い致します。