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考案

「それで、行くのは他に誰かいるの?」


「それがまだ決まってないんだ……条件を達成しないと許可が出なくて……」


ウィリアム様から言われた話しに、タニアさんに推薦された事も話した。


「そうかタニアさんがね……僕の性格をしっかりと解ってらっしゃるみたいで……

それじゃあ今からもっと仲間集めを行うって事だね」


「そうなんだ……早く集めないといつまで経っても出発出来ないから」


「じゃあ僕も魔族で行ける人を探してみるよ。

僕達以外で戦力が高くて部隊に入っていない人もいるかもしれないからね」


「ありがとう、助かるよ。

じゃあ、夜にでももう一度尋ねるよ」


「そうだね、じゃあまた夜にね」


ようやく1人目の同行者が見つかったけど他にかぁ……全く思いつかないし、今回上手くいったから人に尋ねてみようかな。


一旦城へと戻り、色々な人に聞いて回ったけど簡単にはいかない……

運が良かっただけなのかもしれないなんて思いながらも尋ね続けた。


城の方では収穫もなく、次に宿舎の方にも回ってみた。

今の時間帯はほとんどの人が訓練に入っていて不在だった……


来る時間を間違ったかなぁ……そう思いながらも歩いているとバズさん達にバッタリ出会った。


「バズさん、こんな所でどうしたんですか?」


「おぅ!キャメロじゃねぇか、どうしたも何もお前さんが許可をとってくれた大砲を見せてもらってからだなぁ、新しい武器を考案中なんでぇ」


僕に直接案内はなかったけど、許可がおりたんだ……


「新しい武器ですか?」


「そうなんだがなぁ、なかなか上手い事出来上がらなくてよ。

もう少しなんだけど……」


「どんなの造ってるんです?」


「小型で携帯出来るような大砲って感じで……まだまだ威力が実戦には程遠いんだぁな」


「小型の大砲ですか……僕も見ても良いですか?」


「良いぞ、じゃあ今から見に行くか!」


何やら楽しそうだと開発中の武器を見せてもらえる事になった。

全く知らなかったが、宿舎の一角に工房が建てられていて、その中でダグさんが武器を前に考え込んでいた。


「こんな場所があったんですね……」


「こりゃあな、町の鍛冶屋が引退して使ってねぇってんで運んで来てもらったんだ。

前の持ち主が大事に使ってたんで、窯なんかは綺麗なもんだぞ」


「これ丸ごと持って来たんですか?」


「数人の魔法使いで運んで来たぞ、こんな重いもんを魔法で浮かせて持って来れるなんてすげぇもんだ」


確かに……でも、それだけの魔法を使える人がうちの部隊に居たっけな?

1人じゃないから数人でやれば出来るのかなぁ……


「それで、考案中の武器がこれなんですか?」


「そうそう……まぁ実際に使ってみるから見てな」


そう言って武器を持つと準備をしてくれた。

見た目は確かに大砲の縮小版って感じだけど筒の大きさが小さいし、持ち手がついている。

前から丸い玉を入れ、後ろから黒い粉を入れる……そして火の点いた木を持って黒い粉を入れた場所に近づける。


「音だけはでっけぇから気をつけなよ」


それを聞いた後に、すぐに耳を塞ぐ……そうした僕を確認した後に黒い粉にバズさんが火を点ける……

すると、耳を塞いでいたにも関わらずビックリする程の大きな音が鳴る。

そして狙っていた場所には小さな穴が開いていた……


「すっごい音ですね……」


「音だけはなぁ……だけど、威力がまだまだでなぁ」


「壁に穴が開く程の威力があれば十分じゃないんですか?」


「いやいや、準備の手間を考えりゃあ実戦で使える代物じゃねぇよ」


「そうですね……確かに準備に時間がかかりましたね」


「そうだろ……この手順を省けねぇんだよ。

お陰で1発撃つ度に長い手順を踏まなきゃなんねぇ……大砲の大きさがあって使える代物って事だな」


「手順ですか……粉を入れずに、ジンさんみたいに爆破魔法を使えれば簡単なのに」


「爆破魔法は考えたんだ……けどよぉ、そもそも爆破魔法を使えるやつがどんだけ居るのかって話だよな。

それに爆破魔法は複合魔法で、魔力消費も激しいんだろ?

それだったら直接当てた方がマシって思わねぇか?」


「確かにそうですね……僕も爆破魔法なんか使った事ないですし」


「結局、この手順が必要って事になんだよ……」


「……最初から爆破魔法を込めていれれば楽なんでしょうけどね」


「最初から込めるって言ってもなぁ……」


「バズ!それだそれ!」


急に考え込んだままだったダグさんが喋り出した。

何かを思い付いたようで興奮している。


「何を言ってんだ?

そんな事出来る訳ねぇだろ」


「俺達はな、でもあの娘ならどぉだ?」


「あの娘って……あん時の娘か!

確かに出来るかもしんねぇな、ちょっと聞きに行くぞ!」


「どうしたんです?

それにあの娘って?」


「ちょっと前に見た娘が近い事をやってたんだ。

まだ多分ここに滞在してるかもしんねぇから探しに行ってくらぁ、キャメロが言ってくれたお陰だぁ……もし出来たら一番に教えてやるよ。

じゃあ、ちょっくら失礼するぜ」


2人はそう言って、僕を置き去りにして出て行ってしまった。


何がなんだか……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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