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支度

戦力になって、部隊にも属していない人ねぇ……

フューリーさんなら部隊に属してないけど、僕の代わりをやってもらわなきゃいけないし……

思い当たる人はみんな部隊に入ってるしなぁ……


戦力が十分として認められないと出発すら出来ない。

ウィリアム様から突き付けられた条件は結構厳しいものだった。

けど、それを乗り越えられないと出発すらままならない。


誰かに相談した方が良いのかも……

かと言って誰に相談したら良いのかすら判らないよぉ……調子に乗って条件を飲むなんて言うんじゃなかった。


歩きながら考えているとタニアさんを見かけた。

緊張した面持ちで城に向かって歩いて来ている……


「タニアさんどうしたんですか?」


「キャメロさん!」


「ひどく緊張してませんか?」


「そうなんです……今朝の1件で直接ウィリアム様に報告した方が良いんじゃないかってライトさんが言ってこられて、今から報告に行くんですが私なんかが行っても良いものかと……」


随分と訓練の時と様子が違う……戦闘を行っている時はそれはもう相手を射殺さんばかりの眼光で迫ってくるのに……

今はオロオロとした様子だった。


「そうですか、ウィリアム様はお優しい方ですからそんなに緊張しなくても……」


「そうかもしれませんが、サンドラ様が不在の時に事件が起こったと言うのが問題なのです。

私が管理を任されていたのに、すぐに問題が起こるなんて……サンドラ様にどう言い訳していいものか」


余計にこの人が緊張している意味が解らなくなった。

とりあえず報告するのはサンドラ様じゃないのに、なんだろうな……


「しかも報告するのがウィリアム様だなんて……」


「ウィリアム様を前から知っているんです?」


「知ってるも何も、サンドラ様と旧知の仲ですよ!

ドワーフ領土に一緒に行く時も失礼の無いようにと緊張していたのに、今度は失態の報告をしなくちゃいけないなんて」


結局はその後が恐いと言う事ですね……


「まぁ、悪い様にはされませんよ。

サンドラ様がいらっしゃっても起きたかもしれない事件です。

結局は抜け道を調べる為の良いきっかけになったと思えば」


「良い方向で考えればですね……

でも、起きてしまった事です……きちんと報告してきます。

後で叱られるのは仕方がありませんし、今後はもっと厳重に宿舎の見張りを立てて警戒します。

キャメロさんと話して少しは楽になれました……ありがとうございます」


「お礼を言われる事なんて全然……でも、お役に立てたのなら良かったです」


「では、ウィリアム様のところに報告に行ってきます」


「あっ……その前にタニアさんに聞きたい事が」


「なんですか?」


「魔族の方で、軍に所属してなくて強い方って誰かいませんか?」


「強い……ですね。

今朝会ったメロならばどこにも所属してませんよ。

彼なら回復から戦闘における能力は高いのでどうですか?」


朝に会った……あの第一発見者の彼かな?

タニアさんが勧めてくれるなら間違いないかな。


「ありがとうございます。

ちょっと数日間旅に出る予定がありまして、同行してもらえる人を探してたんです。

早速聞いてみますね、ありがとうございました」


「旅なら喜んで行くと思いますよ。

出掛けるのが大好きですからね、誘ってあげて下さい」


「はい!

それでは失礼しますね」


タニアさんに会えて良かった。

旅の候補者が1人出来た……まずは交渉しに行ってこよう。





魔族の宿舎にたどり着き、メロ君を探す……どうやら事件の事があったので、今日は宿舎の自分の部屋に居るそうだ。

案内を受けてメロ君の部屋に着く、部屋をノックして入室の確認をするとすぐに返事をくれてドアを開けた。


「忙しい時にすいません、ちょっとお願い事があって来ました」


「事件の事ならもう何もないよ!

朝から何度も聞きに来られて、ゆっくりする間もないじゃないか」


第一発見者だけあってずっと話しをさせられてたのかな……少しイラついている様だった。


「いや、今度は違うよ。

ちょっとお誘いしたくて」


「お誘い?」


「そう……ジンさんを助ける為に一緒に来て欲しいんだ」


「そんな話しなら大歓迎だよ!

この前出掛けてからずっと城でお留守番だったから面白くなくてね」


「メロ君はあの戦争の時にも城に居たの?」


「そう……城で守りを言いつけられてね、ここまでくる人も居なかったから何もなくて……まぁ、城まで戦火が広がらなかったのはいい事なんだけどね」


「そうだね、城に危険が及ばなくて良かったよ。

みんなが前線で頑張ってたから……」


「あなただって相当な活躍だったって聞いたよ」


「僕のは自分勝手に動いたのがいい方向にたまたまなっただけだよ……本当だったら生きていないかもしれなかったんだ」


「そうなんだ……でも生きてて良かったじゃない」


「サンドラ様にも迷惑掛けたけどね、結局怒られてしまったし」


「それだけ心配されてたんだって、気にかけるに値しないって思ったらサンドラ様は何にもしてくれないから」


「ありがとう……でも、今後はそんな事が無いように気を付ける。

それで、話しは戻るけど一緒に来てもらえるって事で良いかな?」


「もちろん!

これからよろしくね」





今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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