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実施

夕食を済ませた後、再び訓練所に戻り説明された内容を確認し、実戦へと移る……


「まずは2人とも目を閉じて……」


ライトさんの言った通り目を閉じる。


「目は閉じたね、じゃあ今度は僕の腕に魔力を溜めるからさっき言った通りに魔力を感じてみるんだ。

少ししたら僕は動くから、追える様になったら教えてね。

次の段階へ訓練を進めるから」


目を閉じたまま話しを聞いているけど、全く魔力を感じるどころか声をたどってライトさんの居場所を感じている。


すんなりと探知を覚えるのは無理なのかもしれないなぁ……


魔力を感じるんだ……魔力を…感じ…………って全く解らないよ!

何も見えていないのに判る訳ないじゃない……

でも、ライトさん達はそれが出来てるんだよねぇ、何を感じてるって言うんだろ?


サンドラ様との特訓を思い出す……確かに目を開けば魔力の流れを見る事が出来る様になった。

でも、それの最初は多分そうだろうという感覚が始まりで、ようやく見える様になったけど今も変わらずぼんやりとしか見えていない……

それなら同じ様に多分で感じてみようかな、もしかしたら解るかもしれないし……



そうしてしばらく頑張って見たけれど、成果は上がらない。


「ライトさん、全く感じられません。

何か助言をお願いします」


「……そうか、じゃあ2人とも目を開けて」


瞼を開き、視界を取り戻す。


「キャメロ君は感じられないか……」


「僕は?」


「フューリーさんはだいぶ追えるようになってきていたよ」


既に差が開いている!

何が違うって言うんだ?


「君の場合は頭で考え過ぎてる様だね……感じるのは頭じゃなくて体中でだよ」


「着衣してるから駄目なんですか?

フューリーさんみたいに少し露出を……」


「露出が何かしら?」


駄目な発言!?

フューリーさんの顔が怖い……


「すいません、ふざけ過ぎました」


「真面目になさい、あなたの目的の為でしょう」


「本当に申し訳ありませんでした……」


「でも、あながち間違いでもないかな」


「ライトさん……あなたまでですか?」


「いやいや、そういうつもりは全くないよ!

真面目な話しで、魔力を感じる為の方法としてフューリーさんは周囲にある危険なものとして肌で感じてるんじゃないかな?」


「……言われてみるとそうかもしれないわ」


「そういう風に危機感知として魔力を感じるのもひとつの手かもしれないって事だよ。

キャメロ君は魔力を何と思って感じるのかって事だね」


「魔力を何と思ってですか……」


そう言われても魔力は魔力な訳で、それ以外に何かと言われてもなぁ……


「僕は魔力を感じた方法は周囲にある違和感と思う事だったかな……

普段生活している中で、戦闘以外で魔法を発動させて魔力を使うなんて事はないよね。

だからその空間に存在する違和感を感じる様にしたんだ。

僕の経験談だから助言になったかどうか判らないけど、自分にとっての魔力とは何かを考えてみてよ」


そう言われるとなんかしっくりきたかも……ずっと外で暮らしていたフューリーさんは魔力とは自分を危険に晒すものって事も納得出来る。

じゃあ僕にとっての魔力とは……


「ライトさんもう一回良いですか?」


「良いよ……じゃあ始めるよ」


再び瞼を閉じる……

魔力を感じる為の自分なりの方法で、もう一度感じていく……



しばらく経った時にようやくうっすらと魔力を感じとる事が出来た。

右に左に魔力の塊が動いているのが解る。


「どうやら成功したみたいだね」


ゆっくりと瞼を開き、追いかけていた魔力の場所にライトさんが居た。


「すっごく疲れましたぁ……」


「でも、最初の段階は成功だね。

どうやって魔力を感じたんだい?」


「僕にとっての魔力って事を言われた通り考えてみたんです。

僕の得意な魔法は植物操作系の魔法で、それは対象に自分の魔力を流し込んで行う事でした。

だから、足元から自分の魔力を流し込んで色んな所を探しました。

すると、ライトさんの居場所が判り、ライトさんから流れている魔力を感じました。

それでようやく魔力の感じる事が出来たんです」


「やっぱり感じ方は人それぞれだね。

でも、達成する事が出来て良かったよ……じゃあもう一度復習する為に目を閉じて感じてみようか」


何度か魔力感じを覚える様になるまで練習を続けた。

やっぱりフューリーさんは得意らしく、僕より断然正確に探知出来ている様だった。



「これで目を閉じた状態での感知訓練は終わりだよ。

次の段階を始めるともう少し長くなるけどどうするかな?」


「僕はそのまま続けてもらって大丈夫です」


「キャメロ君は大丈夫と……フューリーさんはどうします?」


「キャメロ君がやるならもう少し付き合おうかしら」


「じゃあ継続して行うという事で……

次は今まで以上に少ない魔力を感じてもらうよ。

君達の後ろから僕が小石を魔力で飛ばすから避けてもらう。

ちなみに目を開けた状態でお願いね」


「どうして目を開けたままなんですか?」


「今までは視覚からの情報を遮断したままで行っていたから、少しだけやりやすかったと思うんだ。

でも、目を開けたいれば視覚から入る余計な情報を得る中で、細かい魔力を感じてもらう事で精度を上げるんだ」


確かに目を開けたいれば、集中力を欠く様なものまで目に入ってしまうかもしれない……

情報の多い中、魔力を感じている感覚を研ぎ澄ますって感じになるのかもしれないよね。


「じゃあ2人とも反対向いて……どっちとかどこをなんて言わないからしっかり避けてね。

当たれば多少なりとも痛いかもしれないね……じゃあ始めます」





今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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