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その後

翌朝、いつもより早く目を覚ました。

早くジンさんの事を聞きたい一心の所為か、日が昇るり窓から光が差し込むと同時に目を覚ましてしまった。


まだサンドラ様は休んでるよなぁ……どうしよう、落ち着かないしちょっと散歩してこようかな。


気怠い体を起こし、着替えて部屋から出る……すると、椅子に座ったままで休んでいるガルフさんがすぐに目に入った。


ずっと居てくれたんだ……ガルフさん心配掛けてすいませんでした。


部屋に一度戻り、眠っているガルフさんに毛布を掛けて外へと出た。





暫く外を歩いて回った……いつもと変わらない朝、変わらない城下……だけど、これはみんなで勝ち取った生活。

理不尽な戦いに勝ったんだけど、その戦いでジンさんは……


考えるだけで気が滅入ってしまう。

この事はサンドラ様にしっかり聞かなきゃ解らないんだ……今考えてもどうもならないんだと思うけど……


下を向いて立ち止まっていると近くから声が聞こえる。

気になって声のする方に歩いて行く……


「リレイ様、目で追って攻撃するとひと動作遅れてしまいます。

魔力の動く方向を感じるんです」


「ライトだって魔法剣を使う際に属性を感じるのにひと呼吸遅れてるわよ。

ある物全てを感じながら動いておくのです」


修練場でライトさんとリレイさんが戦っている……と言うか訓練してるのかな?


そう思った瞬間、こっちに向かってリレイさんの水弾とライトさんの魔法剣で創られた尖った岩石が顔の横を凄い勢いで通り過ぎていく……


「誰!?」


「……す…すいません……通りかかったら、声が聞こえて……それで」


「キャメロ君か、急に魔力を感じたから咄嗟に攻撃してしまったよ。

申し訳ないね、大丈夫かい?」


体には傷を負わなかったけど、恐怖に苛まれてます……


「と…とりあえず大丈夫です」


「ごめんね、2人で訓練をしてたから神経が過敏になっててね……ってキャメロ君起きて大丈夫なの?

あれからずっと目を覚まさないって聞いたよ」


「昨日の夜に目を覚ましたんです。

心配掛けてしまってすいませんでした」


「無事でなによりかな……みんな凄い心配してたんだから。

あのキャメロ君があんなになるまで戦って倒れるなんてってね」


「あの時は…体が勝手に動いてしまったんです。

助けなきゃいけないって一心で」


「でも、キャメロ君のお陰で敵の大きな戦力を追い払う事が出来たんだから大金星だよねライト」


「そうですね……あの時私はすぐに動けませんでした。

少女を相手していたとか言い訳ではなくて、ジンさんを見て信じられなかったんです……」


「僕だって同じですよ。

ただ、1番近い場所に居たから……僕が助けなきゃって……」


「誰もジンを助けられなかったね……私達の為に1番頑張っていてくれたのに……」


重い空気が3人の間に流れる……それだけみんな後悔していたんだ。


「そう言えばキャメロ君はジンさんの状態を知らないんじゃないかな?」


「はい……ですが後でサンドラ様に伺う予定です。

言いつけも守らずに迷惑も掛けてしまったし、謝ってから聞こうと思ってます」


「そうか…それならサンドラ様に直接聞くと良い。

それに、キャメロ君を1番心配していたのがサンドラ様だからね」


「そう…ですか、お礼の言わなきゃいけませんね」


「そうだね!

ところで、キャメロ君は敵の魔力を跳ね除けてなかった?

私とライトは、訓練のお陰で魔力を探知する事は出来るけど、あんな芸当は初めて見たよ」


「サンドラ様に言われて、魔力の流れを感じる様な試練を受けてましたからね。

相手の魔力を利用したりする術はなんとか覚えてます。

サンドラ様もそこまでは出来ないって誉めてくれましたね」


「そうなんだね……キャメロ君、良かったら私達と一緒に毎朝訓練しない?」


「訓練ですか?」


「そう…ジンさんが教えてくれた魔力探知を使える様に訓練してるのよ。

君がやってる訓練と似てるかもしれないけど、戦闘に役立つと思うの」


ジンさんが教えてくれた戦い方か……


「ありがとうございます。

じゃあ明日からでも参加させてもらいます」


「了解、じゃあ今日は見て行くと良いよ。

まだ朝食までは時間があるからね」


それから暫くはリレイさんとライトの模擬戦闘を見ていた。

言われていた通り、魔力を感じながら戦っている様だった……途中に説明をはさみながら訓練は続いていった。




2人の動きが止まり、ようやく訓練が終了した。

すっかり朝食の時間になっていたようで、2人に一緒にどうかと誘われたけど、朝食前にする事があると言い部屋に戻った。


部屋の中に入ると、ガルフさんが立っていた。

オロオロとした様子で落ち着かない感じだった。


「どうしたんです?」


「俺が眠りこけてしまった間にキャメロが消えたんだ!

目が覚めて安心したのが悪かった……あいつが暴走しない様に俺が見張るって言い出したのに、なんて事だ……」


「ありがとうガルフさん……」


「礼を言われるのはキャメロを見つけてから……ってキャメロじゃないか!

どこに行ってたんだ?心配したんだぞ」


「ごめんなさい……落ち着かなくて散歩してたんだ。

何度も心配掛けてしまってすいませんでした」


「いや、お前が居てくれれば安心だよ……」


「ガルフさんありがとう……それで、サンドラ様の所に一緒に行ってくれませんか?」


「構わないぞ、それより安心したら腹が減ったし食堂で何か食ってからにしようぜ」


ガルフさんと一緒に食堂へと向かった……






今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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