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再会その7

「接近戦なら簡単に倒せそうね……最初からこうしとけば早かったかしら」


余裕の発言をするルカに対し、俺は彼女を見上げる形で膝をついている。

油断していた訳ではない……むしろ見えない分集中して探知を行いながら闘っていたんだ。

そして、探知の速度では追いつけない様な攻撃が俺を襲ってきたのだ……


「さて…接近戦じゃあ対応出来ないのが解ったから、これからはどれだけ耐えてくれるか見物ね」


ルカは俺に向かって蹴りを放つ……後方に飛び上がり回避するが、既に追いついて来ている。


「悪手じゃなくて?」


声が聞こえた瞬間には俺の腹部に膝が突き刺さっている……そのまま崩れ落ちる様に両膝をつく……速すぎて全く対応出来ない。

ガードすらする隙がないのだ……


「もう終わりかしら?」


「……これくらいじゃあ終わらないぞ」


チェーンの効力で攻撃される前の状態に戻す。

代わりに魔力が消費されてしまうが、そんな事は気にしていられない……動けなくなれば、袋叩きにされてしまう可能性が高いからだ。


「頑丈なのね、骨が折れるわ……でも、ずっと耐え続ける事は出来ないでしょ」


またも俺の視界からルカがいなくなる……

止まっているから駄目なんだ……俺も動き続ければ……

腕輪の力で脚力を強化し動く、これなら易々と攻撃出来ないだろう……

ルカを探知し続け、彼女から逃げる様に移動を始める。

彼女も容易に近付く事が出来ない様で、とりあえず俺を追いかけて来ている。

追いつかれなければと思うが、いかんせんその移動スピードに俺が慣れていない……動きが直線的になってしまっているのだ。

それに気づいた時には遅かった……ルカは俺が移動する先に向かって突っ込んで来ていた。

移動スピードの乗った杖がマント関係なしに俺の肩に叩きつけられる。


「あったりー」


俺の肩を攻撃したルカは陽気な声で当てた事に対し喜んでいる。

骨に異常はないが、攻撃を見事に喰らってしまった……体が動けても、目がついていかない現状では時間を稼ぐ事すらままならないのか……


「もう逃げないのですか?」


「戦ってるんだ……逃げる事なんてするかよ」


とは言うものの、実際逃げていた様なものだ。

俺が攻撃出来る手段が見つからない今はそれしか出来ないのだから……


「それならもう少し楽しめますね」


そう言うと魔法を発動、炎で丸い玉を創り1箇所に留めてる。

そしてそれを移動しながら何箇所も創り出す。


何をしているんだ?

そう考えていた瞬間にルカの接近を許してしまう……杖を薙ぎ払う様に胸部目掛けて殴りつけられるが、今回はガードなんとか間に合うが攻撃の質が代わり、体を浮かせられ吹き飛ばされてしまう。


『ジン、危ないぞ!』


何がと問おうとした瞬間に背中に何かが当たる……次の瞬間には炎に囲い込んでくる。

包囲される前に炎から抜け出す事に成功するが、ルカの狙いが解りゾッとする……何箇所も仕掛けた炎は俺を吹き飛ばし、燃やすつもりなのだ。


「惜しかったですね……でも、次も同じ様にいくでしょうか?」


『ブラッドまだなのか?

これ以上はもう……』


『融合するには十分な時間は経過したが、このまま融合しても決定打を与える事は出来ないぞ、もう少し気を緩めてもらう様に油断させるんだ』


『もう厳しいって……しかもこの炎の玉を気にしながら動くなんて……』


『解ってはいるが、俺を信じて待っててくれないか……』


『解った……けど、生死に関わる様な状態になったら無理矢理でも融合するからな』


『すまないが、融合しているやつを逃がす訳にはいかないんだ』


『それも後で説明しろよな』


「いくら考えても無駄ですよ……あなたはここで絶対に死ぬ運命から逃れられませんから」


「死にはするだろうけど、俺が死ぬのはここじゃない……今でもないんだ」


「口だけは立派ですね。

でも、あなたが生き残る可能性なんてあるんでしょうか」


「今に解るさ……」


『ショウ、こっちに来てくれ』


魔法使い達と一緒に戻って来ていたショウを呼び戻す。

体の中にショウを戻し、魔法の手伝いをお願いする。


『じゃあ頼むぞ』


『了解ですご主人!』


2人で闇魔法を発動……周囲の光を飲み込み、闇に包み込む。


「視界を奪えばどうにかなるなんて思ってるの?

これだけ暗くしたら、あなただって見えないのに」


ショウがいなければ……探知が出来なければそうだろうな。

だけど、俺には感じる事も出来るしショウが教えてくれるんだ。

一気にルカへと近付く……直前で斬撃を飛ばし、俺は再度移動して背後に回る。


斬撃が当たる前にかき消される……見えていないのにどうやったのか解らないが消された。

1度立ち止まり、注意深く探知を行う……すると、ルカの周りに風が巻き起こっている。

あれで接触前に感知して相殺したんだろう、色々とやってくれるもんだ……


でも、さっきからルカが動かないのは自分が仕掛けた炎が周囲のどこかにあるからだろうな……動いて消してしまうのは無駄だと判断したんだろう。

お陰で俺の方の作戦が上手くいく確率が上がったけどな……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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