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再会

光が俺に向かって一直線に放たれた……闇魔法を使い魔法を吸収する。


「ゲっ防がれたよ……」


壁の上に立っている少年から声が聞こえた……


「そんなに目立つ所から攻撃するからですよ……もう少し身を隠してから攻撃すれば良かったのに」


少年の横から姿を現した少女は少年に向かって話し掛けていた。


「だって、その方がカッコ良くないか?

やっぱり目立たなきゃ損だよ損」


「どう言った損得勘定か理解出来ません!

もう少し勇者としての尊厳を持って下さいよ……」


……何て緊張感のないやつなんだ。

少し遠くて顔がハッキリしないが、声に聞き覚えがある気がする……だけど、異世界で知った人間なんていないし勇者が知人でしたなんて事はないだろうしな……


「尊厳なんて言われてもなぁ……俺ん家はそんな環境じゃないし無理だよ無理。

俺が思うカッコ良いを体現出来れば良いの。

まさか、俺がカッコ良過ぎるから他の子が寄って来るのが気になって……」


「気になっていません!

本当に何でこんな人が勇者なんでしょうね……」


こんな戦場で気の抜けた掛け合いしてる度胸は認めるが、禄でもない勇者の様だな……

こっちに意識を集中していない今ならチャンスなのか……しかし、話し合いを行うのが優先なんだろうな。


くだらない掛け合いをしている2人の元へと近づく……

とりあえず話しかけてみるか。


「すまないがちょっと良いか?」


「良くない!

今は大事な話しの最中なんだ……ルカが俺に惚れてると気付いてもらう為の……」


「惚れてませんし、今後も惚れる予定はありません!」


やっぱり聞いた事のある声だ……しかし、顔がまだハッキリしない。

もう少し近付けば何とか見えるかもしれないけど……


「そんな事はないぞ絶対に……って何か聞いた事のある声が」


勇者がゆっくりと俺の方を見た……俺も目を凝らして顔を確認すると……


「え?何で親父がここにいるんだよ!」


……は?…………は?

確かにボヤけて見える顔は家の息子の顔の様だが、俺が知っている息子はそんなにバカではなかった筈……


「家にそんな自己主張の激しい息子はいません」


「いやいや、名前は新垣 響あんたの息子だよ!」


「……家の息子はバカだけど、訳の分からない事を女性に言い続けられる程のハートは持ってないです……」


「う……身内がいると思いませんでしたので……」


「それに、息子は親父なんて呼び方しない……絶対お父さんって呼ばせてるんだけど?」


まぁ確信した……間違いなく息子だ。

バカさ加減といい、調子に乗った時のアホさといい間違いないが、あんな事を堂々と大衆の面前で話せる度胸があったのは初めて知ったけどな……


「お父さんで間違いありません……ってどうして久し振りの再会で怒られなきゃいけないんだよ」


「父親の前であんな事を大勢の前で繰り広げればねぇ……」


「うっ……それはすいませんでした」


「それはもうどうしようもないとしてだ、まずは仲間を止めろ」


「そりゃそうだ……

みんなーーーちょっと戦うのストーーーップ!

そして集合!!」


本隊の方へと向かっていた3人が戦闘を止め戻って来る。


「ちょっとぉ、楽しそうな相手だったのに何で止めるのよ?」


「……そうです……理由無き場合は罰があると思いなさい……」


「どんだけだよマーニャもテリーも……それに罰って対応はあんまりだろ。

一応俺はパーティーのリーダーで勇者なんだぞ……」


「ぱーてぃーとはりーだーとかよく解らないの!」


「えぇと……何て言えば良いんだ?」


「この集団の指揮を預かる者って言えば良いんじゃないか……お前がそうは見えないけどな」


「ぐっ……とにかくだ、この中で1番偉い俺に従いなさいって話しで……」


「アンタが1番偉い訳じゃないよ!

1番はルカ様だって!」


「そんな事はないぞ、俺だって……俺だってぇ……」


「お前に進行させても話しが進まないのはよく解ったから、俺から話させてもらうが良いか?」


「構いませんよ」


「君はシュート君だね?」


「名前を知って頂いて光栄です」


「さっき聞いたばかりだけどね。

自己紹介からさせてもらう、私の名前は新垣 仁。

そこにいる響の父親だ」


「お父さんなの?

あんまり顔が似てないし、性格も随分違うね……」


「間違ってれば済まないが、君はマーニャちゃんかな?」


「そだよ〜」


「キョウの顔は母親似でね、全く顔は似ていないんだよ。

性格は……誰に似たんだか…………」


「説明しながらディスるの止めてもらって良いかな!?

説明聞くだけで俺が心に傷を付けられるのは納得が……」


「話しは変わるけど、君達は何で戦ってるのかな?」


「スルーかーーい!

ごめんけど、再会を喜ぶお父さんを少しは感じたいんですけどーー」


「響……少し静かにしなさい。

大事な話しをしている最中なんだ……喜べる状況なのかは話しを聞いてからだ。

俺だって会えたのは嬉しいんだからな」


響は静かに笑みを浮かべながら黙ってくれた。

調子に乗ると歯止めがきかない性格は一緒の様だ……異世界に来てるんなら少しよくなって欲しいものだよ。


「すまない中断してしまったな……さっきの質問をもう1度させてくれ、何で戦争に加担しているのかな?」


即座にマーニャ返答をしてくれた。


「私はね…戦うのが好きだからだよ。

闘技書で闘っても満足出来なくなっちゃって、それでキョウの話しに乗って闘ってるんだ〜」






今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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