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陥る

周囲の警戒を行っているが、進んで来ている巨大な魔力の探知以外は何も変化がない……

上空にいるショウからも連絡がないし、一体何がどうなっているのか不思議だ……


少し前進して自分の目で確認してくるか……危険は伴うが、そうでもしないと全く解らない。

とりあえずは一旦ウィリアム様の元へと向かい聞いて来るとするか……


本隊よりも少し前の位置にいたので戻る為に移動しようとした瞬間、ブラッドが異変を感じる……


『マズい……向こうから魔法を撃ってきた』


『敵本隊からはかなり離れている筈だろ?

そんな所から撃ったってまともな所には当たらない……』


『離れていたって解る程の大きな目印があるじゃないか』


まさか……城からは判らなかったが、向こう側からは見えるのだろう。

城から見えなかったのは、その場所の前が丘の様に盛り上がっていたからで、その反対側からは丸見えだったのかもしれない。


『魔法を撃ち落とす事は可能か?』


『速度はそんなに早くないから出来ない事はないが、8つ全てを撃ち落とすとなると無理だろうな……』


『出来なくてもやらなければ……急いで融合するぞ』


すぐに融合を行い上空へと飛び上がる。

見える魔法は全て火属性で、既に視認出来るところまで来ていた。

確認した炎を水弾で迎撃しに向かう……ここから離れている魔法に当てるのは厳し過ぎる。

だけど、今は一つでも撃ち落とさなければ……


最初の炎は自陣の目の前、これは問題なく撃ち落とせた。

そして両隣りも問題なく完了……しかしここからが問題で、撃ち落とす事に成功した3つとは比較にならない程残りが離れている……命中させる確率がとても低い。

それに、俺の魔法が届くかどうかも不安だ……

左右の位置に合計5つ、左側には残り2つで右側には残り3つ……1番遠い位置は視覚するのも限界といった所だ……


左側を先に撃ち落として、残りをその後に向かう様にする。

上空を出せるスピードの最速で向かい、急いで2つともの炎を撃ち落とすと、右側へと向かうが時間がない。

炎はもう直前の所まで来ている……ギリギリ間に合うであろう一つを消す事に成功するが、残りの2つは大砲に当たってしまう。


直後、大きな爆発音が鳴り響く……最初に自分が大砲を制圧する為に爆破魔法を撃ち込んだのを思い出した。

そこそこの魔力を込めたが、思った以上に爆発してしまった事を。


もしかして、大砲を制圧しに向かう事は計算された事だったのか……

わざと制圧を完了させてしまい、集まっている部隊に対して爆発で戦力を落とす……

最初にあそこが大きく爆発したのは、この爆発を起こす為に大砲の中に用意する火薬がそこにあったからなのか……

どこまで仕組まれているのか判らず、頭の中はパニックだ……


魔法を撃ち落とす事が出来なかった場所の2つから大きな煙が舞い上がっていた……

助けに行くのと、どれだけの負傷者がいるか確認しようと現場に向かっている最中に、敵の部隊を上空から視認出来た。


更に追い討ちを掛けるってのか……

それとも、この爆発が戦の開始の合図だったのか?

となれば、他の場所にも敵が向かっている事になる。


本隊に戻りたいが、放っておけばそこは全滅してしまうだろう。

少しでも敵を減らさなければ……


まんまと敵の策にハマり、手のひらの上で踊らされていたかと思うと腹が立って仕方ない……

どこまで予想しているのか解らないが、このままでは絶対に済まさん。


敵の部隊の上へと移動し、空爆を行うかの如く爆破魔法を何度も放っていく……

数を減らす為と思いながらも、今の状況に対しての鬱憤を晴らすかの様に攻撃を続けた。






攻撃されてしまった2つの場所に対して向かっていた敵を殆ど倒してしまう……落ち着いたところでようやく被害状況を確認する為に降り立った。

爆発は大砲を中心に大きく起こっており地面がエグれていてる……辺りは凄惨な状況だ。

その場所にいた半数近くが死傷者を出しており、戦力的にも大きなダメージを与えられていた。

本隊の方に後方部隊は居る為、早急に負傷者を回復させる事は出来ない……それでも、回復魔法を使える者や持っていた回復薬を使いながら何とか命を繋いでいる。


その中、幸運と呼べる出来事が……先程ウィリアム様が人選を行っていた部隊が到着したのだ。

移動中だった為、運良く全く被害を受けていない……中には後方部隊の人員もいだ様で、率先して負傷者の介護にあたってくれた。


本隊から近い場所の方に最初に降り立ったのだが、奥の方も同じ様な状況だろうな……急いで本隊に戻って状況を伝えて支援を要請しなければならない。


『ブラッド、融合出来る残りの時間はどうだ?』


『正直に言うとしばらく時間をおかなければ厳しいな……』


『腹立てて考えなしに攻撃したからな……』


『だが、急がないと本隊も危ないだろう。

敵の本隊が近付いて来ているだろうし、多分だがさっきまで感じていた巨大な魔力を持つ者もそこに来るだろうしな』


『陸路で急いで行く……ブラッドは探知を全力で頼む』




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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