表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/213

集結

何やら変な事を話してしまってるな……さっさと戻らなきゃ行けないんだが……


「戦う意志が無ければどっか行け……お前に構っている時間もないんだ」


「……え?」


「聞こえたろ、お前に戦意が無ければここにいる必要すらないだろう?

殺されたくないならどっか行けよ。

次に戦うなら容赦なく殺させてもらうがな」


「ジンさん、それはマズいんじゃないですか?

どんなに小さい子供だと言っても、彼女の単体でも戦力は大きいんです。

それを逃がしてしまうなんて」


「じゃあケインに任せる。

今は進軍させる事を優先しなきゃならないからな。

俺は先に行って合図をしてくるから」


そう言ってその場からさっさと立ち去ってしまった……


「任せると言われましてもね……個人的には死んでもらう方が安心なんですが……」


レインも私もこれ以上の激しい戦闘は出来そうもないようですし……


「あなたの名前を聞いても?」


「……ノイルです」


「ノイルですね……選択肢を与えます。

ここで殺されるか、捕虜として城に連れて行かれるかどちらが良いですか?」


「……捕虜として連れて行って下さい。

ここで死んでは、今までが何の為だったのかすら解りません……」


「解りました……では、私が城まで同行します。

おかしな真似をしたら即刻殺させてもらいますよ」


「はい……お願い致します」


私も甘くなったものですね……ジンさんも言った通り、時間もありません。

急いで城に戻り、回復させてもらいましょう……


「レイン行きますよ……どなたかジンさんの元へ行き、事情を説明して来て下さい。

それと、時間が掛かりますが必ず前線に戻って来るとも伝えていて下さいね」


レインと共にノイルを城へと連れて移動を開始した……






―――――――――――――――――――――――――――――――






最初に制圧した場所まで戻って来た……フューリーに説明して合図を行う様に伝える。


合図は狼型の魔獣の遠吠えを利用して、城までの間に数頭いる魔獣が繋いでいく……


「これでようやく進める訳だが……何故人間達は未だに進軍しないんだろうな?」


「一斉に始末する為に集まるのを待っているとかかしら……」


「そんな方法よりも、各個撃破した方が楽じゃないか?

それともそれだけ戦力に自信があるのか……」


「集まってみれば解るんじゃない?

結局相手の出方次第でしょ……」


「そうなんだけどさ……あまり楽観視出来ないだろ?

さっきまで知らない間に囲まれてたんだぞ、何とか進軍出来る様にはなったんだけど……」


「どうにかなったでしょ。

次に何かあってもどうにかなるわよ」


「……解ったよ。

でも何が起きても動ける準備だけしとくぞ」


本隊の到着を待つ間、周囲の索敵を行ってもらいながら回復薬等の確認や集まった人員の確認等を行っていった……





しばらくすると本隊も到着し、戦況の確認や敵の動向についての話し合いを行っていた……


「魔法使いの部隊はどうする?」


「とりあえず敵の動向が解らないので、迂闊に移動させれない状況ですね……」


「しかしジン殿、魔法使いが居ないとなれば遠距離戦で不利になるぞ」


ウィリアム様と話しを行っていた……争点は魔法使いがここに居ないのが戦力的に厳しいという事だ。

解りはするが代わりに戦力を移動しようにも、代わりになる戦力を先に移動するタイミングで本隊の戦力が下がってしまうのも痛い……もしもその時に攻めて来られたら、最も厳しい戦局になるだろう。


「解りました……では交代させる部隊を作り、二手に別けて左右に移動してもらいます。

そして、制圧した大砲の所にいる部隊から少しづつ人員を集めて魔法部隊の元へと移動すれば、本隊から出す人員も少なくて済みます」


「だがそれでは余計に時間が掛かってしまうのではないか?」


「確かにそうだと思いますが、ここにいる戦力を出来るだけ下げたくはないのが本心です」


「……私にも他に良い案が浮かばない以上、それしかないだろう。

では私が移動する部隊の人員を決めておくぞ、ジン殿は敵に動きがないか見張っていてくれ」


「ありがとうございます。

では、引き続き索敵を行っておきます」


折り合いの付いた所でお互いその場から移動した……




しばらくして、ウィリアム様の集めた部隊が移動を開始する。

これで魔法部隊もここに来てくれる……全部隊が集まればウィリアム様の言う通り少し安心だ。

時間が掛かってしまうのは仕方がないけど……


『反対向いてて大丈夫か?』


『ん?』


『いや、さっきのデカイ魔力が少しづつ動いている気がするんだ……』


『目で確認出来る距離では何もないけど……』


『そうか……だけど前進しているのは間違いなさそうだ。

少し警戒していた方がいいぞ』


『助かる。

じゃあ、ショウにも上空から見張ってもらう様にしておくか……

ショウ、行けるか?』


『大丈夫だよー』


『すまないが頼む。

何か見えたら教えてくれ』


『りょーかーい、じゃあ行って来るねー』


そのまま上空へと飛び上がる。

上からはショウがいてくれるし、探知はブラッドが担当してくれる。

そして俺が陸上を視覚と探知で見張る……これで抜け道はない。

近くに来た瞬間に指示を出せるし問題もない、見逃しさえなければ……




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ