剣舞
攻撃をギリギリで対応するが、攻撃を喰らうのも時間の問題だ……
攻撃を凌いで一旦距離を置く……
「強いですね……」
「おっ…もう諦めたかい?
俺としてはもう少し頑張って欲しいんだけどな」
「諦めてなんかいません……ちょっと状況が悪くなってきたんで」
「何かあるんだね、楽しみだよ」
今度は逆にライトから仕掛けに行く……サーベル1本で攻撃を始める。
「何も変わってないようだけど?」
相手は様子見で攻撃を捌いている……
反撃してくる瞬間まで待った方が効果的と思い、その時まで待つ。
「代わり映えしないし……勿体ないけど終わろうか」
攻撃を弾かれ、相手は双剣で攻撃のモーションに入った……
そのタイミングでサーベルを持つ逆の手、左手に魔力を集中する。
左手に水の剣を創りあげ刺突で喉元を狙う……
だが、首元にカスっただけで避けられてしまった。
直後相手は後退する……
「驚いたよ攻撃するまで待ってたのかい?
少し焦った……魔法で剣を創るなんてさ」
「双剣相手であれば二刀流が相応しいでしょう」
そのまま距離を詰めて行く……
二刀ともを双剣で捌こうとされるが、水の剣は双剣を通過して相手にの胸元に傷を負わせる。
そして再び後退させる事に成功する。
「ぐっ……そっちの剣は物理的な武器で防げないのか?
結構痛かったよ」
「そうですね……魔法を剣では斬れません。
斬ったとしても魔力で繋がっていますからね」
「サーベルは囮だった訳ね……まんまと騙されたよ。
意外と性格悪いんだ……」
「戦いですよ……騙すのなんて当たり前でしょう?
それに、性格の悪さをあなたに言われたくありませんね」
「言えてるね。
しかし、ネタも解ったから次はないよ」
「これが僕の本気って言いましたか?」
ライトの回りに無数の水の剣が現れる……
「僕が操るのは二刀だけじゃありませんよ」
「こりゃあ参ったね……」
「では大人しく捕虜にでもなりますか?」
「……嫌だね。
こんな楽しそうな戦いほっぽいて、今更逃げるかって」
今度は相手の方から攻撃を仕掛けて来るが、距離を詰める事は出来なかった……詰められる前に水の剣を魔法で操作して応戦したからだ。
僕が今同時に操れるのは4本までだ。
それで十分に相手出来るだろうけど、仕留めるまで至るでしょうか……
相手は最初はカスったりしていたが徐々に慣れてきたのか、段々と回避出来る様になってくる。
剣に集中してくれている間に死角から接近し、隙を見てサーベルで突きを放つ……
「それは剣で防げるよなぁ……」
死角から仕掛けたサーベルを防ぐ事が出来る程集中していた様だが、ライトの狙いは違っていた。
「良いんですか避けなくても?」
残りの4本が相手に襲いかかる……そこまでは避ける事が出来たが、もう一度サーベルで追撃したのには回避する事もままならなかった様だ。
サーベルは相手の胸部を貫いた……
「さ…すが…に……5本…は……無理……だった…な……」
「頑張った方じゃないですか?
ここで使う予定はありませんでしたから」
「さい…ごに…持ちあ……げて……く…れ……ても…なぁ……」
そのまま地面に崩れさった……体に刺さったサーベルを握ったままで絶命していた。
「強かったですね……ここまで追い詰められると考えていなかったですよ……
こんな相手が数人いたらと考えると……」
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最初の大砲を確保した後、ようやくその場を確保し終わっていた。
取り敢えずは援軍が来るまで少し休めるか……しかし、思った以上に魔獣化が進んでいる気がする。
ベースの人間の戦闘力は解らないけど、相当強くなるんじゃないか?
これで軍隊でも作られたらたまったもんじゃないな……
回復薬を口にしながら考えていたその時……
『ジン……何か恐ろしい量の魔力を持つやつが近付いているぞ……』
『どこからだ?』
『まだ距離はある……かなりの距離がな。
俺の探知出来る所じゃないが、そこからでも伝わってくるんだ……』
少し怯えた様子で話しているのか?
声が震えている気がする……
『勝てそうか?』
『融合状態でもどうだか……』
それが勇者なのか?
考えても答えは出ないだろう、今は全ての大砲を確保する事が優先だ。
しかし、ここにまだ誰も到達していないとなると1人で時間稼ぎするしかないんだな……
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