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威圧

攻撃が当たりはしたものの、傷一つ負わせれない……


ここまで硬いとは思いませんでしたよ……さてさてどうしましょうか。


「もぉ諦めて殺されなぁ、どうせ勝てやしねぇんだからよ」


「生憎そうもいきませんし、勝てないと決まった訳でもありませんよ」


いくら表面が硬くても、関節部分は弱い筈です……そこを狙えばどうにかなります。


再び攻撃を仕掛ける……何度か見せてもらったお陰で、回避するには問題なくなっていた。

上手く攻撃をくぐり抜け、脇を目掛けてナイフで攻撃する……

攻撃が当たる直前、狙った場所が……相手が遠ざかっていく。


「危ないねぇ……活きこんでいたからなぁにか狙ってると思ったら、やっぱりだったぁ」


相手は足を使って移動していない……跳んで避ける様な動作もなく、そのままの体勢のまま後ろへと下がっていったからだ。


何が起こったんでしょう……考えて解らない時はもう一度見させてもらった方が早いですね。


そう思いもう一度仕掛ける。

再度懐に潜り込む事に成功し斬りかかる……今度は視界を広げてしっかりと観察する。

すると、攻撃が当たる瞬間に何かに引っ張られる様に後ろへと移動している。


足元の動きはない……前面部分では変わった事は起こっていません。

それなら……


風を使い一気に相手を追い越す……すると背中にもう2本の鎌が付いている。

それを後方に刺し、後ろへと移動していたのだった。


「奇っ怪な場所に鎌が付いているんですね」


「カカッ…後から襲われたりする事もあんだろ、そう言うヤツを斬り刻む為の鎌だぁ……でも、それだけじゃねぇんだぜ」


前方の鎌を地面に刺すとケイン目掛けて突っ込んで来る。

急いで横に回避すると背中側の鎌で地面を刺し、その場で留まり再び前の鎌を地面に突き刺して、再度ケイン目掛けて跳んで来る。


これは……厄介です。

避ける度に何度も方向を変えて向かって来るなんて……ですが。


向かって来る相手に向かって衝撃波を放つ……するとまたも方向を変えて避けてしまう。


これを避けるのであれば、向こうが隙を見せてくれるまで続けてあげますか……


何度も衝撃波を放ち、己に向かって来れないように撃ち続ける。

魔力は消費してしまうが、衝撃波ぐらいでは大した魔力消費量ではない為、連続して行う。


「面倒くせぇ……めんどくせえぇなぁおいーーー」


「であれば、大人しく喰らったらどうですか?」


そう言った瞬間、急にこっちへと向きを変え口角上げて笑った気がした……


「そうだなぁ……そうしよおぉ!」


放った衝撃波に向かって突っ込んで来る……いくら表皮が硬かろうが当たれば痛みは感じる筈だ。

衝撃波と衝突する寸前で、衝撃波が掻き消されてしまう……そしてそのままこっちへ向かって来る。


相手は身体を横に捻らせ鎌を切り上げてくる……寸前のところで横へと動き回避する……が、攻撃はまだ終わっていなかった。

身体を捻らせて回転している所為で、背中がこっちを向いている……そして、ヤツの背中にはもう2本の鎌がある。

その2本の鎌がケイン目掛けて襲いかかってくる……


回避が間に合いません……ならば…


1本の鎌をナイフで受け流すが、もう1本がケインの大腿部を斬る……


「あははぁ……当たったぁ……足が切れちまったぁなぁ。

これでちょこまかと動けねぇなぁ」


油断してましたね……衝撃波で少しは遅くなるかと思ったんですが、消されてしまうとは。

多分、当たる直前に同じく衝撃波を発生させて相殺させたのでしょう。

しかし、足に負った怪我は……歩けない程ではありませんが、これまでと同じ様にはいきませんね。


「そうですね……ちょこまかと動けはしませんが、あなたを倒すのは問題ありませんよ」


「何を言ってぇ……」


ケインの回りに纏っていた風が急に音を立てて激しさを増す。


「いやいや、自分の不甲斐なさに腹が立ってしまいます……こんな相手に傷を負わされるなんて。

申し訳ないですが、少し本気でいきますね」


ゆっくりと……ゆっくり相手に向かって歩き出す。

そしてそれは、さっきまでとは別人としか思えない程大きな威圧感を纏わせて……


何が起こったのか相手には全く理解出来ていない……さっき傷を足に負わせ、自分に大きなアドバンテージが出来た。

これで追い込んだ筈だと思っていた……そんな状況で何故自分が殺されてしまうイメージしか出来ないのか、目の前にいるただの人間の男が自分よりも巨大な魔獣に見えるのか……


「仕掛けてこないんですか?」


気がつけば人間は自分の目の前にいる……鎌が振り下ろせばすぐに切れる位置に……


「ふ……ふざけるなあぁぁぁぁあ!」


鎌を振り下ろすが当たらなかった……もう一度反対の鎌で振り下ろすが当たらない。

人間は動いた様子もないのに……


「では、僕も攻撃させてもらいますね……」


ケインは右腕を相手の胸元付近に向ける……

相手が再び背中の鎌を地面に刺し、後ろへと逃げようとすると後から何かに押されて動けない。


「動けないでしょう……それでは」




今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしております。


次回もよろしくお願い致します。

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