単独
『最初はショウに協力してもらうぞ』
『何をすれば良いんです?』
『前にやってもらった魔法を吸収出来る状態にしていて欲しいんだ』
『良いけど、同属性の魔法が来たら防げないから気を付けてね』
『そうなのか?
先に聞いてて良かったぞ……なら、闇魔法の攻撃は気をつける。
ところであの状態ってどれだけ続けられるんだ?』
『僕の魔力が尽きたら終了だけど、ご主人から貰えれば暫くは大丈夫だよ』
『吸収しながらだったらずっといけそうじゃないか?』
『それは難しいかなぁ……だって2人で消費する分の魔力をずっと吸収するなんて事は不可能だと思うよ。
それに、吸収出来る制限もあるから』
『そうか……とりあえずはショウの魔力が切れるまでの間って事だな』
『そう言う事だね』
『じゃあ、俺達も行こうか』
『了解だ』
『了解しました』
会議室を飛び出して聞いた場所に向かう。
山の制圧とこれが成功すれば、なんとかまともに戦が出来る筈だ……他に何か仕掛けてなければの話しだが、今はこれを成す以外には方法も浮かばない。
信じてやりきるしかないんだ……
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暫く飛び続けて、そろそろ見える頃かという時に上空から降りる。
ここから先は陸地を移動しないと、上空で狙い撃ちされてしまうし奇襲をかけれない。
少し走って移動していると、森の切れ目から巨大な大砲が目に入る。
現実世界にあるであろう大砲よりも大きい……思い当たるのは列車砲くらいか。
それ程化け物じみて大きさはないが、それでも恐ろしいデカさだ……
よくもこんな文化でそれを造ったものだ。
移動も大変だったろうにな……だけど、あれ程の物でも射程距離が城まで届かないのであれば、かなり無駄な大きさだ。
多分だけど、それを解決する為の技術はないんだろうな……
出来れば確保して欲しいって言ったけど、要らなかったかなぁと後悔した。
とりあえず大砲の感想は置いて、まずは回りの兵士達をどうにかしないとならない。
ここから視認出来るって事は、派手な動きをしたら向こうからも見つかるって事だ。
慎重に行動して、出来るだけ1回でかなりの人数を減らしたい……
『ブラッド、一瞬だけ融合して爆破魔法を放とう。
そうした方が無駄に体力を消費しなくてもすみそうだ』
『あぁ、じゃあいくか』
すぐに融合をすませて爆破魔法を準備しながら飛び上がる。
巻き込める分の範囲を考えて中心に魔法を撃つ……接触した瞬間に爆破する様に仕掛けているから、爆破したらすぐに元の姿に戻る。
着弾した瞬間……思いがけない範囲で爆発が起こる。
『ブラッド……やり過ぎじゃないか?』
『俺はそこまでやってないぞ……』
爆発が収まるまで呆然と見つめてしまっていた。
ハッと己に返ると融合状態もそのままで立っていた……急いで周囲を確認するが、敵なんか近くに居ない。
用心のためにショウから闇魔法纏い状態にしてもらう。
良く見ると爆発した場所以外の所も凹んでいる……
何かと誘爆してあれだけの爆発が起きたのかもしれない、じゃあ何に誘爆したのか?
答えは多分大砲に使われる為の火薬なのか、もしくは監視台に設置してあった様な爆弾なのかだろう。
運良く敵のほとんどを一掃出来た。
残る敵を一気に片付けてやる……敵との距離がかなりあるが、こっちの存在には気付かれてしまっているだろう。
それなら急いで攻めないと不味い……一気に距離を詰めて攻撃仕掛けないと……
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