進行
「ちょっと閃いたので……って言うのは嘘で、ここに来るだろうって思ったので。
僕は全く見えないですけど、リレイさんは見えていて攻撃を続けていたじゃないですか。
それでリレイさんの攻撃を回避して、僕が近くに来たら見えていない僕を攻撃しようとしますよね。
それもリレイさんから攻撃を受ける事なく……つまりリレイさんが魔法を放てなくなる位置で……それがリレイさんが攻撃出来ない僕の正面です」
「なるほどね……だから近づいて行ったのね。
急に変な行動したから、おかしくなったのかと思ったわ」
「一応真面目に考えた作戦ですって!
サンドラ様からだいぶ遅れてしまったから、急いでここを抜けましょう」
「そうね、急ぎましょう」
サンドラ様の後を追って急いで敵に向かっていたけど、かなり差が開いていた……
でも急いで追い付かないと、敵陣の真ん中で邪魔になるだけだ。
2人でサンドラ様を追って移動していく……
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「ジンさん遅くなりました……大砲の位置の確認とれました」
ようやくケインが戻って来た……工作部隊の面々が大砲を見つけて来てくれた。
「やはり山以外の場所で大砲が合計6箇所配置されています。
その場所場所で敵陣が300程確認出来ます」
300……思っていたよりもかなり多い。
それでもやるしかない……フューリーが戻って来れば作戦も開始出来るだろう。
「どうしますか?」
「もう少し待機してくれ……フューリーの戻りを待つんだ。
それから行動開始するぞ」
「あら……ごめんね、待たせたみたいね」
話しをすれば、フューリーが戻って来た。
「急がせてすまないな……で、どれ位集まった?」
「急いだから200程度かしら」
大砲の位置に集まっているのは合計で1800……こっちは現状工作部隊と魔族と魔獣を合わせても700強だ。
約2.6倍か……奇襲をかけたからと言ってもどうにかなるほどのものではない。
「差は大きいですね……各所に動ける人数じゃ厳しいですね」
「確かにそうだな、だけどこれをどうにかしない限りは希望が見えない……
とりあえず集まったところで作戦を伝える。
まずは魔族と魔獣、そして工作部隊をで各所に攻撃を仕掛ける為に人員を分けるんだ。
分ける部隊数は4つだ……おおよそ170位で隊を組めば良い」
「4つでは残りの2箇所からの砲撃を受けてしまいませんか?」
「それについてだけど、1つはサンドラ様が手配してくれていた部隊が既に攻撃を開始しているかもしれない。
魔族領から来た所付近に大砲が配置されていなかったか?」
「報告では山道を降りた場所の近くにあったそうです。
ではそれは抜いて良いとしても、もう1箇所はどうするんですか?」
「エルフ領に近い場所に設置してあったか?」
「はい……確かにちょうど城とエルフ領の間にありました。
それは私が確認したので」
「そこには俺が行く」
「……単独で行くんですか?
自殺行為ですよ!」
「そう思うんだったら、速攻で終わらせて助けに来てくれよ。
お前等を信じて待っているからな」
「それでも……いや、解りました。
絶対助けに行きます。
だからそれまで必ず生きて待っていて下さい」
「言われなくても死にはしないさ。
じゃあ、各々が向かう位置はお前等に任せるが、フューリーとケインがいる部隊は出来るだけ魔族領から遠い方の場所にしろよ」
「それじゃあ助けに行くのが遅く……」
「さっき言っただろ、絶対助けに来るって。
それなら、どんな場所からであろうと駆けつけて来いよ」
「はい……」
「まぁ自分の所が終わったら、隣の場所を助けながら移動して。
最終的に俺がいる場所に辿り着く様にな。
ついでに奪えれば大砲を奪って来てくれたら、その後が助かる」
「じゃあ早く隊を決めて行きましょ。
そうじゃないとジンが死んでしまうもの、ケインさん急ぐわよ」
「それとケインにもう一つ聞きたい事があったんだった」
「何でしょうか?」
「ダークエルフ領に人間がいたか?」
「山の方には居たようですが、それ以外は見かけていないそうです」
「解った……それだけだ」
「はい、では失礼します。
待ってて下さいね……」
そう言って部屋から出て行った。
300はキツいだろうな……初っ端から融合使う訳にはいかないし、通常状態での戦闘ではどれ位頑張れるだろうか?
『本当に大丈夫なのか?』
『多分な……』
『身体は全快じゃないんだろ?
危なくなったらすぐに融合しろよ』
『もちろんだとも、こんな所で死ぬ訳にはいかないからな』
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