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望み

サンドラ様と別れて再び会議室へと1人向かう……

会議室に置いてあるここいらの地図を見ながら考察する。

援軍が来る方向……魔獣達の行動……自軍の部隊の配置……


敵軍の位置も解らないが、攻め込まれる場所はこの城で間違いない筈……そして、大砲の所為で前進出来ないとなると、尚のこと防衛戦に徹する事になるだろう……

城の回りは森、後方のみ山だ。

この後方からは大砲の攻撃はないだろう、大きな大砲を荒れた山間を進むのは厳しい……だけどその場所は城よりも高台にあり唯一の退路だ。

そこを見逃す筈はないだろうし、そこに陣取られてしまえば我々は孤立無援……ならばそこさえ取れればなんとかなりはしないだろうか?




そこから小1時間程熟考していた……ある程度考えは纏まった。

後は実行出来るかどうかだな……


急いで会議室へと再び招集をかける。

皆が集まるまで頭の中で出来る限りのシュミレーションをしていく……


しばらくしてケイン以外の皆が集まった……そして出来るだけ高い確率で起こり得ると考えられる全てを伝える。


「…………これで考えうる全ての事と、それに対しての戦略です。

何か異論がある方は発言をお願いします……作戦に穴があれば、相手は見逃してもくれないでしょう。

今思われる全てを出して下さい」


「よぉく考えたようだな…妾はそれで問題ないぞ。

だが、ケインがまだ戻って来ておらぬが問題はないのかい?」


「確かにケインもフューリーもまだです……けども第一段階が遅れれば遅れるほど対抗出来なくなってしまいます」


「確かにな……最初の行動自体は速度優先の様だし、妾達は出るぞ」


「お願いします。

では、他の部隊は問題なければ準備願います」


とりあえず皆は目を合わせて頷いている……


「了解した……ではジン殿の指示に従い、皆で行動を開始せよ」


全員が立ち上がり俺の元へと近づき肩を叩いて出て行く……

最後の国王が肩を叩いた時に言葉を発する。


「ありがとう……そなたのお陰で希望を持てた。

望みがある以上は諦めん……ジン殿、勝とうぞ」


そう言って会議室を去って行った。

最初の行動になるサンドラ様に最も重要な役割をお願いしている……


頼みました…………






―――――――――――――――――――――――――――――――






あぁ嫌だ……戦争が始まっちゃうよぉ……

でも実際のところ攻めて来てもいないし、本当は始まんないとか?


そんな事を甘い事を考えているとサンドラ様が戻って来た……


「お前達!……準備は良いか?

妾達が先陣を切る事になった……盾になってくれる近接部隊等はおらぬ、魔法部隊のみでの作戦だ」


え……魔法使いなんて後方で戦うのが当たり前じゃないんですかぁ?


「そして、妾とリレイとタニアとキャメロが先頭になって突っ込む。

他の者は後ろから援護を中心に追って来る様になる」


僕も先頭にって……なんでそんな事になってるんです?


「そして最初にたどり着くべき場所は……後方の山だ。

そこを抑える事が出来ねば、我々は負け……全ては魔法部隊にかかっておる。

気を引き締めて行くよ!

それと、さっき言った3人は妾の元へと来るのだ」


マジっすか……絶望的な気持ちになりながらサンドラ様の元へと向かった。


「時間がない、妾達は先に向かうぞ……キャメロは何故青い顔をしておるのだ?」


「いやぁ……僕の人生ここまでかなぁって思いまして」


「馬鹿を言うな……だが、どの道これを成功せねば死ぬのは確定ぞ。

お前が死んだ気になっておるのなら、十分に命を散らすが良い。

骨は拾ってやるからな」


死にたくはないんですけど……だけど、僕らが失敗すればダークエルフが全滅するって……


「死にませんよ!死にません!

頑張って生きて帰って来ますよーーー!」


「クク……良い良い。

では大一番の舞台へと向かうぞ」


サンドラ様はその場で浮かび上がる。

それに次いで皆も上空へと移動する……タニアさんは飛べないのか、サンドラ様が魔法を使い浮かしている。


サンドラ様が一気に山へと向けて飛び出すと、その後を遅れない様に付いて行く……




山の中腹に差し掛かった時に前方に何かが見える……

何だろうあれ?


少しづつ何かが近づいて、はっきりと何かが理解出来た……


矢がいっっっぱい降ってきてるーーーーー!?


「サンドラ様!矢ですよ矢!

あんな数避けれませんって」


「避けずとも良い……」


そう言うと火属性の魔法を使って、目の前に迫っていた矢を全て燃やし尽くした。


「臆すな……さっき覚悟は決めたであろう。

それにお前でもあれくらいは問題なかろうて、いつまでもその弱気は直らぬのか……

しかしジンの言っておった通りだな…ここで待ち伏せておるとは。

先を急ぐぞ、我々よりも上に行かしてはならぬぞ」


そう言うとタニアさんを下に降ろして速度を上げて移動を再開……

すると前方に今度は人の姿を確認出来た。

しかも数人…数十人とかの数じゃないよ……何百人もの人間達が待ち受けているよ。


「後方からはまだまだ追い付いておらぬな……相手は雑兵とは言え纏まっておれば的にされるぞ、各個人間達を撃破しつつ上を目指せ!」


この数を1人で別々に相手するの?

飛んでいるから接近されてる心配はないけど、攻撃を集中されたらヤバいですよね……


サンドラ様は上に向かいながら魔法で攻撃している。

後を付いて行ったら危険だよね……外れた矢や魔法が被弾するかもしれないし……


リレイさんも前に見せた砂嵐で攻撃しながら移動を開始してる……下からはタニアさんが人間達に突っ込んで攻撃を始めている……面白い程に人が吹っ飛んでるけど、何をしてらっしゃるのか理解不能です。


僕もこのまま止まってる訳にはいかないよね……



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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