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準備

今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

危険が迫っているかもしれない事をウィリアム様に伝え、すぐに出発出来る者から急ぎ城に向かう。

俺も行く事を伝えたところ、皆から止められてしまう……確かに体の状態は万全じゃないが、それどころではないかもしれない。

多分今来ている部隊が主力……少しでも戦力が必要になる筈だとなんとか説得する。

同行は許してもらえたが、移動中は馬車の中で休む事が条件になった。


短時間で準備を済ませ出発……城までは約半日だ。

俺が眠っていたのが一日、それを入れて考えると既に戦闘が始まっていてもおかしくない。


焦る気持ちを落ち着かせながら馬車の中での時間を過ごす。

少しでも体を回復させる様にと、ウィリアム様が後方部隊の者を回し俺の回復を手配してくれた。

回復魔法の所為か馬車の中で眠ってしまっていた……





大きな音に反応して目を覚まし、馬車から身を乗り出し音の方向を確認する。

音がした方向は監視台の方……

既に戦闘が開始されているのか?まだ始まってい事を祈るしかない。


馬車を降りてウィリアム様を探すと、先頭の集団の中にいる。

そこにはライトやアリとサリ、タニアにメロもいた……


「どうなっているか判りますか?」


「いや…静かだった中で、急に監視台を破壊された。

それ以上は判らん」


「上空から確認してきます」


「ジンはまだまだ全快してはいないだろう。

他の者に確認をお願いした方が良いと判断するのだが?」


「戦闘を始める気はありませんし、確認だけなので大丈夫です。

それに、空を移動出来る者が他にいないと思いますので」


「……偵察だけだぞ、それ以上は絶対に止めておいてくれ」


「解りました。偵察のみで大丈夫です」


そう言って上空へと飛び上がる。

なるべく敵から見付からずに偵察を行いたい為、高度を上げる。



監視台の位置を確認してそっと近づいて行く……破壊された監視台の回りには敵営はない。

となると、遠くから攻撃してきたのか?

あれだけ派手に壊したんだ……今更隠れはしないだろう。


それとも派手に行ったのは囮で別の経路から仕掛けて来るとか?


『ブラッド探知で反応はあるか?』


『いや……感じないな。

破壊自体も魔力を使って行ったものじゃないし……』


『魔法を使っていないって言うのか?』


『そうだ……魔力を全く感じられない。

物理的な何かでの攻撃で間違いないだろう』


元の世界でならミサイルや大砲で離れた場所に攻撃は可能だけど、この世界でそんな物は存在しない筈だ。

人間の住んでいる場所を見た事はないが、ダークエルフの住んでいる所なんか見てもそれはありえない。


破壊された監視台を確認する為に高度を落として見に行く……

攻撃を警戒しながら近づいていった。


監視台に着くまで攻撃は無かった。

破壊された部分を確認すると、折れた部分が焦げているのが解る。


火薬を使って壊しているんだ……人の仕業であるのは間違いない。

だけど、今攻撃して破壊したのか?それとも爆弾の様に設置しておいて、今の時間に発動する様にしていたのか?

可能性が高いのは後者……俺はともかくブラッドの探知に引っかからないとなると、かなりの距離を移動している事になる。

そんなに短時間で、入り組んだ森を移動する事は不可能……それならば、この事によって俺達の気を引くのが目的と考えるのが正しいんじゃないか?


とりあえず一旦ウィリアム様の所に移動しよう……報告して、急いで城に向かう様にしなきゃいけない。

何時どこから攻めて来るかは解っていなのだから……


見てきたものを告げ、急ぎ城へと移動を再開する。

胸騒ぎが止まらない……何かが始まっているが、その全体図が見えない……




ようやく城の近くまでたどり着くと、今から様子を見に行こうとする工作部隊と遭遇する。

見てきた内容を話し、全てを報告する為に一旦城へと入る。


ウィリアム様は着いて早々に国王の元へと向かう、他の物は急いで隊と合流して戦闘準備を始める。

俺は一旦部屋に戻る……置いてある装備品を取り戦闘に備えるが、未だに全快したとは言い難い身体の倦怠感が残る。

けれどもそうは言っていられないのも現状だ……準備も完了して部屋から出るとライトに呼ばれる。


「ジンさん、隊長格全員に収集命令がかかってますよ」


「会議室に集合か?」


「はい、準備が終わられたなら一緒に行きましょうか」


2人で会議室へと移動すると、既に国王や他のメンバーは集まっていた。


「お待たせしました……」


「揃ったようだな、では会議を始める。

まずは壊された監視台についての報告をジン殿頼む」


そう言われて、見たものを説明していく……すると、魔法を使っていないと言う事に対して声があがる。


「すまないジン隊長、魔法を使わずに監視台を破壊するなどは無理な話しだろう。

しかも折れた部分が焦げているなら火属性の魔法を使った証拠では?」


リュードからの異議だ。

火薬の存在を知らなければ当然の反応だろうな……説明をしないとと思った時にケインから手が上がる。


「リュード副隊長、人間達で使っている火薬を使えば簡単にジン隊長が言った事を実現出来ます。

現に私がいた時も、その火薬を使って作った爆弾という物を使っています」


「それがあるからそれの所為で折れたと?」


「そうだな、火薬を使えばそれ位は問題ないだろうな……

そしてそれを戦争の為に利用するなら、俺達は窮地に立たされているって事じゃないのか?」



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