能力と相性 魔法の習得
初の投稿作品になります。
皆様に楽しんで頂ける作品になっていれば幸いです。
では今回もよろしくお願い致します。
ショーテルの立ち回り方や防御のやり方などをライトに聞き、その度に実践し覚えていく。
攻撃方法も多彩であるが、それより防御と言うより受け流し方に目を見張る。
通常の剣だと受け止めるか弾く事が主であるが、ショーテルは刀の様に刃で滑らし攻撃を流す事も出来る。
しかも、その受け流す事によって相手のバランスを崩し、すぐさま攻撃に転じる事も出来る。
刀より湾曲している為、簡単にこういった事が可能なんだろう。
熟練すればどんな武器に対しても有効なのではなかろうかと思える。
ライトと何度か復習を兼ねて立会いを行ってみたが、速度では追い付けないもののショーテル自体の特異な攻撃や防御でなんとか付いていくことが出来た。
これで初めてなんだから良い方だろう…
後は旅の途中で戦闘を行って上達してくしかないかな…
「ショーテルの動作に関してはほぼ覚えられたみたいで安心しました。
このままいくと簡単に私は抜かれてしまいそうですよ。
隊長の身分形無しです」
ライトが笑いながら言ってくれる。
なんだかんだしっかり覚えられたのはライトの指導が良いからだろう、細かいところまでしっかり教えてくれるから修正点が解り易い。
「先生が良いからですよ。
まだまだライトさんは本気ではないでしょうから
もっと上達しないと駄目ですね」
「そんな事はないですよ。
お世辞なんかではありませんし、途中からちょっと本気でしたしね。
練習用の軽い武器でこれですから、あれになると恐ろしいものです」
実戦では練習用とは違い、譲り受けた大きなショーテルを使う事になる。
レンジが変わるが、やる事にそんなに違いは無いだろうから今の立会いの事をしっかり反復しなければな
「剣の修練は一旦ここまでにしておいて、次は魔法の事をお教えしましょうか」
魔法かぁ、向こうの世界でそんな存在に出会った事が無い為、なかなかピンと来ないがそもそも使えるんだろうか?
「ジンさんは魔法の事をどこまでご存知ですか?
お教えする事の範囲を最初に聞いておいた方が時間を無駄にする事はないでしょうから、良かったらお教え願えますか?」
「そうですね。実際の事を言うと魔法に色んな種類があるのは解ります。
例えば火、水、風、土、雷、闇、光や相手の体調を操作する様な魔法があると言うところですかね。
ただ、自分の住んでいた世界に魔法自体が存在していなかったと思うので、どうやって発生させるのかが全くの不明です」
「そうなんですか、ジンさんの住まれている世界に魔法が存在しない、その割には属性の事などに関して博識でらっしゃいますね。
ではどうやって発生させるか、その条件や方法をお教え致しますね」
ゲームの中の知識はしっかりと覚えているもんで、それで合っていればと思ったんだけど、ほぼ正解みたいで助かった。
ただゲームの世界では発生させる時には手から勝手に出てきたりでよく解らないからね。
「では、魔法を発生させる為の方法なんですが、絶対条件として媒介を介す必要があります。
例えば水の魔法を使いたい場合は水分が必須になります。
小さな水溜りや雨でも構いません。
それを我々が持つ魔力で増幅したり操作したりで相手を攻撃する事になります。」
なるほどね…つまり何も無いところから魔法を発生する事は出来ないという訳だ。
さっきのライトの説明を噛み砕いて説明すると、魔力はその属性使う為の伝導機とそれを動かす燃料と言う事だ。
だからこそ何も無いところでは魔法は使えない、だが逆を言えば砂漠で全く水の無いところでも自分の汗から水魔法を発生させる事は出来るが、しかしその分魔力を使い増幅させる為に効率の悪い事になる。
つまりは、媒介が大きければ大きい程魔力消費は少なくて済むし楽を出来るということだな。
「ここまでは大丈夫ですか?
解らなければもう少し詳しく説明致しますが」
「いえ、大丈夫ですよ。付いて行けてます」
「なら良かった。では次の説明に入ります。
ではどうやって魔力を使うかと言うとこになります。
これは、元来の資質もありますが感じる事が出来るかどうかが鍵になります。
元々魔力とは血液の様に身体を循環しているものであり、誰の身体にも存在しています。
ただそれを感じ取り、媒介の対象となる物に流し込み増幅、または操作する事により魔法を実行する事が可能になるのです。
結局のところイメージ出来なければ魔力を感じとっても発動する事は叶いません」
これは中々難しい事になっている
感じ取るのが最初の試練だな
「それでは此処修練場に砂がありますね。
それを動かしていきましょう。
先ずは魔力の感じ方ですが、方法をお教え致しますね。
目を閉じて、身体の中に流れる血液を感じ取って下さい」
血液の流れを感じ取るねぇ…
まずは手のひらに血液の流れを感じ取る。
目を閉じ、意識を集中する。
するとほんのり右手のひらが温かくなってきた。
手のひらだけ体温が違う様に感じられる。
なるほどねこれが魔力の流れってやつか…
「流れを感じる事が出来たみたいですね。
それではその流れを地面の砂に向かって伸ばしてみて下さい。
それで砂が動けば第一段階クリアです」
手のひらにある流れを地面に向けて伸ばすイメージを行う、そしてそれを実際にイメージしながら動かしていく。
お・お・なんとなく流れが動いているのが解るぞ
これを地面の砂に当てて動かす。
少し動いていないか?
浮き上がらせる事は出来るか?
イメージを続けると砂が浮き上がり空中に留まっている。
「上出来ですね。
そこまで出来れば初歩は完了です。
では暫くその繰り返しを行って下さい。」
何回も落としては動かし留める。
何十回もおこなっている間に慣れて来たぞ
「だいぶ上達してきましたね。
ではそれをあの的目掛けて飛ばして見ましょう。
ただし飛んで行ったからといってイメージと流れの操作を切らないように」
この留めているすなを的めがけて飛ばす…
上手い事いったぞ、的の真ん中には当たらなかったが的自体には当てることが出来たぞ
取り敢えずこの感覚を何回も反復練習して身に付けて行く事を心掛けながら何回も続けていく。
ようやく的の真ん中に当たるようになってきたぞ
「ジンさんは成長が速くて助かりますね。
これが完璧になれば初歩魔法は終わりです。
それでは次に媒介の増幅についてお教えしていきます。
媒介は水が一番解り易いので水を使いますね。
それではまずは先程と同じく水を浮かせてみて下さい」
先程の固形物を浮かすのと違い、液体は難しいもんだな…
よし 、留める事に成功したぞ
「水は難しいんですが、ここまで操れれば完璧ですね。
では次にこれの大きさを大きくする為のイメージを行って下さい」
言われた通りイメージをし、水がコップから溢れ出すイメージで…
さっきより水の塊が増えて来たぞ、これも成功だ。
ただし、魔力を使った後に気だるさが少しづつ増えた。
またこれを反復練習だな。
それが終われば、取り敢えずは習練完了だな
今回もお読み頂きありがとうございます。
誤字等で読みにくいところがありましたらお教え下さい。
では次回もよろしくお願い致します。