技術部隊試験
技術部隊の試験当日……
昨日は色々とあって休むのが遅くなってしまったが、なんとか朝練の時間には起きて3人で朝練を行った。
リレイは日に日に動きが良くなっている……さすがに能力の高い魔法使いだと上達するスピードも早いみたいだ。
だけど、ライトの動きについていける訳ではない……頭では解っているが、体がついていかないと言った感じかな。
ライトはと言うと、油断出来ないくらいの動きと反応をしてくる……腕輪の力がないと対応出来ない。
これならばケインと戦っても良い結果が出せるんじゃないか……今度ケインと立ち合う様に話しを薦めてみようと思う。
試験に集まっている人数が気になり会場の方に移動してみると、行列が目に入る。
前回の試験と違うのは、年齢層が広い事だ……子供から老人まで並んでいる。
それに女性が多く参加しているのも違いのひとつだ。
「オイオイ……すげぇ人数だな」
背後から声が聞こえたので振り返ってみると、バズとダグの2人が歩いて来ていた。
「今日は約束通り起きてきたみたいだな」
「氷漬けにされちゃあ堪んねぇからな。
昨日は呑まずに早く寝たぜ」
「朝から無駄な魔力消費も抑えれて有難い。
試験期間中は特にそうあってくれれば助かるな」
「解ってらぁ……流石に一回されただけでもトラウマになりそうなのに、何度もされたかぁないからな。
話しは戻るが、これだけの人数の試験すんのか?」
「一応な……わざわざ来てもらっていて、ただで帰す訳にもいかんだろうからな」
「終わりが見えねぇなぁ……
しかし、あんなちっちゃな子供まで試験するなんてぇ思ってもみなかったぞ」
「それは俺もだよ……何らかの特技があるから来たのかもしれんから、ちゃんと見極めてやろうじゃないか」
「だな……磨けば未来の達人になれるかもしれねぇしな」
だけど、本当にこの人数を全員捌くとなると辛いな……試験の順番を変え、特技を見てからそれ以上は優秀だった者だけ進める様にするかな。
「ちょっと試験前にもう一度打ち合わせしようか。
無駄に時間を使わない様にどうしたら良いか、話し合おう」
「もう行くのか?」
「いや、朝飯食ってくる。
気にしないで、先に行って待っててくれ」
「解った……それじゃあ先に会場に向かっとくな」
2人と別れ食堂に向かい朝食を急いで食べ終えて、面接会場へと急いで向かう。
着いた時にはリレイも到着しており、すぐに先程思いついた内容を説明する……3人に確認すると賛成してくれたので、特技を見てから続けるかどうかを決める方針になった。
意見が纏まったところで、もう一度今日からの担当を確認する。
バズの担当は鍛冶の才能を見る事、ダグは裁縫の担当……体はゴッツイのに意外と細かな事が得意らしい。
リレイはもちろん魔法の素質を見る事、そして俺の担当は発想力を見る事だ。
それぞれに別々のシートを持ち、各々が点数を点けていく……宿舎の空きはまだあるが、あまり多い人数を採用する事は難しいかもしれない。
単純に食料と給与の問題があるからだ。
前回の採用者でも給与に関しては大きな問題にもなっている……未だ訓練中とは言え、今までいた兵士達と同じ金額を渡せば国が破綻してしまうだろう。
そして食料も同じだ……無限にある訳ではないし、確保の為には近隣の村等からの協力をしてもらっているらしいが、このまま人数が増えてしまえば食料不足は否めないらしい。
いっそ技術部隊で、魔法を使った農業でも始めてみようかとも考えていたのだが、まだまだ構想の段階で誰にも言ってはいない……それが可能で高効率であれば実現する為のプランを練ってみたいと思っていたんだけど。
とりあえずは人数を絞らなきゃいけない理由は色々とあるから、選定は厳しくなる……
皆の確認も済んだところで、いよいよ試験の開始を国王に宣言してもらう。
俺達も外に出て立ち会うとリュードが進行を行ってくれていた……集まった人数は前回の7割位だろうか、これを選定するのにはかなりの絞らなきゃいけないだろう……
国王の挨拶も終わり、面接の開始になる。
先に面接会場に移動を終えた俺達に、受付の兵士が確認を行う……入って大丈夫と告げて、最初の受験者が入って来た……最初に来たのは女性だ。
名前を言ってもらい、最初に特技の披露をお願いする……
彼女の特技は裁縫だと言う事で、ダグが担当の試験だ……俺は裁縫は得意な方じゃないから、見てはみるが全く上手い下手が解らない。
完成を見せてもらうと、短時間で上着を作り上げた。
とりあえずダグに確認すると、最初と言う事もあって継続して面接を続ける。
他に得意な事があるのか確認し、魔力がどれくらいあるのか見せてもらい、追加の質疑応答を行って最初の面接を終了した。
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