能力と相性
初投稿作品になります。
皆様に楽しんで頂ける作品になっていければ幸いです。
では今回もよろしくお願い致します。
ところ変わって場所は城の修練場
ライトに連れられ武器や、魔法のことを学ぶ事に
「まずは武器の説明から致しましょう。
我々が腰に挿しているのがサーベルと申しまして、通常の剣より細めで軽く
突きや攻撃を捌くのに向いています。
我々ダークエルフのほとんどがサーベルを主体とした戦闘を行っています」
見た目刀より細く使い回しが良さそうに見える。
柄の部分には指を守れるように金属でカバーされている。
なるほどな、後手に回った時でもしっかり対応出来そうだし、相手の技量が低ければ俺でも対応出来そうだ。
「次に外からの攻撃として弓ですかね。
我々は元がエルフと言うこともあり、弓を扱う技量は高いようで、力の無いものや女性などは弓を使う傾向にあります」
確かにエルフ=弓って感じだもんな。
これはこれで納得がいく。
ところでこの異様に曲がった剣はなんだろう?
「ライトさん、この剣は何ですか?」
「これはショーテルと申しまして盾を持った相手などのガードの高い相手に用いる事の多い武器ですね。
普通の武器では大きな盾相手では防がれてしまいますが、この武器なら盾で見えない相手でも…
この通り攻撃する事が可能です」
盾を持ち出し訓練用の人形の前に置き実戦してくれた。
これはこれで便利な武器だな…
しかも……カッコイイ!!
年甲斐もなく心が弾む
「ショーテルの使い手は少ないので、使い方をマスターすれば確実に相手の虚をつけます。
我々の中でも使っている者は少ないんですがね」
これは良いな、武器はこれを使う事に決めた。
後でしっかり習う事にしよう
「後はこのカットラスですね。
通常の剣より短く接近戦ではかなり優れていますね。
我々は二刀で戦う事を基本としています」
どちらかといえばダークエルフが使う武器は力よりもスピード重視な感じかな
元々がエルフだった事を思えば当たり前かもしれないな
「ダークエルフの武器は軽装な物が主なんですね。」
「そうですね。我々は他の種族と比べて瞬発力や精密さが高いので、必然的にこういった武器になりますね。
力の強い相手に我々が力で戦うのは愚策ですから」
だとすると、俺はここの武器が合わないのかもなぁ
腕輪の力でそのへんはどうにかなるしな…
「そう言えばジンさんは、能力値の事はご存知ありませんでしたよね?」
能力値?つまりステータスって事かな?
「そうですね。どういった意味かは解りますが、どれ位かと聞かれても解らないですね」
そう言うとライトは腰に下げている袋から1枚の銀色のプレートを取り出した。
「この板は肉体の持つ力を数値で現してくれる具現板と申しまして、これに触れて暫く経つと……
この通り数字が現れてきます」
確かにさっきは何も書かれていなかったのに、今はプレートから数字が現れている。
体力 350
精神力 700
力 280
素早さ 800
魔力 500
耐久力 320
抵抗力 450
ランク D
これがライトのステータスって事みたいだ
これはなかなか楽しい物だな
最後にトータルのランクまで表示される訳だ
持つだけで出てくれるなら、学校でやってた反復横飛びや踏み台昇降もしなくて良くなるな
しかも表示されるまでに数秒だったし
「これで自分の使う武器なんかの相性を見たり、どう鍛えれば自分の使いたい武器をもっと使いこなせるかを見れるんです。
最後にランクを表示してくれるので、その人に見合った編隊も可能性なんですよ。
ジンさんもどうぞやってみて下さい」
「解りました。どんな風に表示されるかドキドキしますがやってみます」
老いたとは言え毎日の筋トレは欠かしていないし
仕事に全く関係無い筋肉つけているからね
楽しみで仕方ないよ
持っていると、うっすら数字が浮かんできた
体力 900
精神力 400
力 850(+????)
素早さ 500(+????)
魔力 350
耐久力 1200(+???)
抵抗力 500
ランク B?
出てきたが……
なんだ+?って…もしかして腕輪の力って事か
しかもランクにクエスチョンまで付いているし
正当なランクはBだが装飾品の補正があって不明瞭って事みたいだな
しかし、案外良かったな
耐久力に至っては1200って相当良いんじゃないか?
ライトの耐久力と比べても900近く違うし
完全に隊列では前衛タイプって事かな?
ライトに尋ねようと顔を見ると…
目を見開いてるよ。
自分より上だったのがビックリなのか、勇者じゃない一般人のステータスがこんなんだったのが驚きなのか食い入ってる。
「これは、なんとも…
魔力に関してはまだ低いですが、耐久力は最早Aランクのトップランカーですよ」
「そうなんですね、昔から身体は頑丈だったので
こんな時に役に立って良かったです」
「しかし、このハテナは何でしょうか…」
「多分それは、私が頂いた力の事でしょう。
色々と重宝する能力を頂きましたので」
ライトの反応を見れば、戦闘に慣れれば結構いいとこいけるんじゃないかな?
「ところで武器は、このショーテルを使いたいんですが、具現板に出てきた数値で相性はいかがでしょう?」
「……え、あぁすいません。
ショーテルとの相性ですか?
どちらかと言うと大剣や、槍、大槌、斧などが相性が良いかと思いますが…
素早さを鍛えれば良くなりますけど」
効力の事も少し話しておけば良かったかな…
ここまでショックを与えるとは思っていなかったからな
だけど、ショーテルとの相性はあまりかぁ…
確かに効力を使えば大剣ですら簡単に振り回せるだろうから力押し出来る武器の方が良いのは良いか
ライトが急に何かを思い出した様な顔をしてこちらを見る。
「ちょっと待って下さいね。
もしかするとちょうど良いのがあるかもしれません。
持って来ますので」
ライトはその場から立ち去り、武器庫らしき部屋へ入って行った。
暫くしてライトが長さ2m位ある武器を持って戻って来た。
「お待たせしました。
これがさっき言っていた武器です。
この城では誰も使いこなせる者がおらず武器庫に眠っていた物です」
そう言うと鞘から刀身を出し見せてくれた。
刀身は黒く、さっき見たショーテルとは違い少し太い。
形状は同じ様だが、重さは段違いだろう…
「これは昔、まだ他種族と交流があった時に、我々のショーテルを見せドワーフから作ってもらったんですが獲物が重く、用途として難く、誰も使いこなせなかった為お蔵入りしていた物なんですが
ジンさんの能力であれば充分使いこなせるかと」
ライトからショーテルを受け取って持ち上げてみる。
確かにずっしりとした重さはあるが、両手で使えば問題ないかな
それに、腕輪の力を使えば楽に振り回せるだろう
「どうですか?」
「そうですね、持っただけですけど、無理なく使えそうです。
遠くから見るより刀身が綺麗で気に入りました。
これを使わせてもらおうと思います」
「それは良かった。
武器も主人が見つかり喜んでいる事でしょう。
では、まずは通常のショーテルに持ち直してもらい、訓練に入るとしましょう」
気に入った武器が使え、これからの訓練にも身が入りそうだ。
しっかりと修得しておかなければな、なにせ城から出たら命が掛かっているんだから…
お読み頂きありがとうございます。
誤字等で読みにくいところがありましたらお申し付け下さい。
また次回もよろしくお願い致します。