情報
訓練の視察を終え、フューリーの元へと向かった。
ここに来てからはどうやら後衛部隊のところに居ると言う事を聞いていた。
アリとサリと一緒に行動している様で、食堂でも3人で一緒にいるところを見かけられていた。
後衛部隊の訓練場に着くと、部隊の皆は既に出て行っており、3人で仲良く話しをしていた。
「お疲れ様、何をそんなに話していたんだ?」
「「ジンお疲れーーー」」
「あら、お疲れ様……急にどうしたの?」
「いや、今後の護衛の件で直接お願いしたくてな」
「ドワーフ領からの移住の護衛の件ね。
アリとサリ達に依頼があって、私も同行する様にって聞いてるわ」
「俺とリュードで話しをまとめて、指示は全部リュードが行うって事になったけど、俺もお前には直接お願いしておきたかったから」
「そんな事良いのに……変な気を使うのね」
「そりゃあそうだけど、お前と約束した話しには関係のない依頼だと思って……」
「そうね……でも、そのお陰であなたに貸しが出来るのは有益だと思うの……それに、彼女達と一緒に行動するのは悪くないわ」
「「フューリーと一緒なら楽しいーよー」」
「そう言ってくれるならありがたい。
じゃあ、すまないがお願いするよ」
「解ってるわ、もう既に了承した話でもあるから」
「じゃあ、貸しひとつで」
「私達にはー?」
「まぁそうだな、お前達もかな。
じゃあ、明日の朝から出発になると思うから、それまでにしっかり準備しといてくれ」
「「かしこまりーーー」」
「じゃあ、俺はこれで失礼する。
話しの途中ですまなかったな」
3人に手を振って訓練場を後にした。
しかし、あの双子と仲良くなっているとは不思議なもんだ……何がどうなってそうなったんだろうか……
訓練場を出た足で食堂に向かう、その途中にケイン達と遭遇し一緒に食堂へと向かった。
「そう言えばケイン、この前の2人と死霊使いの尋問の方はどうなってる?」
食事中に気になっていた話題を切り出した。
あれからなかなかケインと直接話しをしていなかった為、聞いておきたかった。
「そうですね……まずは2人組ですが、戦争の詳しい内容は知りませんでした。
ですが、どこの命令で動いていたのかは解りましたよ」
「教団か?」
「はい……教団の幹部連中からの依頼でした。
だから戦の話しをしても、解らなかったんです。
それに、教団の誰かからの直接の指示ではなく、その人物の使いと名乗った人物が依頼してきたそうです」
「でも、幹部と言うのが解っているんだろ?
それは何でだ?」
「その使いの人物が、その位の人物だった様です。
教団の人間はその人物の位に応じたブローチを付けています。
一般の人間は青銅を、次の位で銅を付けています。
銅の位の人物は神父を行っています。
そしてその上位の者が銀のブローチを付けていて、役職としては司教となります。
次にミスリルのブローチを付けているのが大司教ですね、この位からが幹部となります。
金で出来たブローチを付けているのは枢機卿です。
最後にプラチナのブローチを付けている人物が教皇となっています」
「何か会社みたいだな……」
「会社ですか?」
「平がいて部長がいて常務がいて専務、社長ときて会長って感じだろ?
まさに会社そのものだよ……」
「ジンさんが言った役職については解りませんが、おおよそその認識で合っていると思います」
「とりあえずは大司教ぐらいの従者が指示を出したと言う事で間違いないかな?」
「はい、それで間違いありません」
「まぁ、戦争を始めたのは教団だし、最初の戦で負けたから焦って行動してきたと言う訳か……」
「それで合っていると思います。
そこまでの人物が動いているのですから、今後も気を付けないとどんな事をしてくるか解りません……」
「で、死霊使いの方はどうだ?」
「あんまり聞き出せた事に重要な情報はまだないですね。
だけど、勇者の話しは本当の事で間違いありませんね……これで、次の戦での勝率は大きく下がってしまいました」
「確かに勇者が驚異的であるのは理解出来た……だけど、負けれないもんな……」
「そうですね……でも、勇者のお相手はジンさんが行うのでしょう?
大丈夫ですか?」
「自信はないな……だけど、先日も言った通り話し合いで収まる可能性もあるからな」
「そうですね、話し合いで解決出来ればそれが1番良いですよね」
「そうならなかった時の為に準備はしなきゃいけないけどな」
「お手伝い出来る事があれば言って下さい」
「ありがとう……その時は頼むとするよ」
話しも終わり食事も済ませ、食堂を出る。
部屋には戻らず、憲兵部隊の訓練場に入る……
『ブラッドいいか?』
今回もお読みいただきありがとうございます。
ご意見ご感想お待ちしています。
次回もよろしくお願い致します。