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反省

リレイと共に部屋へと入り腰掛ける。

部屋の前で待っていた彼女と会ってからずっと俯いていた……


「それでどうしたんだ?」


「うん……さっき聞いたんだけど、勇者が召還されていたんだよね」


「そうみたいだな……次の戦では出てくるらしい」


「それでジンが戦うって言ったの?」


「言った……もしかすると戦闘事態避けれるかもしれないと思ってな。

可能であれば人間に加担するのを止めてくれる様に説得出来ればと期待しているんだけど」


「危険な目にばっかり合わせちゃうね……」


「別に構わないさ……それに、お節介なのが性分でな」


「私がこんな時に召還しなきゃ……」


彼女が俺の目を見ずに、ずっと俯いている理由が解った……召還してずっと危険に巻き込んでしまっているのを悔いているんだ。

彼女1人の責任じゃないんだけど、直接召還魔法を使ったという事で自分自身に責任を感じていたようだ。


「そんな事言うなって、さっきも言ったが自称お節介やきのおじさんだ。

お前達を助けたいと思って行動しているし、それで帰れる様になるなら進んでやるさ」


「でも……」


「でもじゃない、俺がやりたい様にやってるだけだ。

だから気にすんな……俺は死なないし、お前達をちゃんと助けて無事に生きて帰ってやるんだ」


「ごめんなさい……」


「謝るなって……召還されて悪い事ばっかりじゃないんだぞ。

元の世界に居たら想像出来ない事を体感してるし、出会った仲間との時間も楽しませてもらってる。

本当に良い経験させてもらってるって思ってるよ」


「ジン……来てくれたのがジンで良かった。

そうだね、ありがとうって言わなきゃ駄目だね」


「俺が帰る時にも同じセリフを言ってもらえる様に頑張るよ。

だから、一緒に頑張って勝とう」


「うん!」


ようやくリレイに笑顔が戻ってくれた……彼女がこれから落ち込まない様に努力しないといけないな。


「それとお願いがあるんだけど良い?」


「良いけど、俺が出来る範囲だよな?」


「無茶なお願いなんてしません!」


「ごめんごめん……で、お願いって何?」


「ライトから聞いたけど、朝から訓練してるんだよね?」


「やってるけど」


「一緒に訓練させてくれない?

私もこのままじゃいけないと思ってたの、前回の戦争の時は途中で魔力が尽きて倒れてしまっていたから」


「全然問題ないぞ、むしろ歓迎するよ。

人数がいればいる程訓練の幅が広がるから」


「良かった!

それで、明日もするの?」


「明日の朝からライトと行う予定だ。

朝が早いけど、明日から参加するか?」


「お願いします。じゃあ明日の朝、修練場ね。

寝坊しない様に行くから」


「あぁ待ってる。

じゃあまた明日な」


リレイは元気に手を振って部屋を後にした。

今まで1体1での戦闘訓練だったけど、明日からは2対1での訓練も行えるな……勇者と戦うかもしれないから、少しでも厳しい訓練を積んでおかないと……


少し早いが、今日は寝る事にした。

戻ってからみんなに会ったが、戦に向けて着々と準備出来てきている。

俺だけ使い物にならないなんてならない様に努力しないといけない……




―――――――――――――――――――――――――――――――




翌朝、早くに起きて修練場に着く……まだ誰も来ておらず、一番乗りだった。

身体をほぐす為に準備運動をしていると、ライトが歩いて来た……だけど、1人ではなく後ろにライラのいる。


「おはようございますジンさん」


「ライト、ライラおはよう」


「ジンおはよう…ライトが朝から出て行っているのを見かけたから、どこに行くのか聞いたらここで訓練するって聞いたの。

一緒に訓練させてもらえないかなって思って来たんだけど、良いかな?」


「良いよ。人数は多い方がやり甲斐があるさ」


「ジンありがとう」


「礼なんかいいさ……2人とも今のうちに準備運動をしといて」


3人で準備運動をしているとリレイもやって来た。


「皆さんおはようございます」


「リレイおはよう。

ライト、今日からリレイも参加する事になったからよろしくな」


「はい、リレイ様よろしくお願いします」


「3人ともよろしくお願いします」


準備運動を終わらせ、久し振りにライトと魔力探知の訓練から開始する。

2人にはやり方を説明して、最初は見てもらう様にした。


訓練を開始すると、以前よりもライトの動きが良くなっている。

探知をしっかりしながら俺の攻撃を躱したり、俺の動きにも付いてきている。


「前より動きが良いな」


「居ない間もずっと練習してたんです。

お陰で避けるのは上手くなりましたよ」


確かに当てるのも難しいかもしれない……それでもまだ抜かれる訳にはいかないと腕輪の力を使い、ライトを追い込んでいく……壁に誘導しライトの逃げ場を奪い、攻撃を寸止めして最初の立会いを終了させた。


「やっぱりまだまだ敵いませんね」


「いやいや、十分な動きだったよ。

当てるのもなかなか出来なくなっていたしな」


さて、俺達の立会いを見ていた2人は口をぽっかりと開けたまま座っている……これからやってもらおうと思ったが、少しづつが良いかもしれないな……



今回もお読みいただきありがとうございます。

ご意見ご感想お待ちしています。


次回もよろしくお願い致します。

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