表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/213

新事実

死霊使いの少年を倒し、生死を確認するとしぶとく生きていた。

だけど、このままだと危ないのかどうかの判断がつかないから、このまま拘束して城に連れて戻るのもどうかと思う……生きていれば情報源として有効活用出来るしな。


しかし、このまま回復させて再び戦闘なんて嫌だし、何かいい策はないもんかな……


『コイツが起きても安心していられる方法ないもんか?』


『それならショウに頼めば良いじゃないか、闇魔法で魔力をギリギリのところまで吸い取ってやれば抵抗なんて出来ないだろ』


『それなら簡単に出来るから、ご主人が言うならやっちゃうよ』


『それで頼む……いいとこまできたら、傷を塞ぐから』


ショウが近付き闇魔法を発動、少年の魔力をどんどん吸い出していく……微かな魔力が感じれるくらいになった時にショウからOKの声が掛かる。

チェーンの力で傷を軽く塞いだ後、回復薬を患部にかけてやった。

これで命の危険は無くなっただろうし、起きても抵抗する事は出来ないだろう……


暴れられては迷惑だから、体を土魔法で動けない様に覆った。

なんやかんやで2時間位滞在してしまっていた為、ショウも戻し少年を担いで脚力強化して城へと向かう……




―――――――――――――――――――――――――――――――




移動している最中でライラ達と出会う事はなく城の近辺まで来たが、結界の所為で未だに正確な場所が判らない。

魔力探知を使えば大体の場所は判るけど、入り口がどこだか全くだ……


『ショウ、すまないが入り口解るか?』


『多分……この木の間だったような……』


ヤバいな、ショウですらうろ覚えだ……とりあえず行ってみるしかないか……


ショウが指さした場所に向かって歩き始めると、横から声が聴こえてくる……何て言ってるか聞いて見るか…


「どうしたんだーーー?」


「そこ入り口じゃあないですよ。

入り口はこちらですよー」


「すまない、ありがとうな、お陰で助かったよ」


「いえいえ、そのまま進んだら川に落ちそうでしたので……」


危うく外堀の水路に真っ逆さまになるところだった様だ……一言礼を言って中に入る。

ようやく戻って来れた……とりあえずは城に向かって、ライラ達が無事に帰って来れたのか確認しに行く事にした。




城に入ると、中には警備の為の兵士しか居なかった。

どうやら訓練中で、出払っているのだろう……

話しを聞いてみたが、ライラ達を見たものはいない様だ……新設の宿舎の方に向かったのか?もしくは何かあったのか?

城の中に居てもこれ以上の情報は得られない為、宿舎の方へと移動する。


何かあったもと思い、若干の不安を感じながら宿舎へと到着した。

訓練中の兵士達に話しを聞きながら、リュードも元へと向かう……戻って来ているなら、彼は何かを聞いている筈だ。

どうやらリュードは面接室に居るとの事で、足早にそこへ移動する。


面接室に着き、ドアをノックすると中から了解の返事が聞こえる。

ドアを開き、中に入るとリュードとバズとダグの3人が居た……他の2人はどうしたんだ?


「バズ、ダグ無事だった様で良かった……ところで、残りの2人は?」


「ジン……お前さんこそ無事だったんだな、心配したぞぉ……

お陰で、ここに着くまで何事も無く無事に来れたんだ。

姉ちゃん達はオイラをここに連れて来てくれてから、この人の所に居てくれってぇ言うから待ってたんだ。

どっかに出て行ってその後は知らねぇや」


「ライラ達なら、ジン殿を助けに行くと言って人員を集めていた様だが……まだ出発はしておらぬから、急げば間に合うと思うが」


「ありがとう、それじゃあ戻って来たと伝えて来る」


「それなら部下を行かせよう……1人で探してすれ違うよりも確実だと思う」


確かにそうだと思い、お願いする事にした……リュードは部屋から出て行き、部下に指示を出して戻って来た。


「連絡する様に伝えておいたから心配ないだろう。

面接室で待っていると伝えたから、時期ここにやってくると思うぞ」


「何から何までありがとうな、助かったよ」


「礼には及ばんよ。

我々の方が色々と多くの事を手伝ってもらっているのだから……それよりも気になる事がある……その子供は誰だ?」


「あぁコイツがこの前リレイ様を襲った死霊使いらしい」


「こんな子供がそうだと言うのか?」


「そうらしい……この前リレイを襲ったのもコイツだと思う」


「そうか、こんな子供がな……それで捕まえて来たと言う訳か」


「とりあえず後で尋問を頼んで情報を聞き出してもらおうと思ってな。

魔力も奪ってあるから魔法も使えないから安心だろう」


「了解した。後はこちらでやっておこう」


「頼む、ケインが忙しくなければ適任だと思うから、こちらからも伝えておくよ」


「解った。こちらでもそのように手筈をしておこう」


その後、ライラ達を待つ間ドワーフ領で起こった出来事を話した。

こちらに戻って来る際に、何が起こるか判らないから援軍を出しておいた方が良いかもしれないと一言添えた。


しばらくしてドアがノックされる。

リュードが返事をすると、勢いよく戸が開く……ライラ達が中に入って来た。


「ジン、心配したわ……良かった無事で」


「なんとかするって言ったろ、約束は破らないさ」


「だから大丈夫って言ったでしょ。

全く……私の言う事は一切聞き入れてくれないんだから」


「フューリーも心配掛けたな。

無事に死霊使いも捕まえて来たぞ」


もう一度2人に経緯を説明した……その後、俺が戻って来た事を聞いたライトやケイン、アリとサリもやって来て何度も同じ話しをするハメになった……


「ここはどこだ!」


団欒の中に死霊使いの少年が目を覚ます。


「ダークエルフの町だよ……」


「ふざけんな!俺を解放しろよ!」


「立場が解ってるか?お前は俺に負けて、捕虜になったんだ。

それにこの状況で偉そうな言葉使いはどうかな?自分の状況をしっかり確認して発言する事だな」


死霊使いの少年は悔しそうに唇を噛んでいた。


「お前らなんて、勇者様に殺されてしまえばいい……」


なんだって……勇者だって?


「お前今勇者って言ったのか?」


「あぁそうだ……勇者様だよ。

今度の勇者様は強いんだ……お前らが束になってかかっても敵いっこない」


勇者がいるのか?この世界に?召還されたのは俺だけじゃなくて?


疑問が幾つも浮かんでくる……何がどうなって勇者がいるんだ?

もう少し情報を聞き出さないと訳が判らない……

死霊使いの少年の一言が、皆を困惑させていた……




今回もお読みいただきありがとうございます。

100話までお読み下さって誠にありがとうございます。


これからも続けていきますので、どうかよろしくお願い致します。


次回もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ