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かすかな情熱

ほんのりと灯った熱を

ホロホロと燃やして

いつまで経っても大きくならぬというのに

大事に大事に

育て育てと小声で発していた


いくばくかの言葉を

いかようにも操れるような気になって

たいそうなものも綴れないのに

統べた者になった気になって

さぞ伸ばした手も足も鼻も

長く長く見えたのだろう


現世うつしようつつを抜かし

妄想の世界に魂を置き

万物は恐くないとはよく言ったものだ


胸に宿したかすかな情熱を燃やしきれず

くすぶらせているだけの者のくせに


「捨てよ、捨てよ」

「消してしまえ、そんなもの」

近しい者たちの本心に気づかぬふりして

聞かぬふりして

まだその小火を大切なものだと言ってしがみつくのか


蔑む眼を向けられないようにと

青臭いことを口から封じ漏れないようにと隠しているのに

まだ声をかけ続けるというのか



なにを望んで

なにを願っている


蔑む眼をしたい奴にはさせればいい

青臭いと嘲笑うような者には笑わせておけばいい

よそ道ばかりに目がいくから

いつまで経っても小声でしか声をかけられず

大きく燃やせずにいる

簡単なことだ

封をしていれば炎にはならない


大いに異臭を放て

嫌でも目立つ



火傷が残ると恐れるな

傷は戦った者にしか残らない

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