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捨てられた王子たち  作者: ふたぎ おっと
第1章 おとぎの国からこんにちは
43/112

閑話.お花見後、リビングにて。

()はキャラクターたちの動作を現しています

ひたすら会話の回です

閑話.お花見後、リビングにて。



アサド「やーれやれ。ようやく第1章が終わったらしいよー」

カリム「おい、何の話をいきなりし出すんだ」

アサド「ん? 『捨てられた王子たち』の話だよ」



 ここは梅乃たちが暮らしている洋館の1階にあるリビングルーム。

 お花見終了後、他のメンバーは早々に部屋に退散していったが、この2人は未だリビングで酒を呷っていた。


 この回はひたすら「捨てられた王子たち」についておとぎメンバーがこれまでのおさらいをしながら雑談する回である。


カリム「にしても、話数的にちゃんとキリの良いところで終わったよな」

アサド「作者は40話までいくとは思ってなかったらしいよ」

カリム「無計画に書いてるからな」

アサド「よし、じゃあ第1章が終わったということで、これまでのおさらいをしようか」

カリム「おう。まず、梅乃が夏海って友達にドバイ旅行の土産兼誕生日プレゼントとしてサファイアの指輪とランプをもらうんだよな」

アサド「そういえばそんな始まり方だったよね」

カリム「もっと言えば、俺は一番最初から登場していたけどな」

アサド「ホントだよね。当初、作者としてはどのおとぎメンバーよりもカリム優先で話を書こうとしてたらしいけど、いつの間にかカリムの出番減っていったよね。やっぱりそういうところも指輪の魔神たる所以ゆえんだよね」

カリム「うるせえ。せっかく俺の登場で始まったのに、第1章の終わりはお前で終わるとかなんか癪だな」

アサド「そこに有名度の違いがあるんだよ」

カリム「…………(むかつくけどごもっともなので何も言えない)。でだ。指輪とランプから俺らが出てきて、梅乃に世話係を頼むことになったわけだな」

アサド「そうそう。ボクたちはここ現代日本と違う異世界、おとぎの国の中央役場の役人で、わざわざ王子たちの引率できたんだよね」

カリム「だよねって、自分のことだろう。まぁ確かにそうだが、もはや俺らが役人って設定が薄れている気がする」

アサド「そうだよね、ボクらの登場の時はめちゃくちゃスポットライト当たってたのに、王子たちが登場してきたことで一気にボクたちのキャラが薄れていったよね」

カリム「いや、キャラ自体は薄れてないと思うが、そういう細かい設定があったなぁって感じだ。まあいい。それで翌日から梅乃は王子たちに会うことになった」

アサド「この王子たちが曲者で、おとぎの国でヒロインと破局にふられちゃった童話の王子たちなんだよね」

カリム「約一人はふられたわけじゃないと言い張るがな。しかし、王子が5人プラス従者一人が出てきたわけだが、少し思うところないか?」

アサド「思うところ? あるよ。とにかくキャラ立ちしきれていないよね」

カリム「そうだよな。王子5人だけならまだ良いんだが、これに俺とアサド、更に鬼塚恭介ってヤツを加えるとキャラかぶりしているような気がするぞ」

アサド「というか、ボクはびみょーにそれを避けられているけど、カリムはびみょーに区別付けられてないよね。テオデリックと鬼塚くんと」

カリム「そうなんだよな。当初、俺は面倒見の良いお兄さん的ポジションで作られてたらしいんだが、同じポジションに鬼塚も入っちまったよ」

アサド「鬼塚くんから嫉妬深さをマイナスしてケダモノさをプラスしたらカリムだよね。ろくでもないね」

カリム「お前に言われたくねー」

アサド「口調もその2人と分けきれてないから、誰がしゃべってんのか分かりづらい」

カリム「全くだ。テオも当初はもっと威厳あるキャラで出すつもりだったらしいが、威厳の欠片もないな」

アサド「ま、ヒモ男だし」

カリム「まぁ、いい。でだ。まぁ梅乃が5人の王子たちに会うわけだが、まず最初に会ったのがテオデリック」

アサド「テオは『白鳥の王子』に出てくる王様なんだけど、お姫さまを信じられなくて処刑しようとしてしまったから、お姫さまの兄たちに『お前に妹はやれん』状態になって王位からも引きずり下ろされちゃったんだよね」

カリム「まぁ詳しくは第1章の12、13話を見よだな。それからあいつは好奇心旺盛なのに説明書を見ない」

アサド「それでアルバイトも決まってないヒモ男。終わってるね」

カリム「次に会ったのが『カエルの王子様』もしくは『カエルの王様』もしくは『鉄のハインリヒ』の王子フリードリヒだ」

アサド「この話はタイトルが色々あるから困るよね。この話では『カエルの王子様』で通してるけど、本当のグリムの方では『カエルの王様』が正しいらしい。ドンマイだね」

カリム「実はカエル姿で一番最初に出てきているのだが、ここでまともに会話が出来たわけだ」

ハインリヒ(以下ハイン)「ここで私の出番というわけですね」

カリム「うおっお前いつの間にいたんだ」

アサド「実はさっきから潜んでいたよ」

カリム「何だよ。早く言えよ」

ハイン「私は実はグリム童話の原話の方でも登場するのですが、フリードが王女様との婚姻を破棄したため、フリードの魔法は中途半端にかかったまま、私の鉄の帯も1本だけ残っているのです」

アサド「これも詳しくは第1章の15話を見よ、だね」

カリム「で、家に帰ればクリスティアンが帰っていたと」

ハイン「クリス殿は『シンデレラ』の王子ですが、王子と思えないほど軟弱なお方です」

アサド「彼こそダメ男代表だよね。ちょっと断っただけですぐ落ち込む」

カリム「あいつはシンデレラと破局してからネガティブになったとかいうが、実はそれで捨てられたんじゃねーの?」

ハイン「そこは疑わしいとこですね」

アサド「その翌日にハンス、カールハインツと登場するわけだね」

ハイン「すみませんが、ここで少し申し上げたいことがあるのですがよろしいですか?」

アサド&カリム「どうぞ」

ハイン「ハンス殿と名前が似ているのは些か不満があります」

アサド「ああ、『名前がややこしい問題』だね」

カリム「実際俺もカールと似ているのが少々不安なんだが」

ハイン「私の場合、ハインリヒという登場人物自体が原話にも出てきているので妥当だと思うのですが、ハンス殿はもともと名前などなかったはずです。どうしてこんなややこしい名前を作者殿は付けたのでしょうか」

アサド「なんか涼しげな名前を付けたかったらしいよ」

カリム「だが付けた本人も後悔したらしい。書きながら名前を間違えかけたことはしょっちゅうだ」

ハイン「救いようがありませんね」

アサド「ちなみに"カール"の名前自体は最初カエルくんに付けようとしたらしいよ」

カリム「は? なんでだよ」

アサド「だってカエルだし。カエルカエルカエル……カールカールカールみたいな」

カリム「なんちゅう……まぁさすがにそこは避けたわけだ」

アサド「で、まぁ5人が揃ったわけだ」

カリム「色々はしょったな」

ハイン「しかし、王子が5人というのは○○レンジャーみたいですね」

カリム「……なんでお前そんなこと知ってるんだよ」

アサド「あ、ホントだよね。じゃあボクらは司令塔の人たちってところかな」

カリム「いや、そもそも女がいないところで○○レンジャーにはならないだろ。誰がピンクやるんだよ」

アサド「うーん。クリスかなぁ?誰よりも女々しいし」

カリム「あー……確かに。すぐいじけるし家庭的だし、オトメンだよな」

ハイン「ここはフリードはいかがでしょう? 口調がネチネチしてますし、身長も他の人たちよりも小さいですし、童顔ですし」

カリム「お前、本当に失礼な側近だよな」

アサド「いや、カエルくんはグリーンだよ。カエルだし」

カリム「安直だな」

ハイン「それは仕方ないですね」

カリム「いいのかよ。にしたってグリーンってあんなツンデレ野郎がなるキャラか?」

ハイン「カリム殿、そんな些末なことをお考えになっていたら、本当に出番もなくなりますよ。私のように」

カリム「…………(もう何も言わないでおく)」

アサド「ブルーはハンスでしょ。カールは黄色っぽいけど、じゃあレッドはテオ?」

ハイン「レッドらしさの欠片もありませんね」

カリム「てかレッドって言うとやたら暑苦しいやつがやるだろう?」

アサド「は!!そもそも『捨てられた王子たち』に暑苦しい男いないじゃん」

ハイン「これでは戦隊ものは出来ませんね。残念です」

カリム「残念なのかよ」

アサド「あ、でも戦隊ものは出来なくても、乙女ゲームにはなるかな?」

ハイン「確かに皆様美青年ですし、無理はないかと」

カリム「さっきのキャラ立ちの話はどうなった」

アサド「それに鬼塚くんがいるから、良い感じで5人プラス1人になるね」

カリム「無視かよっ」

ハイン「…………それはそれでいいのですが、もしかすると乙女ゲームになった場合、私共は攻略対象にはならないのでしょうか」

アサド&カリム&ハイン「……………………」

アサド「というか、ボクとカリムがセットにされてる時点で攻略対象から外れそうだよね」

ハイン「2作目以降に攻略対象になるパターンですかね」

カリム「いや、そもそもキャラ立ちしきれてないし続きが出るわけないだろ」

アサド&ハイン「ううーむ…………」

カリム「まぁこれで今後の課題が出来たわけだ」

アサド「キャラ区別をもっとはっきりだね」

ハイン「それから暑苦しい男性が必要ですね」

アサド「しかし、ここまでもうキャラが出そろってる時点で難しくない?」

カリム「いや、まだ第1章が終わったばかりだ。まだ話はそこまで動いていない」

ハイン「フラグのようなものが色々立っていますしね」

アサド「果たして夏海ちゃんの恋はどうなるか!?」

ハイン「フリードの魔法は本当に解けるのでしょうか?」

アサド「やや出番が低めのテオ・クリス・カールに恋は訪れるのか!?」

ハイン「そもそも私の出番は増えるのでしょうか?」

アサド&ハイン「乞うご期待!」

カリム「いやいや待て待て。最後の方出番の話しかしてねーじゃねーか」

ハイン「私ももっと出番がほしいです。本当に。いや本当に欲しいんです」

カリム「分かった分かった。それ以上言うとキャラ崩壊するぞお前」

ハイン「フリードばっかりずるい~~~~です。所詮はただのカエルなのに」

アサド「本当だよね。ボクらなんか魔神で魔法使えるファンタジー要素なのに魔法がちっとも使えてない状況。カエルの分際で生意気だよね」

ハイン「そんなフリードは今頃梅乃お嬢様のお部屋で梅乃お嬢様といちゃいちゃしていらっしゃいます」

アサド&カリム「………………………」

アサド「(いつもの愉快そうな笑みだが)カエル姿に乗じて実はそんなことしてたんだね」

カリム「あいつも女嫌いとか言って調子乗ってるな」

アサド「よし、殴り込みに行こう」

カリム「野に放そうぜ」

(梅乃の部屋へ向かう二人)

ハイン「……………あら。私は何かよろしくないことでも言いましたでしょうか?まぁ、問題ありませんかね(紅茶をすする)」




 この後、梅乃の部屋で何があったかはご想像にお任せしよう。







まぁ、そういうわけで第2章もお付き合い下さいませ

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