ツンデレ女子 ―「汗とシャツ」
最初はただの気まぐれだった。あなたと一緒にいる時の、ちょっとした優越感。私はあなたに対して冷たく、突き放す態度を取ることで、心の中で何かを満たしていた。だって、どうしても素直になれないから。私の心はまだ、あなたが持っていくには早すぎた。
だからこそ、汗がにじんでシャツがぴったりと肌に張り付くその瞬間、少しだけ恥ずかしさを感じていた。それがどうしてか、私は分からなかった。そんなことを感じてしまう自分に嫌気がさして、無意識にあなたに冷たく接していた。
「ちょっと、何見てるのよ!」
私はあなたにそう言った。あなたがシャツに汗をかいて、肩に張りつくそのシャツが私を誘惑しているような気がしたからだ。でも、本当は気づいてほしい。私が、あなたを意識していることを。
でも、絶対に認めるわけがない。だって、私はあなたに対して素直になりたくなかったから。どうしても自分の心が乱されるのが怖かった。だから、あなたが汗をかいて、シャツが濡れているその姿を見ても、平然としたふりをしているのだ。
でも、汗が肌に染み込んでいく瞬間、あなたがそれを気にして少し恥ずかしそうにしているのを見て、私はその不安げな顔に、わずかに心が揺れた。あなたが他の誰かと話しているときに、私の心は妙にざわざわして、何かを見逃している気がしてならなかった。
「別に、どうでもいいし…」
言いながら、私はあなたから目をそらす。シャツがぴったりと張りついているのが、何かを隠しているような気がして、それが怖かった。あなたが近くにいるだけで、心がドキドキしてしまうから。
でも、どうして私はこんなに心が乱れるんだろう?最初はただの気まぐれだと思っていたのに、あなたの汗とシャツが、私の心をどんどんと引き寄せていく。
その日、あなたが私に話しかけてきた。普通に、何でもないような顔で。
「さっき、シャツ濡れてたけど、大丈夫?」
そう言われた瞬間、私は頭の中が真っ白になった。あなたのその言葉、なんでこんなに心に響くんだろう?普段なら冷たく返してしまうはずなのに、なぜかその時だけ、私は答えを出せずに言葉を失ってしまった。
「なんでそんなこと…気にするのよ!」
冷たく言ってみる。けれど、あなたの目が私をじっと見つめているその瞬間、私の心はもうどうしようもなくなっていた。
シャツに汗が滲む。あなたが汗をかくその瞬間、私はどうしても目が離せなくなっていた。あなたの汗が、シャツにしっとりと張りついて、その姿がどうしてこんなにも私を動揺させるんだろう。
「ほら、もう…わかってるなら、さっさと行ってよ…」
私はぎこちなくそう言うと、素早く背を向けた。でも、振り返ることなく立ち去ろうとした瞬間、あなたが私の肩に手を置いてきた。
その瞬間、私の心臓は止まりそうになった。手のひらが私の肩に触れるだけで、汗が背中を流れ、シャツに染み込んでいく。あたたかくて、少し湿ったその感覚が、私をさらに混乱させる。
「本当に、どうして…」
私は小さな声で呟く。あなたの手がそのまま肩に置かれていることが、なんだかとても不安に感じる。でも、それと同時に、あなたが私に関心を持ってくれることが、少しだけ嬉しくて、心が温かくなる。
そして、次第に私の態度は少しずつ変わり始めた。冷たく突き放すことができなくなってきた自分に気づく。汗がシャツにしっとりと染み込み、あなたが少し照れているような表情を見て、私の心がどんどんと解けていくのを感じた。
「ねぇ、なんでそんなに素直にならないの?」
あなたの声が私の耳に届く。まるで心の中を見透かされたみたいな気がして、私はさらに顔を赤くした。照れくさくて、何も言えなくなる。
その時、私はようやく自分の本当の気持ちに気づいた。最初は冷たく接していたけれど、実はあなたを気にしている。それが怖くて、私は必死に心を閉じ込めていたのだ。
でも、あなたが笑顔で手を差し伸べてきたその瞬間、私はその手を無意識に取っていた。そして、シャツに染み込んだ汗のにおいが、私の中で何かを変えていくのを感じていた。
「もう、あなたには隠せないわ」
私はようやく、心からの言葉をあなたに投げかける。冷たく突き放すことなく、あなたを受け入れる準備が整ったような気がした。
その瞬間、あなたが私に少しだけ微笑んだ。それが、私のすべてを変えるきっかけだった。




