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2-2頭だけの犬②

さて、母方の祖父を探していると、いらぬ情報を得ました。頭だけの犬が暴れているという噂です。少年は聞き流そうとしました。

 情報をくれた幽霊は続けます。

その頭だけの犬は迷惑をかけているのです。幽霊たちが襲われるだけではなく、現実の田畑も荒らしているようです。このままいくと人に影響を与えるのも時間の問題だろう、という情報です。

それは、昔に猟師に首を切られた犬だったようです。それは幽霊の推測であり、この地域の幽霊で噂になっている共通認識です。あくまで噂だから真実かは不明です。しかし、火のないところには煙は立たないといいますので、何かしらつながりがあるのでしょう。

 その推測が流れる理由として、そのことがよくあることだからです。猟師が犬の首を切ることです。昔では珍しくないようです。

 この地域でも少し前までは犬を食用として利用していました。今みたいにペットとして家族扱いする方が歴史的に珍しいのです。一昔なら少年もペットのマルチーズを首を切って食べていたかもしれません。

 牛肉と言って犬の肉が売られていたと揶揄されている昔話を年配の方々が花咲かせていたものだ。それくらい昔は食用犬は普通のことでした。だから、食用で猟師が犬を殺すのは昔では普通なのです。

 ということで、頭だけの犬は猟師に首を切られた犬で推測されるのです。それは当時の感覚ではそこまで不思議ではありません。

 少年はそういうこともあるのかと頭では理解しました。マルは言葉がわからないので理解できませんでした。

その怨念で暴れているらしい、と。頭だけの犬が暴れているのは恨みだと推測されるのです。よくある話のようです。

 幽霊いわく、どうにか退治してくれという訳ではないようです。少年のような子供に頼むほど無理は言わないようです。大人な対応でした。

 少年は無理しないことにしました。退治しないことにしました。当然です、母方の祖父を見つけること以外は目的ではないのです。

 たとえ、今目の前に現れた頭だけの犬が幽霊を噛み殺そうが関係ありません。少年は逃げました。睨みながら後ずさりして逃げて行きます。

 少年はその化物に気づかないふりをしました。気づいたら最期、殺される恐れがありました。霊は見えても対抗する手段は持ち合わせていないのです。

 さてどうしたことか。逃げ切れるものか? そう命の心配をしました。

 しかし、それは杞憂でした。頭だけの犬はマルとじゃれていました。少年とよりも嬉しそうにしっぽを振って飛び跳ねるマルでした。

 少年は少し嫉妬しました。可愛がっている時分よりもその初対面の犬をとったことに対してです。しかし冷静に考えたら幽霊の犬という共通点があるのだから当然でしょう。

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