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2-1頭だけの犬

・2:頭だけの犬


 あるとき、吉見ではなく岡田を散策していました。そもそも、吉見よりも岡田の方が多く調べていました。理由は、少年が岡田の人間だからです。

 隣町の吉見は近いといっても、やはり一街向こうは大変です。ましてや幼い少年には尚更です。それに、遠出は親に迷惑をかけます。

 そもそも、吉見を探しても見つかるわけではありません。吉見の人間は吉見にいる? そんな安直なことが通れば、墓で出会えたはずです。

 墓で出会えない限り、吉見で探す意味は薄いのです。だから岡田で探しても見当違いではないのです。

 ただ、母方の祖父が住んでいた場所を探したほうがいいとは思いました。しかし、知りません。場所を母親に聞くのも気が進みませんでした。

 母方の祖父に興味を持っていることは母親に悟られたくなかったのです。理由は、なんとなく、でした。恥ずかしかったのかもしれませんし、驚かせたかったのかもしれません。

 そこはおいおいどうにかすることにしました。徒労よりも嫌なことだったのでしょう。価値判断は人によって違うのです。さっさと訊けという人もいるかもしれませんが、少年はそれではなかったのです。

 徒労覚悟で岡田の街を探索するのです。田畑の間を三輪車で進むのです。マルは忠実についてくるのです。

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