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1-4始めに④

手始めに父方の霊園に行ったのですが、肩透かしでした。期待も薄かったのですが、心のどこかで期待に胸をふくらませていたのです。少年は勝手に落胆して、家族から心配されました。

 少年は霊が見えることを家族には言いませんでした。理由は、喋りたくないからです。どうして喋りたくないかと言われたら、特に理由なく、そういう気質だからです。

 簡単に霊が見える少年です。だから、母方の祖父に出会うのは簡単だと思いました。しかし、雲行きが怪しくなりました。

 黒い雲が太陽を遮断し始めた河川敷でゴミを漁る少年は目的を思い出しました。少年は母方の祖父を探していたのです。ゴミ漁りに夢中で忘れていました。

 ゴミから離れて河川敷の敷居を上り、道端に止めていた三輪車に腰を下ろす。カラカラ鳴る車輪の音に追い越されながら力強くペダルを漕ぐ。岡田から吉見へと繋がる橋を渡るのです。

 母方の祖父が眠っていると一般的に言われている霊園はその樫井川の吉見側にあります。といっても、この地域の管轄は少しややこしいのです。樫井川を挟んで岡田と吉見とがきれいに真っ二つに分かれているわけではないのです。

 岡田から橋を渡って少しのエリアが岡田のままなのです。川を背に逃げ損なった兵士のようにポツンとあるのです。その部分は住宅街へと都市開発が進み、子供たちは通学に橋を渡るのです。

 地元に深くからいる人たちはそれをかわいそうに思います。なぜなら、泉南市岡田よりも田尻町吉見のほうが良いからです。何がいいかというと、立地の便利さや住民気質のよさです。吉見のほうが近くにいろいろ施設があって便利であり、住人も優しくて丁寧な傾向にあります。

 そういう偏見を自慢げに語る岡田の住人たちは岸和田の人からもガラが悪いと悪態をつれます。それは漁港の街だからなのか、中途半端に都市化した田舎だからなのか、何なのか? 一首の謎ではあります。

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