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1-3始めに③

母方の祖父が亡くなったのです。それは一年前のことでした。少年はピンと来ませんでしたが、母親は気落ちしていました。

少年は母方の祖父に会ったことがありません。それは家庭の事情です。縁を切っているから会えなかったのです。

少年と会わせたことがない母方の祖父のことを少年はなんとも思いませんでした。しかし、会わせなかったことが母の後悔らしいです。時々母親から後悔の念を聞かされた少年でした。

だから少年は母親の後悔を晴らそうとしたのです。晴らす? どうやって? 死んだ人と会うとは?

母方の祖父の墓に行くことではないのです。それは何度もしました。しかし、それでは母の後悔は晴らせないのです。――あと、晴らすのは後悔ではなく無念です。

少年は霊が見えるのです。だからわかるのです。吉見にある母方の祖父の墓には彼がいないのです。ほかの墓ではその墓の人が居るかもしれないが、今回は違ったのです。

岡田にある父方の墓でもまちまちだったのです。そのご先祖様がいる墓といない墓の割合は半々でした。だから、50%の賭け事に負けたようなものです。

吉見にある霊園で探しても意味がなかったのです。一度や二度探したが見つからなかったのです。そんな少年を家族は、何も話さずボーとしている心配していたのです。

少年は霊園と袂を分けた気持ちでした。ここで頑張っても意味がないと思ったのです。この霊園の外に探しに行かないと意味がないと決心したのです。


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