1-2始めに②
幼稚園はバスで送迎することになっています。理由は、近くの幼稚園が廃園になったからである。遠く一丘にある幼稚園に行くことになります。
中学校の横にある幼稚園が廃園になったのです。プールの横の幼稚園が廃園になったのです。1学年20人ほどしかいない小さな幼稚園が廃園になったのです。
その場所なら少年に家から10分位の距離です。子供の遅さを考慮しても20分くらいの近場です。そこが廃園になったのです。
代わりのバス乗り場は少年の家から5分もかかりません。そういう点では便利ですが、バスの移動時間などを考慮すると不便です。
そんな来年度のことを宙に投げ飛ばして、少年は1人外にあそびにいくことがあります。まだ幼くて危ないのです。
本当は親御さんがついて行く方がいいのですが、なかなかどうも難しいものです。忙しいのです。目が行き届かないことがあるのです。
三輪車に跨り樫井川にたどり着きます。その河川敷にはこういう場所の宿命としてゴミが放棄されていました。少年には理解できない廃棄物が多々あります。
混在したなかに宝玉が混じることがあります。少年にとっては、アルミの紙くずなどのゴミが宝でした。仮にエルメスのバッグがあったとしても気づかないでしょう。
雑誌も散在していました。中にはエロ本が開かれていましたが、少年には理解できませんでした。おませでなかったのです。せめて幼稚園児になれば理解できたかもしれません。
雑誌の中に難しそうな本も落ちていました。『やし酒飲み』が落ちていた本のタイトルだったのです。でも、それも少年には理解できませんでした。
理解できなくてもいいゴミが多量に落ちているなか、少年は漁っていました。何かを探していました。少年が探しているものは……
縁を切った母方の祖父? 犬? 祖父に怒られない場所?




