3-1行き来する火の玉①
・3:行き来する火の玉
少年は母方の祖父を探します。それが少年の最近の行動原理です。のんべぇが酒を求めるようなものです。
こんなことがありました。母親が占い師さんに占ってもらったようです。そして、母方の祖父が少年のことを応援しているというのです。
占い師さんが泣きながらそう語ったことを、母親が半泣きになって教えてくれたのです。少年は反応に困りました。いろいろな意味が困りました。
1つ。占い師のところに母方の祖父がいれば、連れて行ってもらったら万事解決でした。だから、タイミングが悪かったのです。そこに連れて行ってと頼めば目的達成です。
しかし、それが事実とは到底思えませんでした。幼い子供は残酷なのです。占い師は嘘をついていると決め付けるのです。
その根拠は、何かの番組で占いを信じないやりとりがあったことです。本物の占い師もいるけど、パチモノもいるという内容の番組は世に氾濫しているのです。それの1つや2つが少年のもとに流れ着いたのです。
仮に本当だとしても、少年は自分から連れて行って欲しいとは言いません。そういう正確ではないのです。千載一遇のチャンスを逃すタイプです。
困ったことの2つ目。母が泣くことです。母親の泣くところなんか見たくないのです。
だから、少年は母方の祖父探しをやめようかとも思いました。見つけてしまえば母親が泣いてしまうかもしれないと思ったのです。
でも、続けようとは思います。どうなろうが、母親の願いなのです。乗りかかった船なのです。




