2-5頭だけの犬⑤
一緒に探し人を探すことになりました。そのことに気づかず、どうして一緒にいるんだと少年は困惑します。逃げたい気持ちを押し殺して三輪車を押します。
田園風景の中を1人がポツリと進みます。幽霊が見えると、賑やかな雑踏でした。少年は困惑します。
幽霊が見えることで幽霊が見えない人との差が生まれるのです。雑然としたところが整然としているのが普通の人の世界なのです。見え過ぎは困惑の元。
ただでさえそういう困惑があるのに、なぜか頭だけの犬と同行しなければならないことが困惑を加速させます。少年は震える体を抑えて呼吸を整えます。それでも三輪車に連動して揺れます。
それは頭だけの犬も同様でした。どうして?why?なぜ? そういう言葉が犬の言葉で堂々巡りしています。
首をかしげること宙で転がるごとしです。自分は主人の言いつけを守って、またはその子孫に会いたいだけなのです。それなのに、どうして見ず知らずの人間と犬と同行する必要があるのでしょうか?
それは犬に誘われたからです。軽い気持ちで同意したからです。同意のあとに人間のことを気づいたのです。
ここで約束を反故にするのも対面が悪いのでついていきます。でも、気まずいです。一匹狼だったのでなおさらです。
気にしていないのは犬です。少年と頭だけの犬が仲良くなればいいかなと思っているくらいです。楽観的でした。




