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第3話 路地裏の遭遇:豹柄の男と警察の介入

野次馬をかき分け、犬飼は妹の由佳とファクタルを連れて、人気のない裏路地へと逃げ込んだ。まるで迷路のように入り組んだ道を数分間走り続ける。ようやく歩道に出て左右を確認すると、追っ手がいないことがわかった。犬飼は安堵のため息をつき、ファクタルと由佳を呼んだ。


「いいぞ。誰もいない」


二人が歩道に出てくると、犬飼は「危なかったな」と呑気に言った。しかし、ファクタルの表情は依然として険しい。


「いや、まだ奴らはいる」


どこに隠れていたのか、ぞろぞろと異星人たちが姿を現した。その先頭に立つのは、ヒョウ柄のスーツに身を包み、金髪の頭、鼻と耳にはピアスをした長身の異星人の男。ガニ股で近づいてくるその男は、顔に似合わない丁寧な口調で尋ねた。


「すみませんが、その女性を渡してくれますか?」


一瞬たじろいだ犬飼だったが、すぐに軽く拳を握り、男を睨みつける。


「それは出来ない話だなぁ」


犬飼は背後に立つファクタルと由佳を一瞥すると、言葉を続けた。


「あぁ、そうだなぁ。お前らが何を企んでるかは知らないが、俺の仲間を傷つけるつもりなら容赦はしない」


咥えていたタバコを地面に落とし、革靴で火を消す。男は明らかに苛ついた表情で「お前ら、少し遊んでやれ」と部下に命じた。


後ろにいたヒョウ柄スーツの部下たちが戦闘態勢に入る。一触即発の雰囲気が張り詰めたその時、けたたましいサイレンが鳴り響いた。誰かが騒ぎを見て警察に通報したのだろうか。建物にいた住人たちも、何事かと外に出てくる。


男は舌打ちをすると、「命拾いしたな、お前ら行くぞ」と吐き捨て、すぐにその場を去っていった。ヒョウ柄スーツの男と部下たちが姿を消してから数分後、一台のパトカーが目の前に止まった。


「騒ぎを起こしたのは貴方たちですか?ちょっと警察までいいですか?」


犬飼たちは抵抗することもなく、三人はパトカーに乗せられ、警察署へと連行されていった。

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