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【徒然妖怪譚】私とトウフの奇妙な共同生活  作者: 只野誠
【第二章】私と傘と美脚でハイヒール

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【第二章】私と傘と美脚でハイヒール【十五話】

 トウフが悪戦苦闘して、唐傘にストッキングを履かそうとしているのを満足そうに見つつ、私は唐傘に問う。

「なあ、唐傘。お前のことは何て呼べば良いんだ?」

 勝手に唐傘って呼んでたけど、良いのかな?

 いや、でも、トウフの話では妖怪に名前とかはないって話だったよな。

「好きに呼んでおくんなんし」

 やっぱそうなんか。

「じゃあ、豆腐小僧がトウフだし、唐傘お化けの名前はカラカサな」

 私がそう言うと、

「あい、それでかまいんせん」

 カラカサはまんざらでもない顔をする。

 やっぱり名前を貰うと嬉しいもんなんかね。


「けどあれだな。傘と足の付け根部分、なんか、こう、えぐいというか、やっぱり不気味というか。無機物と有機物ってやっぱり違うんだなって感じるぞ」

 ストッキングを履くためカラカサは傘の部分をおっぴろげているんだけど、やっぱり不気味だ。

 傘の部分自体、時代劇に出てくるような、紙製なのか? この傘は?

 まあ、そんな無機物な物の中心から、有機物、人間の足が急に生えてきている。

 特に付け根部分は私からすると不気味で仕方がない。

 今は怖いもの見たさでまじまじと見ているが、普段から見たいものじゃない。

「恥ずかしいので、そんなにじっと見つめねえでおくんなんし」

 頬を染めるようにカラカサの傘の部分を赤く染めている。

 んー、頬を赤く染めるのは、真っ赤な血が流れているからだよな。

 カラカサに血が流れているのか? 足の部分ならわからなくもないか、傘の部分だぞ?

 まあ、相手は妖怪だし深く考えるだけ無意味なんだろうけども。


「こ、これでどうですか?」

 私がどうでもいいことを考えている間に、トウフはなんとかカラカサにストッキングを履かせることに成功した。

 だが、まだまだ。トウフ。

 ストッキングがいたるところでしわになってしまっている。

「ここ、しわになってる。こことここも」

 そう言って、指をさして指摘する。

「すいません、直します」

 そう言ってトウフはカラカサの足を撫でてしわを取っていく。

 見方によってはトウフが痴漢でもしてるかのようにも見えなくはない。

 まあ、そんなことは置いておいて、後でガーターベルトでストッキングが落ちないようにしないとダメそうだな。

 サイズが若干あってない。

 コイツ、私より足が細いのか……

 なんか、なんか負けた気分だ。


 だからだろうか、私はトウフをからかう。

「トウフ、どうだ、そんな艶めかしい足にストッキングを履かせてさぁ、なんか感じたりしない?」

 と、これじゃあただのセクハラだよな。

 けど、トウフは、

「え? うーん、この靴下なんですか? なんでこんな薄いんですか? 履く意味ないんじゃないですか?」

 という感じで全く何も感じてはいないらしい。

 トウフは綺麗な足に興味なしか。

 ふむ…… ふむ?

 逆に筋肉もりもりだったり、すね毛が生えている方がトウフ的にはありだったりするか? ふむ……

 一考の余地ありだな。


 とりあえず、私が勝った感を出しつつ、トウフに今度は黒いハイヒールを渡す。

 社会人になったから、と買ったハイヒールだが、私が社会人になった後はブラックな仕事一直線で、ほとんど履く機会もなかったんだよな。

 元々私は背が高い方だしな。

「あー、トウフにはまだ早いかー じゃあ、次はこのハイヒールを履かせて。私はもう履かないだろうから、多少無理矢理に履かせてもいいからさ」

 しっかし、カラカサの足はラインが見事だ。

 何だこの綺麗な脚のラインは。

 凄い脚線美だな。

 ストッキングを履かしたことで美しさがさらに際立つな。


 まあ、そんなことより。

 今は、トウフが他人にハイヒールを履かすというシーンを堪能しようじゃないか。

 うん、悪くない、悪くないぞ。

 こんな姿形だけは幼い美少年が、足だけとはいえ艶めかしい足にハイヒールを履かす姿……

 これはいいものだ。


 写真を撮っておこっと。


「こ、これで履けてますか?」

 なんとかカラカサにハイヒールを履かせたが、かかとがつぶれてしまっている。

 まあ、もう私は履く気ないから良いけどな。

「かかとを踏ませない!」

 でも、一応、注意してはおく。

「す、すいません! こう…… で、どうですか?」

 言われたトウフはハイヒールの潰れたかかとを何とか直して見せる。

 けど、既にしわが着いてしまっている。

 靴ベラも渡しておくべきだったか。

 トウフと言う純粋無垢な少年がハイヒールを履かす姿に目を奪われすぎていたよ。

「うん、良いな。待ってろ、パンストが落ちないようにガーターベルトも探してくるから」

 そう言って、私はもうどこにしまい込んだかも覚えてないガーターを探して来る。


 何とか探し出したガーターベルトを唐傘の骨組みの部分に括りつける。

 んでもって完成したカラカサを脱衣所の鏡の前に立たせる。

 そうすると、カラカサは傘をパタパタと開閉させながら、目を輝かせる。


 気に入ってくれたようだな。

 まあ、ぶっちゃけ私より似合ってるしな。

 なんだ、あの脚線美。人間物じゃないぞ。まあ、確かに人間ではないか。







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