懐かしい光景
人を殺し、魂を狩るそんな狂っている光景をたまに見ていた。
悲しく、愚かで、残酷で、嘆き、泣く、そんなの僕には理解が出来ずに言葉を失うことしか出来ない。
ただの人間の僕には余りにも重すぎた。
何故か懐かしい様な気がして、昔にそんな光景を見ていて、少し変な感じがした。
「変な夢だったなぁー」まったく見た事のない夢であった振りをする。
「はぁ…この夢は何回見ているんだろう。夢の記憶があるぐらいから何回も何回も見ていた様な…」ふと我に返っても覚えてない振りをする。
有名な占い師などに聞いてもこれは例が無くてわかんないですねぇと言われるだけだ。
占い師なんで大した事が無いのかもしれない。
もしかしたら幽霊とかかも、と思ったが後ろに幽霊が取り付いている訳でも無いらしい。
家族や友達に相談しても、またその話か…と飽きられるのでもう人に話す事はやめた。
「君には大きな運命に抗って貰う事になったわ。」と可愛らしい女の子の透き通った声がする。
「高校生活に疲れてなんか聞こえてるなぁー」とわざとらしく言ってみた。僕はこの夢を見た後だいたいこの透き通った声が聞こえる。
因みにこの話も勿論したがそもそも信じていなかった。だからと言って高校生になってまで親と寝るのは嫌だ。
中学生まで親と一緒に寝ていたのは、このよく分からない夢や声のせいでこんなのがなかったら勿論小学生までしか一緒に寝ていない。
いつもは聞き取れるか聞き取れないか程度なのに今回ははっきりと声が聞こえていた。
(パソコンの電源を切り椅子の向きを後ろに帰ると誰も居る訳がなく無くて…)
いたら面白くて、でもいる訳が無いのに、期待を込めて振り向いてみる。
そんな事をずっと思っていたけど今回は違ったらしい。
「居る!。ものすごい可愛い少女が」身長はとても小さくて髪は銀髪で腰まである。
今までの悩みが解消されたと思って思わず声に出して喜んでいた。
「ふふん、分かってるじゃない!」嬉しそうに言っている。
僕は目を擦ってもう一度じっくりと見てみる。
僕の近くに立って少女もこちらをじっと見ている。
簡単に説明すると産まれたての赤ちゃんぐらい可愛いかった。
そもそも僕は大丈夫なのか?
友達にクローゼットの中とか誰か居そうじゃね?と幼稚園の時言われて12月30日にしかクローゼットを開けなかった。
因みにただの物置とかに使ってたので、別にクローゼットがあるから開ける必要がそもそもなかった。
だんだん怖くなってきて、とりあえず圧をかけたかったから挑発をする事にした。
「不審者ですか?通報しますね。」と言ってすぐに僕は携帯を取り出したが、その時に僕の携帯が急に消えた。
「そんなにこれが欲しいの〜?」不気味な笑みを浮かべながら、何故か僕の携帯を持っていた。
「とりあえず返してくれ!」(やばい、さっきエッチなサイト見ていたのに…)
「あっ…ごめんね。」少女はまるで分かって居るかのように携帯の画面を切った。
「何でもするからとりあえず返してくれ!」と僕はやけくそ気味に叫んでいた。
「どうしようかな〜?じゃあさ何でも言う事聞く?」とニヤニヤしながら少女は言ってきた。
(きっともうバレてしまっている。でもとりあえずこの少女以外にはバレたくない。)
「わかったよ、何でも言う事聞くから本当に誰にも言うなよ?」
「うん!それでいい、それでいい、今まで頑張って来た意味があったよ〜」
少女はとても嬉しそうに背伸びをしていた。
僕これからどうなっちゃうのかな。何かあったらとりあえず大声で叫んで助けを求めよう。
残酷な運命に立ち向かう事になるのをこの時の―飛良羅 ひいら藍斗あいとは何も知らなかったのだ。
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