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玩具寵愛  作者: 海華
9/11

9

何もかもが面倒臭い。


窓の外を見ると、夢みたいな不思議な未来の世界が広がっていた。


本当に私、なんで生きているんだろう。


そんなことを思っていると予想以上に…いやある意味予想通りご主人様が部屋に戻ってきた。その表情は明らかに不機嫌だ。



ちらっとその様子を見てすぐにまた窓の外を見る。


『どういうつもりだい真珠。私がシャインと仲良くなっても良いのかい』


もちろん、構わない。仕方ないのでまたご主人様の方を向いて頷くと彼はギリっと歯を噛み締めた。


『真珠、君は私の奴隷だ。私からの愛が無くなれば酷い生活になるかもしれないんだよ、それでもいいのかい』


何を言っているんだ。

日本が無いこの世界は既に私にとってはなんの価値もない地獄のような世界だ。

ふっと笑ってもう一度頷くと、怒りを顕にしたご主人様がカツカツと足音を立てて近寄ってきて私の手を取った。


握られた腕が痛い。とても強い力で握りしめられている。


『そんなにお望みならそうしてあげるよ。真珠、ニホン人の血を引く奴隷と交配して子供を産め。何人も何人も!死ぬまで産み続けろ!』


『きゃっ』


ギラギラと燃える瞳で私を睨めつけてそう言うとご主人様は部屋を出ようとしてーーーー扉を開けて勝手に中に入ろうとしたシャインにぶつかった。


『ご、ご主人様?真珠様、ご主人様を怒らせちゃったの?』


『気安く真珠の名を呼ぶな。お前はもういらない廃棄だ。スチュワート、こいつをオークションに売ってこい』


『ご主人様!?な、なんで!いや、嫌です!ご主人様!?』



悲鳴をあげるシャインが誰かに引きづられて行って。

ご主人様は最後にこちらを見て泣きそうな顔をすると部屋から出ていった。


そうか、日本人の血を引く奴隷か。


ご主人様の気持ちも考えず、私はまだ見ぬ彼に会えるのが楽しみに感じた。





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