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真珠の姫君~海に捧げる子守歌~  作者: とも
第一章 緩やかな時
1/36

プロローグ

***********************


彼女の身体は力を失い、ゆっくりと沈んでゆく。

青く暗い海の底へと。

今はただびととなったその少女は、それでもうっすら()を開けた。

天井に光が見えるが、そこにもう、自分の手は届きそうもない。

ーーそれでも。

力を振り絞って、指先をその光へと向けた。


沈んでゆく。どこまでも。

ーーそれでも、いいの。

薄れゆく意識の中、彼女は平和だった頃に思いを馳せていった……。



***********************

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