チーム結成
「…なんでアカリさんがここに?」
「実は私達のチームに入ってくれる人が誰も居なくて…教室に戻ったらまだどのチームにも入ってない人がいるかもと思って来てみたの」
弱々しい口調で事の顛末を語るアカリさんの後ろには、あの三人組が俯向いたまま突っ立っていた。
(確かこいつらアカリさんの友達だったよな…)
僕はそう考えながら彼女達に視線を合わせる。
…が、彼女達は俯向いた顔を上げようとはしなかった。
もしかして、あの時の出来事をまだ引きずっているのだろうか?
あの時確かに「気にしなくて良い」と言った筈なんだが…
…気にしていても仕方がない、取り敢えずスルーしておこう。
「…偶然だな。僕等のチームも空きがあって困ってるんだ」
「本当!?」
アカリさんは前屈みになり、両手でガッツポーズをしながら僕の顔に自分の顔を近づけて来た。
…前屈みになっているせいか、彼女は上目遣いになっている。
それと眼がキラキラと輝いているのも合わせたら破壊力は相当なものだ。
「あ、あぁ…」
こんな一種の破壊光線なるものを浴びせられ続けると、例え冷静さを装っていたとしても簡単に砕かれてしまう…早く辞めさせないとこっちの身が持たない!
「じゃあ私達もハルト君の仲間に入れて貰っても良いかな?」
「えっと…まぁ、丁度四人足りないし、良いとは思うけど…確認したいからちょっと待ってくれ」
僕は咄嗟に背後を向き、アカリさんから放たれる破壊光線を防いだ。
そして、大きく深呼吸をする。
…冷静さを取り戻した所で、口を開く。
「彼女達も僕達の仲間に入れたいと思うのですが、反対の人はいますか?」
…うん、上出来だ。
辺りを見回してみるが、特に異論を唱える者は居なさそうだ。
僕はアカリさんの方を向き、「入っても良い」と言おうとした…その時。
「…ちょっと待て」
威圧感のある低い声が、真後ろから聞こえた。
僕は背後を向き直し、声のした方をじっと見つめた。
「何ですか?…小島さん」
「別にそいつらを仲間にするのは良いけどよ、一つ条件がある」
「…その条件とは?」
「その「敬語」っぽい話方するのを辞めろ」
「…良いんですか?」
「あぁ。歳下やら先生やらにその話方をされるのは苦じゃないが、同い年で尚且つこれから一緒に戦う奴にそんな話方されるのは耳障りなんだよ」
「…本当に、構わないんですね?」
「だから良いっつってんだろ、何度も確認するんじゃねぇよ」
「……分かった」
僕は小島の意見を呑み、普通に接する事にした。
奴がそう望むのなら、そうした方が良いのだろう。
小島はフンッと鼻を鳴らすと、「好きにしろ」と言わんばかりに僕から目を逸らし、窓の外を眺め始めた。
…全員に賛成して貰った所で、改めてアカリさんに仲間になっても良いと伝える事にした。




