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唯一無二の異能者  作者: 陽炎
中学校編
38/57

知識は時に仇となる

…1500点。


その言葉にも驚きを隠せないが、一番驚いたのは小野寺さんの質問内容だ。


何故配点があると分かったのだろうか。


学校行事だから?


戦闘をするから?


ーーー残念な事に、僕には理解する事が出来なかった。


「…盛り上がっている所悪いんだが、チーム戦はそう簡単に一位を勝ち取れるほど簡単なものじゃないぞ。しかも逆に順位が悪ければマイナス点を貰う事にもなるしな」


雷先生の言葉に周囲はさっきまでの熱狂とは一変し、しんと静まり返った。


…そりゃそうだ。


まだ顔しか知らない人間を適当に掻き集めてチーム戦をするというのは、非常に難易度が高い。


つまり、勝つ確率より負ける確率の方が大きいという事である。


そんな戦いにノーリスクハイリターンで挑む事が出来れば、さっきのような騒めきが起きるのも当然。


…しかし、やはりそう上手い話などある訳が無いのだ。


「さて、今日はチーム編成と作戦会議に時間を充てるよう言われているから、後は好きにしてくれ」


雷先生はそう言い残し、教室から出て行った。


…と同時に始まる「仲間探し」。


どうやらここのクラスの連中はとにかくチームを組めば良いと思っているらしい。


その証拠に、どこを見ても仲良しこよしをやっている奴等しかいない。


お前らは修学旅行のメンバー決めでもしてんのかってぐらいの緊張感の無さだ。


これでは仲間に入り辛いのは勿論、入賞なんて夢のまた夢だろう。


かと言ってガチのパーティを探そうとしても、仲良しグループが2〜3人で固まっている所為で探しにくいし…どうすれば良いのだろうか。


そんな悩みを抱えている奴に言いたい。


安心してくれ…こんな時に役に立つ言葉がある。




それは、「残り物には福がある」という言葉だ。




仲良しグループが多くて仲間に入り辛い?


ガチでトップを狙っているパーティがなかなか見つからない?


ーーーそんな下らない悩み事は、「待つ」だけで万事解決だ。


仲良しグループの輩は恐らく大半が上位に入るのを諦めた「敗者」…優しい言葉に言い換えるとエンジョイ勢だ。


そんなエンジョイ勢を、果たしてガチ勢の皆さんは歓迎するだろうか?


…答えは「否」だ。


ガチでやるのにお気楽な輩が仲間にいると邪魔で仕方がない。


逆に適当にやってる奴等の中にガチな奴が仲間に入ってくると、場の雰囲気が悪くなる。おまけに話辛い。


つまり、互いが互いを反発し合っているのだ。


それ故に、ガチ勢とエンジョイ勢が協定を結ぶ事はほぼ有り得ない。


だからこそ「待つ」。


「待ち続ける」ーーー!


ーーーーーーーーーー


さて、ほぼ全員が8人グループを決めてしまった。


決まった奴等は、作戦を立てる為に教室から出る。


という事は、最後までこの教室に残った奴等が僕と仲間になる者という事になる。


ーーー次々と教室から姿を消すクラスメート達。


そして、遂に最後のグループが教室内から姿を消した…!


僕はゆっくりと辺りを見回して、今残っている人を確認した。


「……嘘、だろ?」


そう言いたくなるのも当然だ。


何故なら、その場に残っていたのは僕を含めてたったの4人しか居なかったからだ。




ーーーあぁ、誰だよ。「残り物には福がある」なんて言った奴は。

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