謎の言葉~~~トラックゴーレム~~~
「うああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
たまらず俺は首を絞めているつるを噛みついた
歯が欠ける感覚を感じながらも、ほんの一部だけ引きちぎった
すると、たちまり締め付ける力が弱くなったのか左腕ともう一度かみつくことにいって引きちぎることができた
「てめえ、マナカ!!」
「うそ! 意識が!!」
「下がれ!! マナ!!」
魔物はつるを自在に操り、マナカにまとわせて俺から距離をおかせた
だが、今の俺は思うがままに地面を蹴り飛ばし、飛翔した
離れていた距離は目と鼻の先まで近づき、俺はこぶしを握り締める
「ブロック!!」
青白い壁が俺の目の前に現れた―――それはマナカが得意としている魔法だ
衝突した分跳ね返す魔法のため、鉄壁と言われていた
そんなことは気にせずに俺は殴りつけた
ドンッ!!という音とともに激痛が走る
「マナ! 伏せてろ!!」
後ろからの声が聞こえ、さらに俺につるが襲い掛かる
さっきまで見えていなかったつるの動きが俺にははっきりと見え、軽々と避ける
「転身したか? いや、暴走してるだけだな」
魔物の小言もしっかりと聞こえる
その言葉を聞いた俺の体が勝手に動く
脱力し、目は虚空を見つめ、さっきまでの怒りが沈み、つぶやく
「転身 トラックゴーレム」
意味はわからない。誰かに教えられたわけでもない
ましてや聞いたことのない呪文を俺は言った
地面から土が盛り上がり、俺を包み込む
その間、わずか1秒にも満たないだろう速度で俺の目には別のものが見える
ぐつぐつと煮えたぎるマグマの中で、何かが立っていた
その正体はわからずとも、目を奪われて―――気が付けば、俺は土の鎧を身にまとい体が完治していた