再開
広場から黒い煙が上がっているのを見た私たちは広場から図書館の道を逆走する。広場まで1分程だが、その僅かな間でさらに爆発音が連続して2発…… そして私たちが近付くにつれて、人々の惑い、混乱、絶望のを乗せた空気が濃くなっていく。
私たちが広場についたとき、そこには予想通りの光景が広がっていた。噴水は壊れて、辺り一面水びたしになっており、水面から僅かに顔を覗かすのは、瓦礫の山である。
「なんだよ、これ」
「ひどい………」
「誰がこんなことを!!??」
「とりあえず、生きてる人を助けるわよ。」
「だな。」
私達は瓦礫に埋まって出てこれない人などを捜して、救助しようと思ったが、不思議と誰もいなかった。ただ、兵士が駆け回っているだけだった。
「おかしいね。」
「兵士以外に誰もいねぇもんな。」
「「いたぞ!!」」
「情報通りだ。黒いマントに」
「黒い帽子」
「逃がすな!!」
「犯人が見つかったみたいだな。」
「私達も行きましょう。」
私達は、兵士の跡を走ってついていった。そこには……
「ラウ!!」
「ん?誰だ?」
「へっ? 雨音の知り合い?」
「昨日の女か。」
「昨日ってお前、雨音に変な事してないだろうな!!!」
「煩い奴だ。少し黙っていろ。」
「へっお前こそ黒いマントなんか変な格好しやがって、お前が黙」
「眠れ、ウルタムベータ」
ラウはルシッドに手を向けて、言葉を発した。それだけで、ルシッドは目を閉じ、地面に崩れた。私は慌ててかけよると、
「ルシッド!!大丈夫!?」
「眠ってもらっているだけだ。命に別状はないから心配するな。」
「ラウ、貴方はなんなの?」
「ふむ、その質問に答えるには見物人が多過ぎる。ウルタムベータ。」
周りの兵士が次々倒れてゆく。
「これでよい。さて、先程の質問だが、知りたいか?」
「知りたい。」
「いいだろう。」