刀
約三か月ぶりの更新です。
遅れて申し訳ない。
「これからどうなると思う?」
「さぁ?」
柚子島とそんな会話をしている。
ちなみに場所はお城の応接室のような場所。
黒猫さんにお城の中へと通されて5分程ったのだが、説明がないのでこうして二人でびくびくしている。
ちなみに妖精の二人はお休み中。
この二人について何を言われるかわからないので隠しているが、こんな状況なのに寝てられるのはある意味才能だと思う。
ガチャッ
と言う音とともに黒猫さんが入ってくる。
そして開口一番に
「ご、ごめんにゃ!!」
と、深々とお辞儀して謝ってきた。
「え、いやどういう事?」
訳も分からず聞き返す。
「父上と姉上に二人の話をしたらゴブリンをに魔力を使わず勝てるなど嘘だと言い出したのにゃ。
それで二人にはこの国の騎士と戦ってもらう事になったのにゃ。」
「いや、でも俺達は『知識』を渡せば関係ないんだろ?どうして戦う必要があるんだ?」
「さっきも話した通りネオピアの迷子は皆『二ホン』と言う国から来るらしく、大した戦闘能力を持っていないにゃ。
それ故に戦えるネオピアの迷子は初代以来初めてなのにゃ。」
「じゃあ俺達が偽物だと思ったのか?」
「それはもっとありえないにゃ。
空から落ちてきたのを見てたし、そもそもゴブリン相手に魔力が使えないのが突っ込んで行くにゃんて常識がないにゃんてレベルじゃにゃいにゃ。」
「じゃあ、どうして戦わなくちゃならないんだ?」
「ネオピアの迷子は国で独占する事は出来ないにゃ。
特に獣人族が治める国には国際的なところで弱いのにゃ。
二人を口実に他国から攻撃されるかもしれないにゃ。
だからいつまでもこの国で匿うわけにもいかないのにゃ。
だから二人を鍛えて強くして、二人には近いうちに国を出て旅に出てほしいのにゃ。」
「そんな唐突に旅に出ろっていわっれても…」
「あくまで後三か月くらい先の話にゃ。それまでに最低限の生活ができるように、にゃぁが直接鍛えてあげるのにゃ。そのためにも二人の実力を見ておきたいのにゃ。」
「そ、そうか、なら今すぐにでも…」
「そう言って貰えると有難いにゃ。
でもその前にやることが有るのにゃ。」
「う゛、ばれたか。」
「じゃ闘技場控室にレッツゴーにゃ」
そう言って俺と柚子島は黒猫さんに引きずられて行った。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
闘技場控室に着くと、そこには様々な武器が並べられていた。
それこそ、剣や槍みたいに王道な物から斧や鉈みたいに使う人を選ぶようなものが沢山揃っていた
「やっぱりネオピアの迷子と言えばこれかにゃ?」
と言って渡してきたのは刀だった。
「へー、刀が有るんだ…!?」
少し意外だったので、鯉口を切りながら話していたが刀身を見て、手が止まってしまった。
「ネオピアの迷子が必ず最初に使いたがる武器がそのカタナという物にゃんだけど、
ネオピアの迷子の意見と東の方にある国の知恵を合わせて造ったのがそのカタナにゃんだけど、
折れやすい、斬りにくい、使いずらいの三拍子で誰もまともに使えなかったのにゃ。」
「そりゃそうだろ。これ、江戸期の脇差やWW2(第二次世界大戦)時の軍用等を模した形なのに砂鉄からできた玉鋼じゃなくて、鉄をそのまま伸ばした物なんだから。」
「何が違うのにゃ?」
「ん~詳しく知ってるわけじゃないけど、まず玉鋼でできてる日本刀は折れにくい。
それに、日本刀の本来の目的は相手の筋肉繊維や血管、内臓を切るものであって剣や青竜刀みたいに相手の鎧ごと骨を断つなんてことは出来ないし、そもそも刃のあて方から違うんだからまともに使える人なんていないよね。」
「ふむふむ」
「使いずらいのは独特の反りが有るし、諸刃じゃないからじゃない?」
「にゃるほどにゃ」
「だから今回は、自前のを使う。」
と言って近くにあった短剣を背負っていた木刀の袋から木刀を取り出し、その峰に打ち付ける。
すると中から鞘に収まった一振りの脇差が現れる。
「なんでそんな所から刀が?」
という、柚子島のもっともな意見に回答する
「いや~昔、柚子島のじぃちゃんと仕込み刀を作ったはいいけど、そのこと忘れてて間違えて学校に持って行っちまってよ、予備のも3振り持ってるし今回はラッキーだったな」
「いつも言ってるけどそれって犯罪なんだよ」
柚子島にどやされる。
「まぁでもこれで武器の心配は無くなったし。ほれ」
と言って予備の一振りを柚子島に渡して。
「黒猫さん、始めようか。」
「…ついてくるのにゃ」
そう言って三人で控室から出ていく。
こんな駄文に付き合っていただきありがとうございます。
出来うる限り近いうちに更新します。