公爵夫人エリーゼ
あらすじ:私エリーゼ!ついにケンドリック様のプロポーズを受けて婚約者になりましたわ!…て言うより結婚しましたわ!何故前世を急に思い出したかは分からないけど、今世は幸せになってやりますわ!オーッホッホッホ!!!
ケンドリックのプロポーズを受け入れ、ついに婚約したエリーゼ。その数日後、学園を卒業した2人は、今後の準備に追われていた…
ーーーブリーク公爵家ーーー
「あとこれも...これも持っていくわ!」
「お嬢様、このネックレスはどうしましょう?」
「うーん…もう着けないからいつもの所に寄付しておいて。」
「承知しました。」
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「…ずいぶんスッキリしたわね。」
「お嬢様は物を大切にする方ですから。」
「…オブラートに包まず言ってみて。」
「物が多すぎて片付けが大変な部屋でした。」
「…今度は気を付けるわ。」
「そうですね。片付けをする侍女は私1人ではありませんし。」
「そ、そうよね…皆とお別れなのよね…」
エリーゼの発言にルーチェも少し寂しさを感じる。
ほとんど姉妹のように育ったルーチェはもちろん、他の使用人たちもエリーゼとは家族のように接していた。エリーゼの両親である公爵夫妻や兄弟、さらに今は王都で暮らしている祖父母も、使用人を大切にするので、それに影響されたのだろう。
ルーチェがエリーゼに語りかける。
「確かにほとんどの使用人とはお別れになってしまいますが、今生の別れではありませんし、私のように共に公爵家に向かう使用人もいますから、大丈夫です。」
ケンドリックの屋敷に行くのはエリーゼを含めて5人、侍女のルーチェに護衛のディール、料理人のパーニーと庭師のクィードだ。全員歳が近く、幼少期はよく一緒に遊んだ仲である。
ケンドリックがエリーゼの好みに合わせるために、彼女をよく知る4人の使用人を公爵家で雇うことにしたのである。
「本当、ケンドリック様は気遣いが出来るわね…確かに、私のことを分かってくれる人が近くにいると安心するもの。」
「お嬢様、公爵家でも、よろしくお願いしますね。」
「ええ、頼りにしてるわ。」
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数日後、エリーゼはケンドリック第三王子改めマイメリー公爵家に嫁ぎ、正式にマイメリー公爵夫人となった。
(マイメリーって何か聞いたことがあるような…?うーん…思い出せないわね!)
引っ掛かるものはあるものの、エリーゼは深く考えないでいた。
そして月日は流れ…
ーーー5年後ーーー
「かあさま!かあさま!きれいなお花を見つけました!」
「あらエディ?…本当、綺麗ね。教えてくれてありがとう。」
エリーゼの息子であるエディことエドワードは得意気に笑った。エリーゼもつられて笑う。
エリーゼのお腹の中には、2人目の子供がいる。
(お医者様が言うには女の子らしいけど…ふふっ、まさかルーチェとディールの子供と同い年になりそうなんて…運命かしらね。パーニーとクィードの子供はエディと1歳差だし…)
自分の子供に幼少期を共に過ごせる友人が出来ることに、エリーゼは幸せを感じていた。
(ケンドリックったら、エディの名前を決めたとき、驚いてたわよね…)
エリーゼはケンドリックとルーチェが初めて会った時のことを思い出していた。
(あの反応…もしかしたら、ケンドリックも私と同じ転生者なのかもしれないわね…まあ、だからといって何か変わるわけでもないけれども。)
エリーゼは大きくなった自分のお腹を優しくさする。
(私は普通に幸せに生きるだけよ!どんな困難があっても、皆と一緒なら大丈夫!)
エリーゼは信頼できる家族と共に、これからもゆるゆると生きていく。
終わり
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「これってもしかして…私、転生してる!?」
第二章、開始!!!
取り敢えず、本編は完結です。
思い付きで書いていったらここまで続くとは…!
本文に書いてある通り、第二章が始まります。
お楽しみに!