ケンドリックの秘密
あらすじ:私エリーゼ!ケンドリック殿下とお話をしましたが、中々誠実そうな方でしたわ!でも、ルーチェをみた瞬間の反応は気になりますわね…いずれ突き止めてやりますわ!オーッホッホッホ!!!
「やっぱり…やっぱりこの世界は…」
ケンドリックはトレンス王国の第三王子である。
彼には誰にも言えない秘密があった…
「言えるわけ無いよな…この世界が…乙女ゲーム『どりーみんっ♪スクールラヴァーズ♪』の世界かもしれないって…」
そう、彼は転生者だったのだ!
「とは言え…妹が遊んでたのを見ていただけだから、あんまり内容は覚えてないし…何より…」
「何より…過去の話っぽいんだよなぁ…」
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ケンドリックが前世の記憶を取り戻したのは幼少期であった。
思い出した当初はエリーゼ同様どのような世界かを理解していなかった。
彼が気付いたのは家庭教師に歴史の授業をしてもらっていた時、自国や周辺国の名前に聞き覚えがあったからだ。
しかし、気付いたからと言ってまだ問題があった。
それは…
《自分》が誰なのかがわからないという点であった…
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《原作》ゲームの主人公は公爵令嬢リズ。かなりのお転婆故に、中々婚約者が決まらない状況の中、彼女はブリーク国立学園中等部に留学することになる。その後、中等部、高等部の6年間で攻略対象の好感度を上げ、恋愛成就をする…これが簡単なゲームのストーリーである。
このゲームは、学園内の問題を解決しながら、自身の魅力度を上げつつ、攻略対象の好感度を上げていくことで攻略していくものである。
このゲームには、ちょっとした嫌がらせや敵対することにより対決をする相手がいるが、明確な悪役がいないのも特徴である。
進行はかなりシンプルなゲームであるが、それぞれの攻略対象の好感度や自身の成長度合いによってストーリーが細かく分岐していくため、かなりやり込み要素がある。実際、ケンドリックの前世での妹は全てのストーリーやスチルを解放するのに数年かかっていた。
当然、このゲームには多数の攻略対象だけでなく、サポートキャラも多く存在する。
そのうちの1人が、主人公の乳母であり、公爵家の使用人であるルーチェだ。彼女はこのゲームで根幹とも言うべき、攻略対象の好感度や、主人公の魅力度を報告し、さらにアドバイスをくれる存在である。
ケンドリックは《彼女》の存在を知っていた。
「ルーチェ・エスペルト嬢…ゲームより若いが、確かに面影はある…しかも、現時点でトレンス王国の公爵になるのは私含めて3人…主人公の見た目は黒髪のサラサラストレートなロングヘアーに黒い瞳…3人の中で黒髪黒目は私のみ…これはつまり…」
そう、主人公リズはケンドリックとエリーゼの娘である!!!!
「両親の名前が出てこなかったので、あまりピンと来なかったが…ここまで情報があればさすがの私でも理解が出来る…!」
ケンドリックは考えた。この世界がゲームと理解して、どのように生きていこうか…少し考えて、ケンドリックは…考えるのを止めた。
「別にリズは悪役でもないし、回避すべき問題も特に無い…だったら私にやれることは無いんじゃないか…!?だったらもう、今まで通りに生きていくしかないじゃないか…!そして…そして…!」
ケンドリックははっきりと宣言する。
「エリーゼ嬢とイチャイチャするぞ!!!」
ケンドリックはエリーゼに恋をしていた。一目惚れだった。
「現時点では彼女はこの婚約に乗り気では無いと思われる…!だからこそ!絶対に攻略してやるぞ!!!」
やる気に満ち溢れているケンドリック、しかし、エリーゼが思ったより婚約に乗り気なのを、彼はまだ知らない。
次へ続く!
あと数話で終わると思います。最後までお付き合いいただけるとありがたいです。