ケンドリック殿下、初登場!
あらすじ:私エリーゼ!ついにケンドリック殿下が登場よ!一体どんな方なのかしら?楽しみね!オーッホッホッホ!!!
「お久し振りです。ケンドリック殿下。」
エリーゼはケンドリックに声をかけると、優雅にお辞儀をした。
「エリーゼ嬢、数日ぶりですね。」
優しく笑いかけるケンドリック。
(改めてみると…絵姿よりかなりのイケメンよね…)
数日前、ブリーク王国の王城にて、2人は初めて顔を合わせた。
「これから3年間、お世話になるね。私はブリーク語は話せるけど文化等にはあまり明るくなくてね…教えていただけるとありがたい。」
「ええ、こちらこそ、トレンス王国について教えていただけるとありがたいですわ。」
(このあたりは基本的な社交辞令ね…!問題はこれからよ!3年間の目的はケンドリック殿下の人間性をつかむこと。ルーチェを相手にした時の反応を見極めるわ!)
エリーゼはケンドリックにルーチェの紹介をする。
「ケンドリック殿下、こちらは私の親友であるルーチェですわ。」
「お初にお目にかかります。ルーチェ・エスペルトでございます。本来は殿下とはお会いできる立場ではございませんが、この3年間、同じ学生としてよろしくお願いいたします。」
名前を聞いた瞬間、ケンドリックの顔が歪んだ。…いや、なにか驚いたような表情をした。
エリーゼはその一瞬を見逃さなかった。
(身分の関係ではないわね…まるで名前を知っていたかの反応…少し気になるわね…)
ケンドリックがルーチェに話しかける。
「この学園では身分は関係ないよ、ルーチェ嬢。これから1学園生としてよろしく頼むよ。」
ケンドリックはエリーゼに向き直り、話しかける。
「ではエリーゼ嬢、また会おう。」
「ええ、またお会いしましょう。」
そうしてケンドリックは学生寮に、エリーゼとルーチェは王都にある公爵家別宅に向かった。
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ーーー公爵家別宅にてーーー
「お世話をして頂く感覚は慣れませんね…」
ルーチェはそう呟く。
「ずっとお世話をする役割だったものね。いきなりお嬢様扱いをされるのは大変でしょう。」
「ええ、全くです。しかしなぜお嬢様…エリーゼはこの提案を…」
「あなただって今は私と同じ立場の学生だもの。せめてこの3年間は対等でいたいわ。」
エリーゼは入学する前、父である公爵に提案したことを思い出す。
ーーー数日前ーーー
『お父様、提案があります。』
『エリーゼ?どうした急に?』
『単刀直入に言います。この3年間、私とルーチェを対等の立場で扱っていただきたいのです!』
『…どうしてだい?』
『3年間、私とルーチェは学生として同じ立場になります。その時にお嬢様と侍女の関係が出来てしまっては、学園の理念に反するのではないかと考えました。…ですので、検討をして頂きたいです。』
『…ふむ、わかった。そうしてもらえるように手配をしよう。ちゃんとルーチェにも伝えるんだぞ。』
『わかりましたわ!ありがとうございますわ!お父様!』
エリーゼは楽しそうに部屋を出ていった…
エリーゼが部屋を出た後、側近が公爵に話しかける。
『先程の件、公爵が前々から考えていたことですよね?』
『そうだね。エリーゼも同じ気持ちでいてくれて良かったよ。』
『公爵はお嬢様もですが、ルーチェのことも大切に思っておりますからね…ルーチェの叔父として、ありがたい限りです。』
『ルーチェはエリーゼにとって無くてはならない存在だからね、ルーチェに対するエリーゼの希望は出来るだけ叶えてあげたいよ。…今夜は一杯どうだい?公爵と側近ではなく、1友人として...ね?』
『あなたが飲みたいだけでしょう…まあ、良いです。ありがたく頂きましょう』
ーーー時を戻そう!ーーー
就寝準備が整い、エリーゼとルーチェは部屋で1日を振り返った。
「かなり柔らかい雰囲気の方でしたね。」
「そうね。特に身分にこだわる方じゃなくて助かったわ。」
「ええ、エリーゼがいたから取り繕った感じでもなさそうでした。エリーゼが居ない時にも観察してみましたが、他の平民の方にもかなり優しい方でしたね。」
「お父様の言う通り、かなり誠実な方のようね。安心したわ。あとは、私との相性次第かもね。ただ…あの時の反応は気になるわね…」
「あの時とは?」
エリーゼはルーチェが名乗ったときの反応について話をした…
ルーチェは少し考え、口を開く。
「確かに、その反応は気になりますよね…話の限りだと悪い感情ではなさそうですが。」
「そうよね…まさかルーチェ!あなた物語の主人公じゃないわよね!?」
「いきなり何を言ってるんですか。エリーゼの前世の記憶に私がいましたか?」
「居ないわよ。だから聞いてるんじゃない。」
「エリーゼの前世について知らない私がわかるわけ無いでしょう…」
「…そう言えばそうね!うっかりしてたわ!」
「全くもう…まあ、3年間ありますからゆっくり考えていきましょう。誰かに似ていた!みたいな簡単な話かもしれないですし。」
「そうね、考えすぎても仕方がないわ。今日はもう寝ましょう。さあ!来なさい!」
「同じベッドなんですね…」
「当たり前じゃない!さあ寝るわよ。おやすみ。」
「仕方がないですね…おやすみなさい、エリーゼ。」
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ーーー学生寮、ケンドリックの部屋ーーー
「なぜ…なぜ彼女が…やはりこの世界は…!」
次へ続く!
何か物語が動きそうな予感です…!